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第三弾☆→松田聖子『夏服のイヴ』はなぜ難曲と言われるのか(3/3)【半拍の使い方】
 

 

 

こんにちは!



私はちょっと昔の曲が好きで、

詳しくはないものの、
80~90年代の曲は純粋に
「いい曲だな~」と感じるものが多いです。




アイドル達もグループというよりは
本人単体勝負、歌唱力勝負、魅せ方勝負!


といった感じで、
今のアイドルとは求められる要素が違ったんだろうなと感じます。


特に松田聖子さんと中森明菜さんの活躍は
旋風を巻き起こしたといいます。




どちらも歌唱力が凄まじくて、
難しい曲も多い印象です。



今回は、特に難しいと感じた
松田聖子さんの『夏服のイヴ』について書いていきます。



音程もリズムも取りづらい。。。



作曲者は日野皓正さんという方で、
世界で活躍するジャズ・トランぺッターです。



有名な方なので私もお名前は存じ上げておりますが
ジャズには明るくなくて
このあたりあんまり語れない^^;



とはいえ、
曲の端々で確かにジャズっぽい部分はあって、
それがまた難曲要素だったりします。





聖子ちゃんの歌唱力はさることながら
曲の中身が気になったので個人的にざっくり分析してみました。




様々な要素が散りばめられた複雑な曲ですが

大き3つのポイントにまとめてみました!


長くなりそうなので、ポイント毎に
3つの記事に分けます(笑)


今回は第一弾として、
ジャブ入れる感じで軽めの部分に触れていきます。


◆難曲要素①:3拍子

まずこれは、
難しいというより日本人の耳に馴染みがあるかどうか。


『夏服のイヴ』の歌い出しは4分の3拍子です。


3拍子といえばワルツですが
ワルツはヨーロッパ起源の舞踊曲です。


実は日本人の基本のリズムは2拍子で、
3拍子にはあまり馴染みがないのだと言います。


これには日本人が農耕民族であることが
関係していると言われています。


田植えのリズムが「1・2、1・2、、、」と
2拍子だから、
日常に染みついているのが2拍子なんだとか。



言われてみれば御神輿の掛け声の
「わっしょい、わっしょい」も2拍子だし、

応援で使われる「3・3・7拍子」も
奇数で名づけられているけど良く聞けば2拍子系。


実際は

「1・2・3・(間)
 1・2・3・(間)
 1・2・3・4・5・6・7・(間)」

ですもんね。



ちなみに、しばしば混同される8分の6拍子は
2拍子の仲間です。



そもそも音楽で言う「〇分の〇拍子」は
数学で言うアレとは全く別もので、


「4分の3拍子」は
「1小節に四分音符が3個」、


対して、
「8分の6拍子」は
「1小節に八分音符が6個」。


6個と言っても、
「八分音符3つを1つとする拍が2個ぶん」
の考え方です。


強拍弱拍弱拍中拍弱拍弱拍
と並び、1つの小節のなかで2つに分けることができます。


イメージとしては
「いちにっさん、にーにっさん、」
とリズムを刻む感じ。




スメタナの「モルダウ」が
すごくわかりやすいと思います。


邦楽で他に3拍子の曲を挙げるとすれば
ジブリ映画『千と千尋の神隠し』主題歌の
木村弓さん『いつも何度でも』かな。






イメージつくでしょうか。




こう考えると、3拍子の曲って意外と少ないです。


なので3拍子というだけで、
ちょっと珍しい印象になるのでは、
と個人的には思います。



2拍子に慣れている耳は、
「1・(と)・2・(と)」
のように4拍目を無意識に予想していて、
にもかかわらず1拍目がくる。


この「あれっ」という感覚が
『夏服のイヴ』の独特の雰囲気を醸し出すのに
重要な要素になっていると思います♪





今回はこれで以上です!



次の記事では第二弾として、
和音の進行について語っていきます\(^^)/