熊さん

には出会いませんでしたが、森林浴散歩



@八ヶ岳麓。
白樺があって湖もあって北欧っぽい雰囲気。
空気が澄んでると、星もたくさん見えた



森林浴もよかったけど、朝霧につつまれてはいる露天風呂が最高でした♨
せっかく静かな場所へきたので読書に耽りたく、この2冊を道連れに。
ってことで以下読書録。
- マチネの終わりに/平野 啓一郎

- ¥1,836
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「何かとくたびれる世の中で、日常を忘れ
没頭できる小説が書きたかった」
著者の平野さんの言葉です。
うん、くたびれたから日常忘れたいっ。
疲れたオバハンに潤いを~との思いで、
恋愛小説をひさしぶりに読みました。
魅かれあいながらも、なかなか会えない二人の行方に夢中になりました。
ある人の悪意で二人は引き裂かれてしまいます。
気持ちとはうらはらに
相手を想うからこそ一歩踏みとどまってしまったり、
お互いが何か確信するような、魂が呼応し合うような感覚抱いている反面、
自分の思い込みや錯覚だったのではないかと不安になったり、自嘲したり。
気持ちを確かめたくとも、ままならず…。
アクセル全開ではいけない心の揺れがせつなかった。
人物設定やワールドワイドな展開が日常とはかけ離れているので、最初は入り込めるかな?と思ったけど、いつのまにやら 物語の中へ引き込まれてました。
社会的出来事もからめつつ、読み応えがありました。
マチネの終わりに。
最後は読者にゆだねる終わり方のようにも思いました。
ラストにふたりが一緒になれるかどうかは、もはや重要ではないのかも。
かつても今も、
お互いにとってかけがえのない存在だったと知ることさえできたのなら。
少しでも時間を共有することができたのなら。
もぅ、それだけでいいなって
読者のわたしは思う。
もう一冊は、10月に世田谷美術館の志村ふくみさんの展覧会へ行った時に購入した一冊。
- 緋の舟/求龍堂

- ¥3,024
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2~3年前になるが、志村さんと若松英輔さんの対談を聞きに行った時に、
お二人の交わすお話が本当に素晴らしくて、胸が熱くなったのを覚えています。
以来、お二人の著書も何冊か夢中になって読みました。
好きな文筆家の方は何人かいるけれど、
志村さんと若松さんはそのなかでも特別な存在で。
心をズキュンと射ぬかれるような"衝撃"と、いつまでもその言葉の海にたゆたっていたいような"心酔"を同時に味わったのは、このお二方以外、他にいません。
この本は、志村さんと若松さんとの間でやりとりされた往復書簡。
10月にに美術館へ行った時に、若松さんの講演も拝聴しました。
「不自由なことのなかに大事なものがある。
相手を思う気持ちは会わない時のほうが強い。
離れている時も相手がいると強く感じる。」
という思いから、
携帯やパソコンで一瞬でつながれる現代において、あえて手紙というツールを選んで往復書簡というかたちをとられたそうです。
ゆっくり日にちをかけて頁をすすめました。
哲学的なお話も多いので、浅学なわたしには、ちと難しく感じる部分もありますが、
言葉から醸し出される密度というか、情感みたいのを、すごい感じた。
「言葉だけが言葉じゃないこと。
語り得ないものがあるということ。」
志村さんの作品を見て言葉を失い、
若松さんが語るコトバが響いた。


本の装丁も、素敵すぎるっ!
落ちついた深い青に、オレンジゴールドの文字。
帯は水の流れを思わせるような透け感ある素材で二重のつくり。
タイトルは「緋の舟」。
だけど緋色はどこにも使われていない。
でも、読めば理由がわかる。
「かつて文字を書くとは、自らの思いを世に表現する営みであるより、人目を忍んでそれを何ものかに送り届ける行為でもありました。誰にも分かってもらえないとしても天は、あるいは遠くにいるあの人は分かってくれる、そう願いながら先人たちは無数の歌を詠んできたように思われます。」「会って話したいと思う者同士が、面会も電話もしなくなれば、当然、手紙におもいを込めるようになる。そればかりか、手紙を書いていないときも相手のことを考えることが多くなる。日常ではっとするようなことがあれば、相手に伝えなくてはならない、と思う。会わないから、いのちある言葉を届けたいと願うようになる。」端正な佇まいのこの美しい本。
内側に流れる色は、紛れもなくスカーレット。
あと、たまたまだけど、
「マチネの~」と「緋の舟」2冊の中に偶然にもドイツの詩人リルケの「ドゥイノの悲歌」という詩集の話がでてきたのが気になった。
引用されてるのが重なるって、なかなかあることじゃないから、この偶然は読めって言われてる?(←誰に?)
志村さんも若松さんも
リルケにただならぬ情熱をお持ちのようだし、わたしに読めるか不安だけどいつか手にとってみようと思う

他にも
ちょっと大仰な言い方になってしまうけど、
現代社会への警告、
混沌とした時代での芸術の持つ力と癒し、存在意義みたいなメッセージ。
離れている人を想う気持ち。
この2冊に共通して込められている気がしました。