エリザベス女王の思い出 | いつかどこかで

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いつかの私へ。いつかのあなたへ。

雫のきままなひとりごとです。

英女王エリザベス2世が、2022年9月8日夕(現地時間)に96歳でお亡くなりになられました。

1975年5月、初めてフィリップ殿下とエリザベス女王が来日された時、私は小学生でした。

当時、その時のことを書いた私の作文が朝日小学生新聞に掲載されました。

新聞の切り抜きを貼って保存していたので読みにくくなっているので、ブログに残すことにしました。





「エリザベス女王来日」

 

 五月七日の日に、エリザベス女王が日本にやってきました。

 テレビではじめて見たとき、むらさき色のぼうしをかぶって、ひこうきからおりてきました。

 わたしは(きれいだなあ)と思って、じっとテレビを見ていました。

 コマーシャルになると、早くおわんないかなあ。早くおわれ……なんて、じれったくなっちゃいます。

 ばんごはんを食べて、おふろにいそいではいったら、こんどは、こうきょで、ばんさん会をやっていました。その時は、目がおかしくなるほど、ピカピカキラキラかがやく目のくらむようなとてもすてきな、ドレスをきていました。

 おおかんは、ダイヤモンド二千七百八十三こ、パール二百七十七こ、サファイア十八こと、十一このエメラルドからなっているそうです。

 わたしは、(一回でもいいからそのおおかんをあたまの上にのせて歩いてみたいな)と、自分がエリザベス女王になったことを、そうぞうして見ました。

 すてきなドレスをきて、かかとの高いハイヒールをはいているエリザベス女王が、うらやましくてなりません。

 きょう、学校の先生が、だい二けいひん国道を、エリザベス女王がキャノン・カメラ工場へ行った帰りに通るから、そうじをやらないで見てきてもいい、といったので、おひるごはんもたべないて、国道に行きました。

 十一時四十分に家を出たのに、エリザベス女王が車で通ったのは、十二時四十分でした。

その時は、わたしのおなかが、グググーとなりはじめていました。

 そばやのおじさんなんか、いすにのっかって、そうがんきょうでエリザベス女王を見ていました。

 ラーメンやのおばさんは、おみせをしめて見に行くから、いい場所をとっておいて、といっていました。

 国道のはじっこは、もう人でいっぱいでした。わたしはせがひくいので、ぎゅうぎゅうおされて、いまにもペチャンコになりそうでした。

 エリザベス女王は、黒いピカピカの車に乗っていました。竹色の地に白い水玉もようのようふくを着ていました。

 エリザベス女王はテレビでみた時より、すこしだけほんもののほうがきれいでした。

 エリザベス女王には、日本のいい所を、たくさん見ていってもらいたいと思います。




批評
 エリザベス女王の来日を新聞や雑誌はよく書き、テレビでもよく報道をしましたが、この文は、こどもの目でとらえた報道で、おもしろいと思います。ここには町のなかのかざらない心があります。




今、私の記憶の中には、淡いモスグリーンの服をお召しになった女王の姿が、うっすら瞼の奥に残っているだけです。


ほんの一瞬でしたが、エリザベス女王をこの目で拝見できた事は、とても幸せな思い出です。



ANNニュースより

ANNニュースより



NHKのサイトより

この衣装が私の見た衣装かな?と思います。