日本の伝統色の魅力は色を表す色名の多彩な表現と、それらが織りなす色の世界のイメージの豊かさと美しさだと思います。
文字に託された色名のひとつひとつに古代から、それぞれの時代に生きた人々の色にこめられた思いや、色にまつわる物語を紹介していきたいと思います。
今日は、明治末頃から大正時代にかけて流行した色。
新橋色です。
東京の新橋が由来の色名です。
文明開化が進む明治中期に科学染料が日本に輸入されました。
大正時代に、それまでなかった鮮やかな青を、先端を切って和服に取り入り愛用したのが、新橋の芸者さんだったそうです。
今の新橋の色のイメージは、サラリーマンや商業ビル、ガード下をイメージした、渋い鼠色?
それとも、活気のある飲み屋の赤提灯をイメージした、赤や橙色?
青色は本来、理性や堅実さを表す色ですが、新橋色だけは、華やかで艶っぽいイメージを表し、美人画にも使われていました。
伊東深水の「吹雪」

写真で写すと光の加減で色が多少変わると思います