少しだけ悲しい。
前ブログで『東京に住んでおる友達に会った』と書いたが、少しだけ、悲しくなっておる。
彼女は大人になってからできた友である。
同じ地元に住んでおり、歳も近く一緒に韓国や沖縄にも行った。
互いの家を訪問し、ご飯を食べお泊まりしたりもした。
とにかくたくさん遊んだ。
彼女はバツナシ独身で『結婚したい』が口癖だった。彼氏ができたら喜びあい、互いにいろんなことを相談しあったり、人生を語り合った。
恋愛にとてもドライな彼女と恋愛至上主義の私は価値観こそ真逆だったが、なぜかウマがあった。
だが…今から約2年前、彼女は勤めていた会社を突然辞め、上京した。
理由は
『こんな田舎にいても給料は安い、転職しようにもロクな求人がない。おまけに出会いもない。出会いがないから結婚もできない。東京に行けば何か変わる。』
というものだった。
上京前の彼女に私は意見した。
上京したからといって自分が満足いく職場でそれなりの給料をもらい、良い男性にめぐり合って結婚できるとは限らない。現状打破できないのを環境のせいにし、しかも20代ならまだしも40代で上京だなんて、そんなに世の中、甘くない…と。
当時は本当にそう思った。
だが、彼女は東京に住む弟を頼って上京し、派遣社員の仕事を得て一人暮らしを始めた。
彼女の初めての東京での出社日の朝、山手線の駅のトイレから
『不安と緊張でどうにかなりそう。』
と電話があった。
私は懸命に彼女を励ました。
その後も彼女からちょくちょく電話やLINEがあり、近況を聞いたり、話をした。
『東京はみんな男の人がスマートで優しくて…』などといった他愛もない話から会社のことまで、内容は様々だった。
そんな彼女の口癖は
『ミントちゃんも東京においでよ!こっちで仕事を探しなよ!田舎と違っていくらでもあるよ!』
だった。
彼女が上京して半年後…
私は東京の彼女の元を訪ねた。
彼女は喜んで迎えてくれ、2人であちこちに出掛けた。
会社に素敵な人がいる。同じ派遣の人と仲良くなって○○に出掛けた。イケメン社員に分かりやすいくらいの色目を使う女社員がいる…と、東京暮らしを明るく話してくれ、まだ東京の✕✕には慣れない…という些細な愚痴もこぼしていた。
そして彼女は東京生活にも慣れ始めたこの頃、マッチングアプリに登録し、出会いも求めていた。
アプリで仲良くなった殿方と良い感じになったらしく、その相談にも乗った。
この時、彼女の東京生活は概ね順調にいっているように思ったし地元にいた時と変わらぬ彼女に会えたことが、私は嬉しかった。
そして彼女はやはり
『ミントちゃんも東京においでよ!こっちで暮らしなよ!』
としきりに言っていた。
この後も彼女が地元に帰ってきた際には会い、時折LINEをし、付かず離れずではあったが、彼女との友情は変わらなかった。
だが、次第にだんだん彼女との連絡が減っていった。
私は私で忙しい。
彼女は彼女で東京での生活がある。
いくら友人とはいえ、遠く離れた地でそれぞれの暮らしを生きているのだ。
数ヶ月に一度ほど、『東京には遊びに来ないの?』とLINEが来る時もあったが、私もしょっちゅう東京に行けるほどの余裕はない。
そして…気がついたら、彼女と互いに半年ほどまったく連絡を取らなくなっていた日々の中…
私に東京出張の話が舞い降りてきた。
~②へ続く~