はじめに。

このゲーム、文章では好意的な印象を感じるかもしれませんが、オススメしているわけではありません。おそらくメーカーも内容を承知の上で発売していると思います。PC版も発売していますがパッケージオンリーで一番売りやすそうなsteam版が無いのは辛辣なレビューが目立つリスクとバグ修正のメドを立てていないからだと思います。

 

あと文章内はネタバレありです。ネタバレに配慮するブロガーさんもこのゲームは例外的に扱っておられるのと、ネタバレ以前にストーリーと呼べるものになっているかが微妙なためです。

 

ねこの嗜好として、SF・伝奇・都市伝説などのテキストADVが大好きです。成人向け(Zではなくアダルトのほう)を除いてゲーム機で発売されればほぼプレイします。シュタインズゲートなど900時間くらい遊んでおりますし、東京サイコデミックも評価は厳しめですがセールの有無に関係なく確実に購入するでしょう。

 

さて。元々ゲーム情報へのアンテナは高くしているのでこのゲームの初報ですでに購入を決めておりました。ただ発売日が1年近く先だったので予約はしませんでした。そして1年後(たぶん)、まだ発売していませんでした。発売延期になったようでそのまま他のゲームに夢中になって忘れていたのだと思います。

 

気付いたときには低評価で通常版が千円くらいになっておりました。

 

じゃあ買いましょう!限定版を!※新品

めちゃくちゃ面白そうでしょう?イラストものすごく良いんですよ。ゲーム中のイベントスチルが各キャラ1枚ずつしかありませんが。

 

パッと見成人向けゲームの移植のように見えますが、完全オリジナルゲームです。

 

ただ、このゲームをテキストアドベンチャーとして捉えると足元をすくわれます。あくまでジャンルは横スクロールアドベンチャーです。

動かせるキャラのイラストもカッコイイですし、ちょっとヴァニラウェアっぽさも感じます。背景は3Dなのですが、建物内は比較的味が出ていて好印象です。

 

ただ、建物の外がひどいのですよ。

Unityの初期アセットで最初に練習した雰囲気の山。

技術力はともかくムービーに頼らない作りは好感が持てます。

 

内容に触れていきたいと思います。まずタイトル画面からコンフィグを確認すると音量のみ調整が可能です。

 

タイトル画面で「はじめから」をセレクトすると、

エラー落ちしました。このゲーム、色んなシーンでエラー落ちします。コツと言えるかわかりませんがアプリの再起動ではなく本体の再起動でリフレッシュすることが多い気がします。

 

担任の先生の怪異からお話はスタートします。

すごく盛り上がりそうでしょう?

 

いざゲームが始まるとどんな怪異だったのか、怪異の目的や具体的に何が起こったのか特に語られないまま次の話に進んでいきます。伏線などでもなくほとんどのお話が解決せずにふわっとしたまま終わります。

イラストが抜群にイイ。主人公かっこいい。

 

キャラも立っていますし、部分的に切り取るとむずかしい読みの固有名詞や高度な日本語が使われています。ただ、SwitchLiteだと解像度の問題かフリガナが完全に潰れて読めないのでねこはGoogleレンズで読みを確認しました。ちなみに声優さんは豪華ですがボイスの再生は一部のみ。基本は「えっと」とか「そうだな」みたいな相槌ボイスが再生されます。

 

ねこのお気に入り。座敷童子の以(かはなじめ)ちゃん。ほとんどのキャラの読みが難しく一発でgoogle変換できないのでアプリでメモを取りながら進めました。

 

ストーリー進行に合わせて学校内の特定の場所に向かいます。プレイ時間の6割が移動です。

一見ミニマップで方角がわかりそうなのですが、移動が横スクロールのみであること。そして設備同士の繋がりがわからないため慣れるまで迷いまくります。

 

厄介なのが「調査」。特定のモブ全員から話を聞くと話が先に進むのですが、移動範囲がマップの全域に及ぶうえにフラグの経過がわからないので永遠に終わらない不安がつきまといます。

キャラの消失バグまであるのですごい緊張感。

 

一応ゲーム内のスマホ機能にマップの一発ジャンプがあるのですが、頻繁にスマホロックが掛かるのと、怪異の出現中はバグでマップが確認できないのでほとんど使用できません。

バグが多すぎて演出なのかバグなのかわからない…

 

頻発するエラー落ちですが、ゲーム中は心配になるほど本体がアツアツで電池の減りが早いので、素朴なグラフィック以上にCPU使用率が高そうです。Switch Liteでのプレイはキケンな気がします。

 

ストーリーですが、怪異が多すぎて七不思議が存在しない学校の七不思議をまとめるという目的なのですが、そのほとんどが未解決のまま唐突に次の話に進みます。話がぶつ切りでプレイヤーが話の途中のつもりでも、ゲーム上は終わったことになっていて突然新しい話が始まります。ほとんどがそんな感じです。

 

一番すごかったのが誰もいない音楽室からピアノが聴こえる目の光るベートーベン。主人公がベートーベンの絵の両目に画鋲を刺して話が終わります。

その後異変がどうなったのか特に語られることはありません。

 

特別なグラフィックまであるのにイベントもなく終了する夏祭り。

 

中盤突然現れるグラフィック付きのNPC。メインキャラの予定だったけどカットされたキャラかもしれません。

「すすり泣く等身大フィギュア」という怪異もひどい。

 

プレイ時間は10時間程。評価を知った上で遊んだので怒りとかはないですが、最近は新作のクソゲーというのを見ないので久々に本物がきたな、という印象です。

 

小さいバグやその他のツッコミだと、

・クチパクが永遠に終わらない。

・顔がのっぺらぼうになる。

・セリフと違う音声が再生される

・最後の最後でとんでもなく気になる発言が飛び出す

・気になるけどそもそも考察してるひとがいない

・EDクレジット中に流れてる歌が突然止まって謎の音が出る

 

EDひどい・・・

 

パッチが当たっているのですが、これで何が解消されたかわからないんですよ。

 

部分部分で才能のあるクリエイターが関わっているのは感じるのですよね。

キャラクターに愛着はあったのでツッコミを入れつつも楽しめたと思います。でも普通の感覚だと怒る人のほうが多いと思います。

そんなゲームでございました。