ここからは、日本に関わりのあるジェファソニアンがどのような発言をしたか考察したいと思います。なぜ私がジェファソニアンについて長々と書くのかと言えば、この思想がこれからの日本に決定的に重要だと考えているからです。

 アーサー・ブラウンというCIA元東アジア部長という人がいます。かれは以前から「金正日は核兵器を放棄する意志がなく、故に6カ国協議は失敗する」と言い続けてきました。実際に彼の言うとおりになってしまい彼には先見の明があったことになります。私は朝鮮半島情勢についてアーサー・ブラウン氏と防衛研究所の武貞秀士氏のいうことは無条件に信じようと思っています。

 そんな有能なブラウン氏なのですが、彼は日本の基地問題で『週刊朝日』に「06年の日米合意は自民党政権下の過去の約束だ、と鳩山首相はオバマ大統領に言えばよかったのです」と語っています。要するに自民党時代の約束を破棄してしまえといっているわけです。

 さらに北朝鮮による日本人拉致問題についても彼は日本に対して核問題よりも優先順位を上げなさいといっています。

 私は日本人の大半がブラウン氏の発言に賛成すると思います。しかし同時に、日本政府が彼の発言通りのことをアメリカに頼んだら本当にアメリカは受け入れてくれるのだろうかとも思っているのです。なぜならアメリカ現政権の考え方とブラウン氏の考え方にかなりの距離があるからです。そこで日本人は途方に暮れることになります。

 実は私がブラウン氏の言論に抱いた感情と全く同じような感情を抱いた人物が以前いたことを思い出しました。それはビル・トッテン氏です。

 彼は日米が経済摩擦でもめていた80年代後半に日本の論壇に登場し日本の経済運営に批判的なアメリカに対して「日本的経営」を擁護したのです。今でも覚えていますが、トッテン氏はテレビでパパ・ブッシュ時代のベーカー国務長官と論争してベーカー氏が苦虫をかみつぶしていたような表情になったのが印象的でした。

 さてこの時も日本人はトッテン氏の議論に賛成したと思うのですが、果たして日本に対して心底怒っているアメリカに対してトッテン氏のいうことをそのままぶつけてしまっていいものかと疑問に思ったのでした。火に油を注ぐ結果になりはしないか、と。

 実はブラウン氏とトッテン氏の発言にはある共通性があります。それは「日本がアメリカから『自立』しなさい。ちゃんと自分の『国益』を世界に対して主張しなさい」と言っている点です。『週刊朝日』は東アジアで問題があるとすぐにブラウン氏のコメントをとりにいきますが、果たして彼の言論の背景を認識しているのでしょうか疑問です。

 さて基地問題で日本にノーと言ったのはゲーツ国防長官ですが、彼は以前CIA長官を務めていたので、ブラウン氏の上司をしていたかもしれません。彼は昔のボスにノーと言えといっているわけです。トッテン氏
の方はもっとすごく、おそらくは経済摩擦時の言論がたたったのでしょう、アメリカにテロリスト扱いされて、彼はぶちきれて日本国籍をとったのでした。彼らの「独立心」は日本人にとって驚きです。全てとは言いませんが、少しは学ぶ必要があるのではないかと筆者は思っています。

 トッテン氏は現在も社員800名の会社アシストを経営されています。(ジェファソニアンは大企業が嫌いだった)彼は「会社は従業員と顧客のもの」と考え、株主くそくらえと思っているのでしょう、上場はしてないようです。(言行一致です)週末は農作業で汗を流し(ジェファソン大統領も南部で農場を経営していました。)車は環境破壊の元と車を放棄し、自宅から京都駅まで6キロも歩くそうです。さらにペットボトルは再生不可能だから買わないと決めたそうです。

 村田教授の本ではジェファソニアンは「独立自営農民」の思想を持っていると書いてありました。トッテン氏は日本国籍をとっていらっしゃるので、世にも珍しい日本人の「独立自営農民」となります。

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