威霊仙 2015-0528
テーマ:生薬之
1.
威霊仙 いれいせん
a. 生薬
別名/
ラテン名/ Clematidis Radix
英名/ Clematis Root
科名/ キンポウゲ科 Ranunculaceae
基原/
サキシマボタンヅル Clematis chinensis Osbeck,
Clematis mandshurica Ruprecht 又は Clematis hexapetala Pallas
b. 薬用部位
根・枝・茎
c. 含有方剤
舒筋立安散 疎経活血湯 二朮湯
d.
薬理作用/
血圧降下,抗利尿作用.
臨床応用/
四肢の関節炎やしびれ,関節の運動障害を伴う慢性関節リウマチに用いる.
魚の小骨が刺さった時,骨をとるために去骨湯としてゆっくり飲み下す.
頻用疾患/
半身不随,腰痛,リウマチ,神経痛,喉の小骨刺入,痛風,発語障害,麻痺
薬能/
去風除湿,通絡止痛.風湿痺痛,肢体麻木,筋脈拘攣,屈伸不利,骨が咽喉につかえた時に用いる.
e.
帰経 膀胱
性 温
味 辛
神農本草経
中医分類 祛風湿薬
f.
備考 第十六改正日本薬局方収載品.
from: 伝統医薬データベース 富山大学和漢医薬学総合研究所
2015-0528
2.
a.
分類
界/ 植物界 Plantae
門/ 被子植物門 Magnoliophyta
綱/ 双子葉植物綱 Magnoliopsida
亜綱/
目/ キンポウゲ目 Ranunculales
科/ キンポウゲ科 Ranunculaceae
亜科/ キンポウゲ亜科 Ranunculoideae
族/ Anemoneae
属/ センニンソウ属 Clematis
b.
名称・類縁
クレマチス(Clematis)
キンポウゲ科センニンソウ属のこと。
クレマチス属ともいう。
c. 要旨
センニンソウ属の蔓性多年草。
テッセン(鉄仙)およびカザグルマ(風車)はクレマチス(センニンソウ属)に属する種の名前だが、園芸用のクレマチスを指して「鉄仙」や「カザグルマ」の名が使われることもある。
センニンソウ属は北半球に広く分布している。
クレマチスの原種は約300種類存在すると言われ、世界各地に分布している。
花弁をもたず、花弁のように変化した萼を持つ点が特徴で、原種は花も小さく、花色も限定される。
種子(実際は果実)は先端に鞭状の突起があり、その表面に多数の綿毛をはやす。
葉は三出複葉か二回三出複葉で、つる性のものでは葉柄は他の植物の茎などにやや巻き付き、掴むような感じになって茎を固定する。
日本産のものは、ボタンヅル、センニンソウ、ハンショウヅル、カザグルマ等がある。ボタンヅル、センニンソウと呼ばれるものは小型の白い花を多数着ける。
ハンショウヅルは釣り鐘型の花を少数着ける。
これらではなく、カザグルマのように大柄の上向きに平らに開いた花をつけるものが鑑賞用に喜ばれ、人工交配品による種も作られている。
交配は原種をもとに何世紀にもわたって続けられ、現在では2,000種を超える交配品種が生み出されている。
一重咲き、八重咲き、万重咲き、チューリップ咲き、釣鐘型と多くのバリエーションがみられる。
d. 同定、他
<種>
近縁種の数は多く
有毒の植物属なので心得よ
センニンソウ属は世界中に300種、日本には20種以上がある。
花の美しいカザグルマや、それに類似の花の美しい外国種が栽培され、クレマチスと呼ばれている。
日本産のもので、蔓になって小型の花を多数つけるものはセンニンソウまたはボタンヅルの名で呼ばれる。
本州での普通種としては本種と花がよく似た種にボタンヅル(Clematis apiifolia)がある。
本種センニンソウ(仙人草、学名 Clematis terniflora)は羽状複葉で卵形の葉であるのに対し、
ボタンヅルは三出複葉でボタンに似た鋸歯の多い葉をつけるので見分けがつく。
<主なセンニンソウ属の植物>
a) ミヤマハンショウヅル Clematis alpina ssp. ochotensis
b) ボタンヅル Clematis apiifolia
c) テッセン Clematis florida
d) カザグルマ Clematis patens
e) センニンソウ Clematis terniflora
f) サキシマボタンヅル(先島牡丹蔓) Clematis chinensis
a)
ミヤマハンショウヅル(深山半鐘蔓、学名:Clematis alpina ssp. ochotensis)
キンポウゲ科の落葉蔓性植物。
北海道~関東・中部地方の亜高山帯~高山帯に生える高山植物。蔓の長さは30-100cm。花期は6-8月。
枝先に3cmほどの鐘形で紅紫色の花を咲かせる。萼片は4枚で内側に白い花弁がある。
和名は、深山に生え、花の形が火事の時に鳴らす半鐘に似ていることから。
b)
ボタンヅル(牡丹蔓、学名:Clematis apiifolia )
キンポウゲ科センニンソウ属の落葉つる性半低木。
有毒植物。
つるの長さは、2-4mになり、茎の基部が木質化する。
葉は1回3出複葉で、長い葉柄をもち茎に対生し、
小葉は長さ3-6cmの卵形で先端はとがり、縁は不ぞろいな鋸歯状になる。
花期は8-9月で、茎の先端や葉腋から3出集散状の花序を出し、径1.5-2.0cmの白色の花を多数つける。
十字型になる4枚の花弁に見えるのは萼片で、花弁はない。
萼片は長楕円形で外側に短毛が生える。
雄蕊、雌蕊は多数ある。果実は卵形の痩果で、花後、花柱が羽毛状に長く伸びる。
和名は、葉の様子がボタン(牡丹)に似、つる性であることからついた。
下位分類/
コボタンヅル
Clematis apiifolia DC. var. biternata Makino 葉が2回3出複葉で、本州の関東地方、中部地方に分布する。
c)
テッセン (鉄線、学名: Clematis florida)
中国原産。
キンポウゲ科センニンソウ属のつる性植物。鉄線葛、鉄線蓮とも呼ばれる。
ともにクレマチスの園芸品種の交雑に使われる。
また、クレマチスを指して「テッセン」と呼ぶこともある。
花は白色で、4cmほどのがく片が6つある。越冬させることができる多年草である。
普通花びらは6枚。
白花の品種がシロバナカザグルマ
(白花風車、学名:Clematis patens C.Morren et Decne. f. leucantha Okuyama)
と呼ばれることがある。
d)
カザグルマ (風車、学名:Clematis patens C.Morren et Decne.)
キンポウゲ科センニンソウ属の落葉性つる性多年草。
本州、四国、九州北部、東アジアに分布し、おもに林縁に生える。鑑賞用にも植えられている。
茎は褐色で木質化する。
葉は長さ3-10cmの小葉3-5枚からなる羽状複葉、5-6月に短い若枝の先に白色または淡紫色の花を単生する。
花びらのように見える萼は普通8枚で長さは7-8cmだが、種類により変異が大きい。
痩果は広卵形で、黄褐色の羽毛状となる。
日本では環境省によりレッドリストの準絶滅危惧(NT)の指定を受けている。
奈良県宇陀郡大宇陀町で町の花の指定を受けていた。
奈良県宇陀市の「カザグルマ自生地」が、1948年(昭和23年)1月14日に国の天然記念物の指定を受けた。
船橋市で市の花の指定を受けている。
e)
センニンソウ(仙人草、学名 Clematis terniflora)
キンポウゲ科センニンソウ属の多年草。
有毒植物。
日本各地に分布し、日当りの良い山野に多く見られる。
つる植物であり、長く茎を伸ばし、節ごとに葉を対生する。
葉は五枚の小葉を持つ羽状複葉になるのが普通。小葉は卵状楕円形で草質、なめらかだがつやはない。
葉の表面に白い模様を出すことがある。
葉柄が他の植物の枝や葉に絡み付き、それによって植物体を固定する。
花は8~9月に咲く。
茎の先端付近の葉腋から三出状の散房花序を出し、多数の白い花をつける。
4枚の花弁に見えるのは萼片で、本当の花弁はない。果実には白い毛があり、これを仙人のヒゲに見立てたことからこの名が付いた。
有毒なので、注意を要する。
他にセンニンソウと呼ばれるものがあり、代表的なものに以下のような種がある/
キイセンニンソウ C. terniflora DC
センニンソウに似るが、葉が厚くてつやがあり、小葉の基部に関節がある。紀伊半島と九州(熊本県)の固有種。
ヤンバルセンニンソウ C. meyeniana Walp.
屋久島から琉球列島、葉は三出複葉だが関節はない。
f)
サキシマボタンヅル(先島牡丹蔓)
Clematis chinensis
科名・属名/ キンポウゲ科 センニンソウ属
基原種
特徴/
つる性で半常緑の藤本。
茎は長く伸び、先で分枝する。
葉は対生し、3~5出、小葉は卵形~卵状披針形で、長さ2~6cm。
質は膜質または洋紙質、先は鋭頭で、基部は円形または心形、縁は全縁。葉は乾けば黒変する。
花は3出の散房花序となり、花は白色で径2~2.5cm。萼片は4~5個。
果実(そう果)は卵形で、長さ約3mm。
分布・生育地/ 沖縄 林縁
花期/ 6~8月
他、参考之記/
真夏の宮古島、センニンソウを見つけた。
林縁で葉が円くて全縁なのでリュウキュウボタンヅルではない。
帰って調べると本種で、その後石垣島や沖縄本島でも花を見かけた。
沖縄にはこの仲間が多くどの種もよく似ているが、乾くと葉が黒くなるのが特徴らしい。
f)
他/
シナセンニンソウ(一名サキシマボタンヅル)C.chinensis Osbeck
from: クレマチス - Wikipedia, etc
センニンソウ
2015-0528
3.
センニンソウ
キンポウゲ科センニンソウ属:つる性多年草:草丈 ~ センチ:花期 ~10月
a.
分布生育場所/
科名:キンポウゲ科/属名:センニンソウ属
和名:仙人草/別名:ウシノハコボレ/学名:Clematis terniflora
日本全土の山地、土手、道端に自生、センニンソウの果実
キンポウゲ科センニンソウ属ボタンヅル(牡丹蔓)
キンポウゲ科センニンソウ属クサボタン(草牡丹)
キンポウゲ科センニンソウ属トリガタハンショウヅル(鳥形半鐘蔓)
キンポウゲ科センニンソウ属カザグルマ(風車)
b.
見分け方・特徴/
原野などで普通に自生する落葉性のつる草、茎は円柱状で肋(ろく)があり長く伸びて枝分かれします。
葉は長柄があり、奇数羽状複葉(うじょうふくよう)で小葉は3~7枚あり、他の物に小葉柄(ようへい)と葉柄で巻きついて生長します。
花は、8~9月ころ葉脈(ようみゃく)から円柱花序(えんちゅうかじょ)を出して、白色花を多数つけます。
白色の花弁(かべん)に似た、がく片は4枚、花弁は無く、雄しべと子房(しぼう)は多くあります。
果実は種子状で平たく倒卵形でミカン色で、花の後の雌しべの花柱(かちゅう)が伸びて果実に残り、長さ3センチくらいになって羽毛状になり、風で飛散して繁殖します。
よく似た生態にボタンヅルがある
c.
採集と調整/
葉を夏から秋にかけて採取して、生(なま)のままで用います。
根を乾燥したものを、生薬(しようやく)で和威霊仙(わいれいせん)といいます。
有毒部分:葉、茎
有毒成分:ポロトアネモニン(汁液が皮膚に触れると引赤、発疱(はっぽう)して水腫(すいしゅ)が生ずる。
中毒症状:胃腸炎症
毒性が強く、民間では絶対に飲用してはいけません。
d.
薬効・用い方
センニンソウの葉を用いて、扁桃炎(扁桃腺炎)の治療を行う民間療法がある。
民間では、へんとう炎に生(なま)の葉1~2枚をよくもんで、手首の内側に軽く貼り付け、一昼夜くらいそのままにします。すると、手首の内側に軽い痛みを感じるようになり、やがて、へんとう炎の痛みもとれてきます。
生(なま)のセンニンソウを取り除くと、その部分が発疱(はっぽう)して赤くなりますので、温水でかるく洗います。また、皮膚の弱い人の場合には、ガーゼに包んで塗布します。
神経痛、リューマチ、にも痛みのある患部に生の葉を塗布すると、やがて、発疱(はっぽう)して、水疱(すいほう)が出来るので、その水を抜き、患部を包帯で保護するという民間療法がありまが、真意については解明されていないようです。
同様の民間療法は、キツネノボタンにもある
また、民間では茎葉をつぶして軟膏に配して、のう水を破るために用いられていたこともあります。
生薬(しょうやく)で、中国産の威霊仙(いれいせん)とは、センニンソウと同属のシナボタンヅルやイトボタンヅルの根を乾燥したものです。これは、煎じて神経痛、リューマチなどの痛み止めに用いますが、日本のセンニンソウは民間療法だけで、外用だけの応用になっています。
この用法は、飯沼慾齋(いいぬまよくさい)も表しているように、昔からセンニンソウの発泡成分プロトアネモンを応用する一種の刺激療法の部類になります。これを服用することは粘膜などに発赤発疱(はっせきはっぽう)の副作用が表れるので用いる場合には十分な注意が必要です。
e.
その他/
幕末に飯沼慾齋(いいぬまよくさい)は50歳になると医者であった家業をゆずり、自らは大垣西方の長松に平林荘を建てて、植物学の研究を進めて、本草図より植物図を書き近代植物学として草木図説(そうもくずせつ)草部20巻を表しました。
そのうちの木部10巻は未刊のままとなっていましたが生誕200年近くになって刊行されました。
今でもなお植物図と解説が植物学に寄与していることからも、飯沼慾齋(いいぬまよくさい)のすぐれた業績をうかがうことができます。
その中で、センニンソウの記述は草木図説・木部の巻6に収載されていて、フツクサ、大蓼(たいりょう)の名前があり「原野ニ多キ蔓草ニシテ、衆ヨク通知シ、往々以テ外伝シ泡ヲ発シテ諸患ヲ治スコトアルモノナリ・・・・・」という記述があり、薬効についての説明があります。
センニンソウの別名には、ウシノハコボレがありますが、これは牛が牧草といっしょに食べてしまうと歯が抜けてしまうことからつけられたもので、有毒植物のひとつということです。
名の由来は、花が終わると枯れて仙人を連想するからという
from: 薬草,イー薬草・ドット・コム
2015-0528
4.
カザグルマ
キンポウゲ科センニンソウ属:落葉つる性:樹高 ~ メートル:花期 ~6月
a.
分布生育場所/
科名:キンポウゲ科/属名:センニンソウ属
和名:風車/学名:Clematis patens
本州、四国、九州の山地
朝鮮、中国に分布する
キンポウゲ科センニンソウ属センニンソウ(仙人草)
キンポウゲ科センニンソウ属ボタンヅル(牡丹蔓)
キンポウゲ科センニンソウ属クサボタン(草牡丹)
キンポウゲ科センニンソウ属トリガタハンショウヅル(鳥形半鐘蔓)
b.
見分け方・特徴/
つる性落葉の木本、つるは高さ2~5メートル伸び、茎は褐色
葉は、互生、3出複葉~2回3出複葉、小葉は卵形、長さ2~6センチ、洋紙質で先は尖る
花は、5~6月頃、新枝の先端に直径10~15センチの白色~薄紫色の美しい花をつける
花には花弁が無く、花弁状に見えるのは、がく片で8枚、雄しべ雌しべ多数、葯は紫色
c.
採集と調整/
秋の落葉する頃に根をほりあげ、水洗いして日干しにして乾燥させる
乾燥したものは、生薬名威霊仙(いれいせん)の代用として用いる
d.
薬効・用い方/
根には、トリテルペン、オレアノール酸を含む
通風には、威霊仙(いれいせん)の代用として、1日量5~8グラム、水0.4リットル、約半量まで煎じて1日3回食後30分に服用する
2~3週間服用して、2~3週間休止して、再度2~3週間続けて連用はしないこと
e.
その他/
名の由来は、8枚の花の形から、風車(カザグルマ)に見立てて、カザグルマの名になった
テッセン(鉄銭)は、中国から、寛文年間(1661-1673)に日本に渡来した園芸品種
クレマチスは、日本原産のカザグルマ、中国原産のテッセン、ヨーロッパ原産のピチセラやインテグリフォリアなどを交配したもので、観賞価値の高い園芸品種
from: 薬草,イー薬草・ドット・コム
2015-0528
5.
ボタンヅル
キンポウゲ科センニンソウ属:つる性多年草:草丈 ~ センチ:花期 ~10月
a.
科名:キンポウゲ科/属名:センニンソウ属
和名:牡丹蔓/学名:Clematis apiifolia
本州、四国、九州の日当たりの良い山地に自生
花や生態はセンニンソウに似る、違いは葉がボタンの葉に似て切れ込みがある
名の由来は、葉がボタンに似て、蔓(つる)が伸びて花を多数付けるからついた
6.
トリガタハンショウヅル
キンポウゲ科センニンソウ属:多年草:草丈 ~センチ:花期 ~月
a.
科名:キンポウゲ科/属名:センニンソウ属
和名:鳥形半鐘蔓/学名:Clematis tosaensis Makino
本州、四国の山地に自生
落葉性の木質つる性植物、古い茎は木質化して低木の上を這う
葉は3出複葉、小葉は楕円形、長さ4~9センチ、幅3~5センチ、葉縁には不規則な鋸歯がある
花は、5~6月頃に長い花柄を伸ばして先端に長さ2~3センチの鐘形で淡黄白色の花を1個垂れ下げる
花は花弁は無く、花弁状のがく片4枚、雄しべ、雌しべ多数
果実はそう果、狭卵形、羽毛状の花柱が尾状につく
ハンショウヅルは、本州、九州の山地に自生し半鐘形の花の先端が紅紫色を帯びる
シロバナハンショウヅルは、関東地方以西の山地に自生し広い半鐘形で黄白色の花
ミヤマハンショウヅルは、北海道、本州中部以北の深山~高山のハイマツ内などに自生し暗紫色の花をつける
名の由来は、花の形を古い時代の火事を知らせる、火の見櫓(やぐら)につく半鐘(はんしょう)に見立てた
鳥形は、四国土佐の鳥形山から名をとったという
from: 薬草,イー薬草・ドット・コム
2015-0528
7.
威霊仙(いれいせん)
分類/ 袪風湿薬
出典/ 新修本草
処方用名/ 威霊仙、鉄霊仙、イレイセン
基原/
キンポウゲ科 Ranunculaceae ノシナボタンヅル Clematis chinensis OSBECK、その他同属植物の地下部。
古来の正品はカザグルマ C. patens MORR. et DECNE. またはテッセン C.florida THUNB. である。
異物同名品にユリ科のサルトリイバラ属植物 Smilax spp. の地下部に由来するものなどがあるが、使用すべきでない。
性味/ 辛、鹹/温
帰経/ 膀胱
効能/ 袪風除湿、通絡止痛、消痰逐飲
1.風湿による痺痛に用いる。
威霊仙は、経絡を通じ、風湿を除去する効果も良いし、疼痛を止める作用も強い。
四肢の関節痛、関節の運動障害、手足の痺れなどの症状を伴う痺痛に適用している。
古法には単味で丸散剤とするものがある。
煎剤は、症状によって他の薬物を配合することができる。
たとえば風湿腰痛を治療する神応丸は、桂心と当帰を配合する。
2.魚などの骨が咽喉部や食道上部に刺さったときに用いる。
一般に単味で煎剤して、ゆっくり飲み下す。
また酢と砂糖で水煎して、服用することもできる。
このほか、痰水を除去する作用があるので、噎隔、痞咳にも用いられる。
注意/
作用が強いので、長期間服用すると正気を損傷しやすい。
虚弱体質には慎重に用いる。
from: 薬膳情報.net-中薬(威霊仙)
http://www.yakuzenjoho.net/chuyaku/ireisen.html
2015-0528
参考にした文献、サイト等
伝統医薬データベース 富山大学和漢医薬学総合研究所
Wikipedia
薬膳情報.net
薬草,イー薬草・ドット・コム
他
テーマ:生薬之
1.
威霊仙 いれいせん
a. 生薬
別名/
ラテン名/ Clematidis Radix
英名/ Clematis Root
科名/ キンポウゲ科 Ranunculaceae
基原/
サキシマボタンヅル Clematis chinensis Osbeck,
Clematis mandshurica Ruprecht 又は Clematis hexapetala Pallas
b. 薬用部位
根・枝・茎
c. 含有方剤
舒筋立安散 疎経活血湯 二朮湯
d.
薬理作用/
血圧降下,抗利尿作用.
臨床応用/
四肢の関節炎やしびれ,関節の運動障害を伴う慢性関節リウマチに用いる.
魚の小骨が刺さった時,骨をとるために去骨湯としてゆっくり飲み下す.
頻用疾患/
半身不随,腰痛,リウマチ,神経痛,喉の小骨刺入,痛風,発語障害,麻痺
薬能/
去風除湿,通絡止痛.風湿痺痛,肢体麻木,筋脈拘攣,屈伸不利,骨が咽喉につかえた時に用いる.
e.
帰経 膀胱
性 温
味 辛
神農本草経
中医分類 祛風湿薬
f.
備考 第十六改正日本薬局方収載品.
from: 伝統医薬データベース 富山大学和漢医薬学総合研究所
2015-0528
2.
a.
分類
界/ 植物界 Plantae
門/ 被子植物門 Magnoliophyta
綱/ 双子葉植物綱 Magnoliopsida
亜綱/
目/ キンポウゲ目 Ranunculales
科/ キンポウゲ科 Ranunculaceae
亜科/ キンポウゲ亜科 Ranunculoideae
族/ Anemoneae
属/ センニンソウ属 Clematis
b.
名称・類縁
クレマチス(Clematis)
キンポウゲ科センニンソウ属のこと。
クレマチス属ともいう。
c. 要旨
センニンソウ属の蔓性多年草。
テッセン(鉄仙)およびカザグルマ(風車)はクレマチス(センニンソウ属)に属する種の名前だが、園芸用のクレマチスを指して「鉄仙」や「カザグルマ」の名が使われることもある。
センニンソウ属は北半球に広く分布している。
クレマチスの原種は約300種類存在すると言われ、世界各地に分布している。
花弁をもたず、花弁のように変化した萼を持つ点が特徴で、原種は花も小さく、花色も限定される。
種子(実際は果実)は先端に鞭状の突起があり、その表面に多数の綿毛をはやす。
葉は三出複葉か二回三出複葉で、つる性のものでは葉柄は他の植物の茎などにやや巻き付き、掴むような感じになって茎を固定する。
日本産のものは、ボタンヅル、センニンソウ、ハンショウヅル、カザグルマ等がある。ボタンヅル、センニンソウと呼ばれるものは小型の白い花を多数着ける。
ハンショウヅルは釣り鐘型の花を少数着ける。
これらではなく、カザグルマのように大柄の上向きに平らに開いた花をつけるものが鑑賞用に喜ばれ、人工交配品による種も作られている。
交配は原種をもとに何世紀にもわたって続けられ、現在では2,000種を超える交配品種が生み出されている。
一重咲き、八重咲き、万重咲き、チューリップ咲き、釣鐘型と多くのバリエーションがみられる。
d. 同定、他
<種>
近縁種の数は多く
有毒の植物属なので心得よ
センニンソウ属は世界中に300種、日本には20種以上がある。
花の美しいカザグルマや、それに類似の花の美しい外国種が栽培され、クレマチスと呼ばれている。
日本産のもので、蔓になって小型の花を多数つけるものはセンニンソウまたはボタンヅルの名で呼ばれる。
本州での普通種としては本種と花がよく似た種にボタンヅル(Clematis apiifolia)がある。
本種センニンソウ(仙人草、学名 Clematis terniflora)は羽状複葉で卵形の葉であるのに対し、
ボタンヅルは三出複葉でボタンに似た鋸歯の多い葉をつけるので見分けがつく。
<主なセンニンソウ属の植物>
a) ミヤマハンショウヅル Clematis alpina ssp. ochotensis
b) ボタンヅル Clematis apiifolia
c) テッセン Clematis florida
d) カザグルマ Clematis patens
e) センニンソウ Clematis terniflora
f) サキシマボタンヅル(先島牡丹蔓) Clematis chinensis
a)
ミヤマハンショウヅル(深山半鐘蔓、学名:Clematis alpina ssp. ochotensis)
キンポウゲ科の落葉蔓性植物。
北海道~関東・中部地方の亜高山帯~高山帯に生える高山植物。蔓の長さは30-100cm。花期は6-8月。
枝先に3cmほどの鐘形で紅紫色の花を咲かせる。萼片は4枚で内側に白い花弁がある。
和名は、深山に生え、花の形が火事の時に鳴らす半鐘に似ていることから。
b)
ボタンヅル(牡丹蔓、学名:Clematis apiifolia )
キンポウゲ科センニンソウ属の落葉つる性半低木。
有毒植物。
つるの長さは、2-4mになり、茎の基部が木質化する。
葉は1回3出複葉で、長い葉柄をもち茎に対生し、
小葉は長さ3-6cmの卵形で先端はとがり、縁は不ぞろいな鋸歯状になる。
花期は8-9月で、茎の先端や葉腋から3出集散状の花序を出し、径1.5-2.0cmの白色の花を多数つける。
十字型になる4枚の花弁に見えるのは萼片で、花弁はない。
萼片は長楕円形で外側に短毛が生える。
雄蕊、雌蕊は多数ある。果実は卵形の痩果で、花後、花柱が羽毛状に長く伸びる。
和名は、葉の様子がボタン(牡丹)に似、つる性であることからついた。
下位分類/
コボタンヅル
Clematis apiifolia DC. var. biternata Makino 葉が2回3出複葉で、本州の関東地方、中部地方に分布する。
c)
テッセン (鉄線、学名: Clematis florida)
中国原産。
キンポウゲ科センニンソウ属のつる性植物。鉄線葛、鉄線蓮とも呼ばれる。
ともにクレマチスの園芸品種の交雑に使われる。
また、クレマチスを指して「テッセン」と呼ぶこともある。
花は白色で、4cmほどのがく片が6つある。越冬させることができる多年草である。
普通花びらは6枚。
白花の品種がシロバナカザグルマ
(白花風車、学名:Clematis patens C.Morren et Decne. f. leucantha Okuyama)
と呼ばれることがある。
d)
カザグルマ (風車、学名:Clematis patens C.Morren et Decne.)
キンポウゲ科センニンソウ属の落葉性つる性多年草。
本州、四国、九州北部、東アジアに分布し、おもに林縁に生える。鑑賞用にも植えられている。
茎は褐色で木質化する。
葉は長さ3-10cmの小葉3-5枚からなる羽状複葉、5-6月に短い若枝の先に白色または淡紫色の花を単生する。
花びらのように見える萼は普通8枚で長さは7-8cmだが、種類により変異が大きい。
痩果は広卵形で、黄褐色の羽毛状となる。
日本では環境省によりレッドリストの準絶滅危惧(NT)の指定を受けている。
奈良県宇陀郡大宇陀町で町の花の指定を受けていた。
奈良県宇陀市の「カザグルマ自生地」が、1948年(昭和23年)1月14日に国の天然記念物の指定を受けた。
船橋市で市の花の指定を受けている。
e)
センニンソウ(仙人草、学名 Clematis terniflora)
キンポウゲ科センニンソウ属の多年草。
有毒植物。
日本各地に分布し、日当りの良い山野に多く見られる。
つる植物であり、長く茎を伸ばし、節ごとに葉を対生する。
葉は五枚の小葉を持つ羽状複葉になるのが普通。小葉は卵状楕円形で草質、なめらかだがつやはない。
葉の表面に白い模様を出すことがある。
葉柄が他の植物の枝や葉に絡み付き、それによって植物体を固定する。
花は8~9月に咲く。
茎の先端付近の葉腋から三出状の散房花序を出し、多数の白い花をつける。
4枚の花弁に見えるのは萼片で、本当の花弁はない。果実には白い毛があり、これを仙人のヒゲに見立てたことからこの名が付いた。
有毒なので、注意を要する。
他にセンニンソウと呼ばれるものがあり、代表的なものに以下のような種がある/
キイセンニンソウ C. terniflora DC
センニンソウに似るが、葉が厚くてつやがあり、小葉の基部に関節がある。紀伊半島と九州(熊本県)の固有種。
ヤンバルセンニンソウ C. meyeniana Walp.
屋久島から琉球列島、葉は三出複葉だが関節はない。
f)
サキシマボタンヅル(先島牡丹蔓)
Clematis chinensis
科名・属名/ キンポウゲ科 センニンソウ属
基原種
特徴/
つる性で半常緑の藤本。
茎は長く伸び、先で分枝する。
葉は対生し、3~5出、小葉は卵形~卵状披針形で、長さ2~6cm。
質は膜質または洋紙質、先は鋭頭で、基部は円形または心形、縁は全縁。葉は乾けば黒変する。
花は3出の散房花序となり、花は白色で径2~2.5cm。萼片は4~5個。
果実(そう果)は卵形で、長さ約3mm。
分布・生育地/ 沖縄 林縁
花期/ 6~8月
他、参考之記/
真夏の宮古島、センニンソウを見つけた。
林縁で葉が円くて全縁なのでリュウキュウボタンヅルではない。
帰って調べると本種で、その後石垣島や沖縄本島でも花を見かけた。
沖縄にはこの仲間が多くどの種もよく似ているが、乾くと葉が黒くなるのが特徴らしい。
f)
他/
シナセンニンソウ(一名サキシマボタンヅル)C.chinensis Osbeck
from: クレマチス - Wikipedia, etc
センニンソウ
2015-0528
3.
センニンソウ
キンポウゲ科センニンソウ属:つる性多年草:草丈 ~ センチ:花期 ~10月
a.
分布生育場所/
科名:キンポウゲ科/属名:センニンソウ属
和名:仙人草/別名:ウシノハコボレ/学名:Clematis terniflora
日本全土の山地、土手、道端に自生、センニンソウの果実
キンポウゲ科センニンソウ属ボタンヅル(牡丹蔓)
キンポウゲ科センニンソウ属クサボタン(草牡丹)
キンポウゲ科センニンソウ属トリガタハンショウヅル(鳥形半鐘蔓)
キンポウゲ科センニンソウ属カザグルマ(風車)
b.
見分け方・特徴/
原野などで普通に自生する落葉性のつる草、茎は円柱状で肋(ろく)があり長く伸びて枝分かれします。
葉は長柄があり、奇数羽状複葉(うじょうふくよう)で小葉は3~7枚あり、他の物に小葉柄(ようへい)と葉柄で巻きついて生長します。
花は、8~9月ころ葉脈(ようみゃく)から円柱花序(えんちゅうかじょ)を出して、白色花を多数つけます。
白色の花弁(かべん)に似た、がく片は4枚、花弁は無く、雄しべと子房(しぼう)は多くあります。
果実は種子状で平たく倒卵形でミカン色で、花の後の雌しべの花柱(かちゅう)が伸びて果実に残り、長さ3センチくらいになって羽毛状になり、風で飛散して繁殖します。
よく似た生態にボタンヅルがある
c.
採集と調整/
葉を夏から秋にかけて採取して、生(なま)のままで用います。
根を乾燥したものを、生薬(しようやく)で和威霊仙(わいれいせん)といいます。
有毒部分:葉、茎
有毒成分:ポロトアネモニン(汁液が皮膚に触れると引赤、発疱(はっぽう)して水腫(すいしゅ)が生ずる。
中毒症状:胃腸炎症
毒性が強く、民間では絶対に飲用してはいけません。
d.
薬効・用い方
センニンソウの葉を用いて、扁桃炎(扁桃腺炎)の治療を行う民間療法がある。
民間では、へんとう炎に生(なま)の葉1~2枚をよくもんで、手首の内側に軽く貼り付け、一昼夜くらいそのままにします。すると、手首の内側に軽い痛みを感じるようになり、やがて、へんとう炎の痛みもとれてきます。
生(なま)のセンニンソウを取り除くと、その部分が発疱(はっぽう)して赤くなりますので、温水でかるく洗います。また、皮膚の弱い人の場合には、ガーゼに包んで塗布します。
神経痛、リューマチ、にも痛みのある患部に生の葉を塗布すると、やがて、発疱(はっぽう)して、水疱(すいほう)が出来るので、その水を抜き、患部を包帯で保護するという民間療法がありまが、真意については解明されていないようです。
同様の民間療法は、キツネノボタンにもある
また、民間では茎葉をつぶして軟膏に配して、のう水を破るために用いられていたこともあります。
生薬(しょうやく)で、中国産の威霊仙(いれいせん)とは、センニンソウと同属のシナボタンヅルやイトボタンヅルの根を乾燥したものです。これは、煎じて神経痛、リューマチなどの痛み止めに用いますが、日本のセンニンソウは民間療法だけで、外用だけの応用になっています。
この用法は、飯沼慾齋(いいぬまよくさい)も表しているように、昔からセンニンソウの発泡成分プロトアネモンを応用する一種の刺激療法の部類になります。これを服用することは粘膜などに発赤発疱(はっせきはっぽう)の副作用が表れるので用いる場合には十分な注意が必要です。
e.
その他/
幕末に飯沼慾齋(いいぬまよくさい)は50歳になると医者であった家業をゆずり、自らは大垣西方の長松に平林荘を建てて、植物学の研究を進めて、本草図より植物図を書き近代植物学として草木図説(そうもくずせつ)草部20巻を表しました。
そのうちの木部10巻は未刊のままとなっていましたが生誕200年近くになって刊行されました。
今でもなお植物図と解説が植物学に寄与していることからも、飯沼慾齋(いいぬまよくさい)のすぐれた業績をうかがうことができます。
その中で、センニンソウの記述は草木図説・木部の巻6に収載されていて、フツクサ、大蓼(たいりょう)の名前があり「原野ニ多キ蔓草ニシテ、衆ヨク通知シ、往々以テ外伝シ泡ヲ発シテ諸患ヲ治スコトアルモノナリ・・・・・」という記述があり、薬効についての説明があります。
センニンソウの別名には、ウシノハコボレがありますが、これは牛が牧草といっしょに食べてしまうと歯が抜けてしまうことからつけられたもので、有毒植物のひとつということです。
名の由来は、花が終わると枯れて仙人を連想するからという
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2015-0528
4.
カザグルマ
キンポウゲ科センニンソウ属:落葉つる性:樹高 ~ メートル:花期 ~6月
a.
分布生育場所/
科名:キンポウゲ科/属名:センニンソウ属
和名:風車/学名:Clematis patens
本州、四国、九州の山地
朝鮮、中国に分布する
キンポウゲ科センニンソウ属センニンソウ(仙人草)
キンポウゲ科センニンソウ属ボタンヅル(牡丹蔓)
キンポウゲ科センニンソウ属クサボタン(草牡丹)
キンポウゲ科センニンソウ属トリガタハンショウヅル(鳥形半鐘蔓)
b.
見分け方・特徴/
つる性落葉の木本、つるは高さ2~5メートル伸び、茎は褐色
葉は、互生、3出複葉~2回3出複葉、小葉は卵形、長さ2~6センチ、洋紙質で先は尖る
花は、5~6月頃、新枝の先端に直径10~15センチの白色~薄紫色の美しい花をつける
花には花弁が無く、花弁状に見えるのは、がく片で8枚、雄しべ雌しべ多数、葯は紫色
c.
採集と調整/
秋の落葉する頃に根をほりあげ、水洗いして日干しにして乾燥させる
乾燥したものは、生薬名威霊仙(いれいせん)の代用として用いる
d.
薬効・用い方/
根には、トリテルペン、オレアノール酸を含む
通風には、威霊仙(いれいせん)の代用として、1日量5~8グラム、水0.4リットル、約半量まで煎じて1日3回食後30分に服用する
2~3週間服用して、2~3週間休止して、再度2~3週間続けて連用はしないこと
e.
その他/
名の由来は、8枚の花の形から、風車(カザグルマ)に見立てて、カザグルマの名になった
テッセン(鉄銭)は、中国から、寛文年間(1661-1673)に日本に渡来した園芸品種
クレマチスは、日本原産のカザグルマ、中国原産のテッセン、ヨーロッパ原産のピチセラやインテグリフォリアなどを交配したもので、観賞価値の高い園芸品種
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2015-0528
5.
ボタンヅル
キンポウゲ科センニンソウ属:つる性多年草:草丈 ~ センチ:花期 ~10月
a.
科名:キンポウゲ科/属名:センニンソウ属
和名:牡丹蔓/学名:Clematis apiifolia
本州、四国、九州の日当たりの良い山地に自生
花や生態はセンニンソウに似る、違いは葉がボタンの葉に似て切れ込みがある
名の由来は、葉がボタンに似て、蔓(つる)が伸びて花を多数付けるからついた
6.
トリガタハンショウヅル
キンポウゲ科センニンソウ属:多年草:草丈 ~センチ:花期 ~月
a.
科名:キンポウゲ科/属名:センニンソウ属
和名:鳥形半鐘蔓/学名:Clematis tosaensis Makino
本州、四国の山地に自生
落葉性の木質つる性植物、古い茎は木質化して低木の上を這う
葉は3出複葉、小葉は楕円形、長さ4~9センチ、幅3~5センチ、葉縁には不規則な鋸歯がある
花は、5~6月頃に長い花柄を伸ばして先端に長さ2~3センチの鐘形で淡黄白色の花を1個垂れ下げる
花は花弁は無く、花弁状のがく片4枚、雄しべ、雌しべ多数
果実はそう果、狭卵形、羽毛状の花柱が尾状につく
ハンショウヅルは、本州、九州の山地に自生し半鐘形の花の先端が紅紫色を帯びる
シロバナハンショウヅルは、関東地方以西の山地に自生し広い半鐘形で黄白色の花
ミヤマハンショウヅルは、北海道、本州中部以北の深山~高山のハイマツ内などに自生し暗紫色の花をつける
名の由来は、花の形を古い時代の火事を知らせる、火の見櫓(やぐら)につく半鐘(はんしょう)に見立てた
鳥形は、四国土佐の鳥形山から名をとったという
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7.
威霊仙(いれいせん)
分類/ 袪風湿薬
出典/ 新修本草
処方用名/ 威霊仙、鉄霊仙、イレイセン
基原/
キンポウゲ科 Ranunculaceae ノシナボタンヅル Clematis chinensis OSBECK、その他同属植物の地下部。
古来の正品はカザグルマ C. patens MORR. et DECNE. またはテッセン C.florida THUNB. である。
異物同名品にユリ科のサルトリイバラ属植物 Smilax spp. の地下部に由来するものなどがあるが、使用すべきでない。
性味/ 辛、鹹/温
帰経/ 膀胱
効能/ 袪風除湿、通絡止痛、消痰逐飲
1.風湿による痺痛に用いる。
威霊仙は、経絡を通じ、風湿を除去する効果も良いし、疼痛を止める作用も強い。
四肢の関節痛、関節の運動障害、手足の痺れなどの症状を伴う痺痛に適用している。
古法には単味で丸散剤とするものがある。
煎剤は、症状によって他の薬物を配合することができる。
たとえば風湿腰痛を治療する神応丸は、桂心と当帰を配合する。
2.魚などの骨が咽喉部や食道上部に刺さったときに用いる。
一般に単味で煎剤して、ゆっくり飲み下す。
また酢と砂糖で水煎して、服用することもできる。
このほか、痰水を除去する作用があるので、噎隔、痞咳にも用いられる。
注意/
作用が強いので、長期間服用すると正気を損傷しやすい。
虚弱体質には慎重に用いる。
from: 薬膳情報.net-中薬(威霊仙)
http://www.yakuzenjoho.net/chuyaku/ireisen.html
2015-0528
参考にした文献、サイト等
伝統医薬データベース 富山大学和漢医薬学総合研究所
Wikipedia
薬膳情報.net
薬草,イー薬草・ドット・コム
他