白頭翁 2015-0528
テーマ:生薬之
1.
白頭翁 はくとうおう
a. 生薬
別名/
ラテン名/ Pulsatillae Radix
英名/ Chinese Pulsatilla Root
科名/ キンポウゲ科 Ranunculaceae
基原/ ヒロハオキナグサ Pulsatilla chinensis (Bunge) Regel
b. 薬用部位
根
c. 含有方剤
白頭翁湯 白頭翁加甘草阿膠湯
d. 薬理作用
Protoanemonin, Anemonin
強力な心臓毒で, 少量では心臓の搏動の振幅を縮少し, 大量で心臓を停止させる. 全草中の未知物質は蛙の摘出心臓を用いた実験において明らかに強心作用があり, また, 末梢血管拡張, 内臓神経支配の血管収縮が認められた.
白頭翁の水エキスは抗アミーバ原虫作用がある.
それゆえアミーバ赤痢に有効であったという報告がある.
e.
帰経 胃・大腸
性 寒
味 苦
神農本草経 下品
中医分類 清熱薬
f.
参考文献 NI: 一色直太郎, 『和漢薬の良否鑑別法及調製法』, 吐鳳堂書店, 東京, 1987.
from: 伝統医薬データベース 富山大学和漢医薬学総合研究所
2015-0528
2.
a. 分類
界/ 植物界 Plantae
門/ 被子植物門 Magnoliophyta
綱/ 双子葉植物綱 Magnoliopsida
目/ キンポウゲ目 Ranunculales
科/ キンポウゲ科 Ranunculaceae
属/ オキナグサ属 Pulsatilla
種/ オキナグサ P. cernua
学名/ Pulsatilla cernua (Thunb.) Bercht. et C.Presl
シノニム/ Anemone cernua Thunb.
和名/ オキナグサ(翁草)
b. 名称・類縁
オキナグサ Pulsatilla cernua
学名/ Pulsatilla cernua (Thunb.) Bercht. et C.Presl
和名/ オキナグサ(翁草)、ヒロハオキナグサ
英名/
別名/ おきなぐさ、ネコグサ
c. 要旨
キンポウゲ科オキナグサ属の多年草。
根出葉は2回羽状複葉で、長い柄をもち束生する。
小葉はさらに深裂する。茎につく葉は3枚が輪生し、無柄で基部が合着し、線状の裂片に分裂する。
葉や花茎など全体的に白い長い毛におおわれる。
花茎の高さは、花期の頃10cmくらい、花後の種子が付いた白い綿毛がつく頃は30-40cmになる。
花期は4-5月で、暗赤紫色の花を花茎の先端に1個つける。
開花の頃はうつむいて咲くが、後に上向きに変化する。
花弁にみえるのは萼片で6枚あり、長さ2-2.5cmになり、外側は白い毛でおおわれる。
白く長い綿毛がある果実の集まった姿を老人の頭にたとえ、翁草(オキナグサ)という。
ネコグサという異称もある。
分布と生育環境/
日本では、本州、四国、九州に分布し、山地の日当たりのよい草原や河川の堤防などに生育する。
アジアでは、朝鮮、中国の暖帯から温帯に分布する。
かつて多く自生していた草地は、農業に関わる手入れにより維持されていた面があり、草刈などの維持管理がなされくなり荒廃したこと、開発が進んだこと、それに山野草としての栽培を目的とした採取により、各地で激減している。
薬効と毒性/
全草にプロトアネモニン・ラナンクリンなどを含む有毒植物。 (Protoanemonin, Anemonin)
植物体から分泌される汁液に触れれば皮膚炎を引き起こすこともあり、誤食して中毒すれば腹痛・嘔吐・血便のほか痙攣・心停止(プロトアネモニンは心臓毒)に至る可能性もある。
漢方においては根を乾燥させたものが白頭翁と呼ばれ、下痢・閉経などに用いられる。
d. 同定、他
近縁種/
ツクモグサ (九十九草、学名: Pulsatilla nipponica )
方言/
オバシラガ、ウバシラガ、ババノシラガ、カワラノオバサン、カワラチゴ、フデクサ
他/
ヒロハオキナグサ 中国原産種の名称
from: オキナグサ - Wikipedia,etc
2015-0528
3.
オキナグサ
キンポウゲ科オキナグサ属:多年草:草丈 ~40センチ:花期 ~5月
a.
分布生育場所/
科名:キンポウゲ科/属名オキナグサ属
和名:翁草/別名:ネッコグサ、猫草/学名Pulsatilla cernua
本州、四国、九州の日当たりの良い草地に自生。 家庭庭園に観賞用としても植えられています。
b.
見分け方・特徴/
日当たりのよい草地に生える多年草草本で、根は太く地上部には根頭部より直接数枚の根出葉があります。
葉は長い柄があって2回羽状に分裂して、さらに小葉が深裂するので線形になっています。
花は葉間より約10センチの花系を出し、その先に暗赤色の1花が垂れ下がり、下向きに開花します。
花茎の中ほどには3~4片の包葉があり、それぞれ無柄で掌状に深裂しています。葉茎ともに全体に毛が密生しています。
果実は長卵形の痩果で羽毛状の花柱をつけます。
c.
採集と調整/
白頭翁(はくとうおう)は中国産のヒロハオキナグサの根より調製されるもので、
オキナグサは白頭翁(はくとうおう)の代用として用います。
夏に根を採取して、水洗いして太い根の場合は縦割りにして日光に当てて十分に乾燥させます。
d.
薬効・用い方/
煎剤として熱性の下痢、閉経、疝気、冷腹などに用いられていますが、主に漢方処方及び他の生薬に配合して用いられていて、単味では効果がありません。
また、民間の利用は外用だけに留める注意が必要です。
(毒成分はヘデラゲニンほか。中毒症状は嘔吐、下痢、血便、痙攣(けいれん)などがありますので注意が必要です。)
外用としては、民間で根をすりおろして、その汁液を痔の痛むときに塗ります。
また、小児のしらくもにも塗って効き目があるとされています。
葉のしぼり汁は、たむしに付けると効き目があるとされます。
白頭翁湯(はくとうおうとう)/
白頭翁(はくとうおう)2グラム、黄連(おうれん)、黄柏(おうはく)、秦皮(しんぴ)各3グラムを混ぜて水0.5リットルを加えて煎じ約半量まで煮詰めてから布でこして2回に分けて食間か食前に服用します。
白頭翁湯(はくとうおうとう)に甘草(かんぞう)、阿膠(あきよう)を加えた「白頭翁加甘草阿膠湯(はくとうおうかかんぞうあきょうとう)は、産後下痢の激しい場合に用います。
e.
その他/
オキナグサ、白頭翁(はくとうおう)ともに花のあとにできる痩果(そうか・果実)からくる呼び名です。
方言も多くオバシラガ、ウバシラガ、ババノシラガ、カワラノオバサン、カワラチゴ、フデクサなどがあります。
薬用植物としてはもちろんですが、花がアネモネに似て観賞価値が高く江戸時代には多くの品種が育成されました。
江戸時代の学者の不老斎(ふろうさい)は当時のオキナグサの栽培品種を集めて図説して「八翁草(はちおうそう)(1849)」一冊を編集しています。
また、「草木図説(そうもくずせつ)」の筆者の飯沼慾斎(いいぬまよくさい)の写生図の中にも数多くの品種が鮮やかに描かれています。
from: 薬草,イー薬草・ドット・コム
http://www.e-yakusou.com/sou/sou158.htm
2015-0528
4.
白頭翁(はくとうおう)
分類/ 清熱凉血薬
出典/ 神農本草経
処方用名/ 白頭翁
基原/
キンポウゲ科 Ranunculaceae のヒロハオキナグサ Pulsatilla chinensis REGEL の根。
異物同名品が多い生薬で、キンポウゲ科以外にもキク科やバラ科植物に由来するものがあり、使用には注意が必要。
性味/ 苦/寒
帰経/ 大腸
効能/
清熱、解毒、涼血
湿熱瀉痢、熱毒瀉痢による発熱、腹痛、膿血便、裏急後重などの証に用いる。
本品は治痢要薬である。 方剤のための要薬となるということ。
黄連、黄柏、秦皮などを配伍すると、凉血解毒治痢の効能がもっとも顕著である。例:白頭翁湯。
このほか、柴胡、黄芩、檳榔を配伍し、温瘧の証に用いる。
from: 薬膳情報.net-中薬(白頭翁)
http://www.yakuzenjoho.net/chuyaku/hakutouou.html
2015-0528
5.
その他の記述から/
a.
キンポウゲ科のヒロハオキナグサの根である。
そのほか興安白頭翁、朝鮮白頭翁、細葉白頭翁、蒙古白頭翁などの
根を乾燥したもの。
「産地」
ヒロハオキナグサ:中国(河北、遼寧、河南、江蘇、内蒙古など)
参考にした文献、サイト等
伝統医薬データベース 富山大学和漢医薬学総合研究所
Wikipedia
薬膳情報.net
薬草,イー薬草・ドット・コム
他
テーマ:生薬之
1.
白頭翁 はくとうおう
a. 生薬
別名/
ラテン名/ Pulsatillae Radix
英名/ Chinese Pulsatilla Root
科名/ キンポウゲ科 Ranunculaceae
基原/ ヒロハオキナグサ Pulsatilla chinensis (Bunge) Regel
b. 薬用部位
根
c. 含有方剤
白頭翁湯 白頭翁加甘草阿膠湯
d. 薬理作用
Protoanemonin, Anemonin
強力な心臓毒で, 少量では心臓の搏動の振幅を縮少し, 大量で心臓を停止させる. 全草中の未知物質は蛙の摘出心臓を用いた実験において明らかに強心作用があり, また, 末梢血管拡張, 内臓神経支配の血管収縮が認められた.
白頭翁の水エキスは抗アミーバ原虫作用がある.
それゆえアミーバ赤痢に有効であったという報告がある.
e.
帰経 胃・大腸
性 寒
味 苦
神農本草経 下品
中医分類 清熱薬
f.
参考文献 NI: 一色直太郎, 『和漢薬の良否鑑別法及調製法』, 吐鳳堂書店, 東京, 1987.
from: 伝統医薬データベース 富山大学和漢医薬学総合研究所
2015-0528
2.
a. 分類
界/ 植物界 Plantae
門/ 被子植物門 Magnoliophyta
綱/ 双子葉植物綱 Magnoliopsida
目/ キンポウゲ目 Ranunculales
科/ キンポウゲ科 Ranunculaceae
属/ オキナグサ属 Pulsatilla
種/ オキナグサ P. cernua
学名/ Pulsatilla cernua (Thunb.) Bercht. et C.Presl
シノニム/ Anemone cernua Thunb.
和名/ オキナグサ(翁草)
b. 名称・類縁
オキナグサ Pulsatilla cernua
学名/ Pulsatilla cernua (Thunb.) Bercht. et C.Presl
和名/ オキナグサ(翁草)、ヒロハオキナグサ
英名/
別名/ おきなぐさ、ネコグサ
c. 要旨
キンポウゲ科オキナグサ属の多年草。
根出葉は2回羽状複葉で、長い柄をもち束生する。
小葉はさらに深裂する。茎につく葉は3枚が輪生し、無柄で基部が合着し、線状の裂片に分裂する。
葉や花茎など全体的に白い長い毛におおわれる。
花茎の高さは、花期の頃10cmくらい、花後の種子が付いた白い綿毛がつく頃は30-40cmになる。
花期は4-5月で、暗赤紫色の花を花茎の先端に1個つける。
開花の頃はうつむいて咲くが、後に上向きに変化する。
花弁にみえるのは萼片で6枚あり、長さ2-2.5cmになり、外側は白い毛でおおわれる。
白く長い綿毛がある果実の集まった姿を老人の頭にたとえ、翁草(オキナグサ)という。
ネコグサという異称もある。
分布と生育環境/
日本では、本州、四国、九州に分布し、山地の日当たりのよい草原や河川の堤防などに生育する。
アジアでは、朝鮮、中国の暖帯から温帯に分布する。
かつて多く自生していた草地は、農業に関わる手入れにより維持されていた面があり、草刈などの維持管理がなされくなり荒廃したこと、開発が進んだこと、それに山野草としての栽培を目的とした採取により、各地で激減している。
薬効と毒性/
全草にプロトアネモニン・ラナンクリンなどを含む有毒植物。 (Protoanemonin, Anemonin)
植物体から分泌される汁液に触れれば皮膚炎を引き起こすこともあり、誤食して中毒すれば腹痛・嘔吐・血便のほか痙攣・心停止(プロトアネモニンは心臓毒)に至る可能性もある。
漢方においては根を乾燥させたものが白頭翁と呼ばれ、下痢・閉経などに用いられる。
d. 同定、他
近縁種/
ツクモグサ (九十九草、学名: Pulsatilla nipponica )
方言/
オバシラガ、ウバシラガ、ババノシラガ、カワラノオバサン、カワラチゴ、フデクサ
他/
ヒロハオキナグサ 中国原産種の名称
from: オキナグサ - Wikipedia,etc
2015-0528
3.
オキナグサ
キンポウゲ科オキナグサ属:多年草:草丈 ~40センチ:花期 ~5月
a.
分布生育場所/
科名:キンポウゲ科/属名オキナグサ属
和名:翁草/別名:ネッコグサ、猫草/学名Pulsatilla cernua
本州、四国、九州の日当たりの良い草地に自生。 家庭庭園に観賞用としても植えられています。
b.
見分け方・特徴/
日当たりのよい草地に生える多年草草本で、根は太く地上部には根頭部より直接数枚の根出葉があります。
葉は長い柄があって2回羽状に分裂して、さらに小葉が深裂するので線形になっています。
花は葉間より約10センチの花系を出し、その先に暗赤色の1花が垂れ下がり、下向きに開花します。
花茎の中ほどには3~4片の包葉があり、それぞれ無柄で掌状に深裂しています。葉茎ともに全体に毛が密生しています。
果実は長卵形の痩果で羽毛状の花柱をつけます。
c.
採集と調整/
白頭翁(はくとうおう)は中国産のヒロハオキナグサの根より調製されるもので、
オキナグサは白頭翁(はくとうおう)の代用として用います。
夏に根を採取して、水洗いして太い根の場合は縦割りにして日光に当てて十分に乾燥させます。
d.
薬効・用い方/
煎剤として熱性の下痢、閉経、疝気、冷腹などに用いられていますが、主に漢方処方及び他の生薬に配合して用いられていて、単味では効果がありません。
また、民間の利用は外用だけに留める注意が必要です。
(毒成分はヘデラゲニンほか。中毒症状は嘔吐、下痢、血便、痙攣(けいれん)などがありますので注意が必要です。)
外用としては、民間で根をすりおろして、その汁液を痔の痛むときに塗ります。
また、小児のしらくもにも塗って効き目があるとされています。
葉のしぼり汁は、たむしに付けると効き目があるとされます。
白頭翁湯(はくとうおうとう)/
白頭翁(はくとうおう)2グラム、黄連(おうれん)、黄柏(おうはく)、秦皮(しんぴ)各3グラムを混ぜて水0.5リットルを加えて煎じ約半量まで煮詰めてから布でこして2回に分けて食間か食前に服用します。
白頭翁湯(はくとうおうとう)に甘草(かんぞう)、阿膠(あきよう)を加えた「白頭翁加甘草阿膠湯(はくとうおうかかんぞうあきょうとう)は、産後下痢の激しい場合に用います。
e.
その他/
オキナグサ、白頭翁(はくとうおう)ともに花のあとにできる痩果(そうか・果実)からくる呼び名です。
方言も多くオバシラガ、ウバシラガ、ババノシラガ、カワラノオバサン、カワラチゴ、フデクサなどがあります。
薬用植物としてはもちろんですが、花がアネモネに似て観賞価値が高く江戸時代には多くの品種が育成されました。
江戸時代の学者の不老斎(ふろうさい)は当時のオキナグサの栽培品種を集めて図説して「八翁草(はちおうそう)(1849)」一冊を編集しています。
また、「草木図説(そうもくずせつ)」の筆者の飯沼慾斎(いいぬまよくさい)の写生図の中にも数多くの品種が鮮やかに描かれています。
from: 薬草,イー薬草・ドット・コム
http://www.e-yakusou.com/sou/sou158.htm
2015-0528
4.
白頭翁(はくとうおう)
分類/ 清熱凉血薬
出典/ 神農本草経
処方用名/ 白頭翁
基原/
キンポウゲ科 Ranunculaceae のヒロハオキナグサ Pulsatilla chinensis REGEL の根。
異物同名品が多い生薬で、キンポウゲ科以外にもキク科やバラ科植物に由来するものがあり、使用には注意が必要。
性味/ 苦/寒
帰経/ 大腸
効能/
清熱、解毒、涼血
湿熱瀉痢、熱毒瀉痢による発熱、腹痛、膿血便、裏急後重などの証に用いる。
本品は治痢要薬である。 方剤のための要薬となるということ。
黄連、黄柏、秦皮などを配伍すると、凉血解毒治痢の効能がもっとも顕著である。例:白頭翁湯。
このほか、柴胡、黄芩、檳榔を配伍し、温瘧の証に用いる。
from: 薬膳情報.net-中薬(白頭翁)
http://www.yakuzenjoho.net/chuyaku/hakutouou.html
2015-0528
5.
その他の記述から/
a.
キンポウゲ科のヒロハオキナグサの根である。
そのほか興安白頭翁、朝鮮白頭翁、細葉白頭翁、蒙古白頭翁などの
根を乾燥したもの。
「産地」
ヒロハオキナグサ:中国(河北、遼寧、河南、江蘇、内蒙古など)
参考にした文献、サイト等
伝統医薬データベース 富山大学和漢医薬学総合研究所
Wikipedia
薬膳情報.net
薬草,イー薬草・ドット・コム
他