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MINT新宿店MLB担当のホソミです。
2月に入り、MLBは注目されていたFA選手の所属先が決まり始めたり、スター選手の大型トレードが決まったりと、開幕に向けて様々なチームが動きをみせている中、各チーム補強が少なく、MLBの中で最も戦力差の開きが少ない地区がナショナル・リーグ中地区です。
昨2020シーズンの地区優勝はシカゴ・カブスでしたが、そのカブスはエースであるダルビッシュ有選手をサンディエゴ・パドレスへトレードした上、左の長距離砲カイル・シュワーバー選手をノンテンダーFAで放出したりとコストカットとチーム再建に繰り出しました。まだチームを完全解体したわけではありませんが、今季の成績次第では完全な再建モードに舵を切ることも考えられます。
カブスと同じく昨年ポストシーズンに進出したシンシナティ・レッズも、サイ・ヤング賞を受賞したエース、トレバー・バウアー選手がFAでの移籍が確実視されており、戦力の低下は避けられません。
昨シーズンリーグ最下位であったピッツバーグ・パイレーツは主砲のジョシュ・ベル選手(PIT→WSH)やエースのジョー・マスグローブ選手(PIT→SD)など、主力選手をトレードで放出し完全な再建モードに突入。
そんな中、今2021シーズンの地区優勝の筆頭候補とされているのが、昨シーズン地区2位だったセントルイス・カージナルスです。
昨季はプレーオフで惜しくもパドレスに敗れたカージナルスでしたが、他チームに比べて戦力の低下が少なく、エースのジャック・フラハティ選手を筆頭に先発の枚数も豊富。その上、コロラド・ロッキーズのスター三塁手ノーラン・アレナド選手をトレードで獲得。攻守に秀でたアレナド選手は鉄壁の守備力を誇るカージナルスにとって最適の補強でした。
“ブロックバスター”と呼ばれる大型トレードで一躍地区優勝筆頭候補にあげられるようになったカージナルスですが、このページではまだ名前をあげられていないナ・リーグ中地区の球団、ミルウォーキー・ブルワーズについてご紹介したいと思います。
昨シーズン、地区4位ながらワイルドカード2位でポストシーズン進出を果たしたブルワーズは、上述の様な主力選手の放出もなく、同地区のカージナルスからFAになっていたゴールドグラブ賞2度の好二塁手コルテン・ウォン選手を獲得するなど今季もポストシーズン進出を目指す姿勢を見せています。
そんなブルワーズの強みは投打にメジャー屈指の実力派選手が顔を揃えていることです。
終盤を投げるリリーバーには2018、19年の最優秀救援選手(通称トレバー・ホフマン賞)を受賞したジョシュ・ヘイダー選手と、昨シーズン同賞と新人王をダブル受賞したデビン・ウィリアムズ選手を擁しており、この2人のリレーは今シーズンも相手チームの脅威となる事でしょう。
打線も2018年のナ・リーグMVP、クリスチャン・イエリッチ選手やケストン・ヒウラ選手などの長打力に長けた選手が在籍しており、ここに新型コロナウイルスの影響で出場辞退していたロレンゾ・ケイン選手が加われば、打者有利の本拠地アメリカンファミリーパーク(旧ミラーパーク)の地の利を十分に活かせる好打線となるでしょう。
さらに、ブルワーズにはリーグでも指折りの奪三振能力を誇るエース右腕が2人も在籍しています。
今回はその2選手について、詳しくご紹介していこうと思います。
2018 TOPPS BOWMAN HIGH TEK Prospect Autographs / Corbin Burnes
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ブルワーズの誇るダブルエースの1人目は、昨年大ブレイクを果たしたコービン・バーンズ選手です。
バーンズ選手はデビュー前から球団有数のプロスペクトとして期待されていましたが、メジャー2年目となった2019年、49イニングで70本もの被安打を浴び、防御率も8.82という散々な成績に終わってしまいました。
その主な原因となっていたのが、彼のフォーシームでした。
常時90マイル代中盤を記録するフォーシームは彼の武器のひとつでしたが、2019年にそのフォーシームを打ち込まれ、成績が急激に悪化。そこで彼は、フォーシームの投球割合を減らし、ツーシームと新たに習得したカットボールを中心の投球スタイルに変更しました。すると、投球の質が格段に上がり、最大の武器である奪三振能力を存分に発揮するようになりました。
規定投球回には惜しくもあと1アウト足りなかったものの、防御率は19年の8.82から大幅に改善され2.11に。
奪三振率(K/9)13.27はトレバー・バウアー選手やマックス・シャーザー選手、ゲリット・コール選手など球界を代表するエースたちを上回っており、奪空振り率も最後までサイ・ヤング賞上位を争ったバウアー選手やダルビッシュ有選手を上回っていました。
サイ・ヤング賞投票でも12ポイントを獲得し、6位につけました。
60試合のショートシーズンだったとはいえ、今後の彼のキャリアにとって大きなきっかけとなった1年であったことは間違いないでしょう。
2018 TOPPS SERIES 2 83 Silver Pack Chrome Autographs Red Refractors / Brandon Woodruff 【4/5】
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ダブルエース2人目は、ブランドン・ウッドラフ選手です。
ウッドラフ選手はバーンズ選手とは打って変わって、メジャーデビューから毎年コンスタントに成績を向上させている投手で、ワイルドカードゲームで先発を任されるなどチームからの信頼も厚い選手です。
その最大の武器は100マイルに迫る威力バツグンのフォーシーム。そこにスライダーとチェンジアップを加えたシンプルな球種構成ながら、バーンズ選手に迫る高い奪三振能力を誇ります。また、バーンズ選手と比べると与四球も少なく、投球が安定している点も高く評価されています。
2020年は自己最高のシーズンを過ごし、投球回73.0は両リーグ通じて7位、91奪三振は同10位、奪三振率11.12も同10位、1イニング平均でどれだけの走者を許すかという指標WHIP0.99は同9位など、多くの指標で両リーグトップ10に入る好成績をおさめました。
ウッドラフ投手は今シーズン、チームの開幕投手筆頭候補にあげられており、昨シーズン叶わなかったサイ・ヤング賞投票で票を獲得できるような活躍が期待されます。昨シーズンに好成績を収めたこともあり、各チームからより厳しく対策を取られると思いますが、総合力の高い選手ですので、怪我なく1年間ローテーションを回すことが出来ればエースの名に恥じない好成績を残すことが出来るかと思います。
上述の通り、強力なクローザー・セットアッパーに加え、この2人のエースが2020年と同等、あるいはそれ以上の成績を上げることが出来れば、ブルワーズは十分にカージナルスと地区優勝を争えるのではないかと考えています。
また、バーンズ選手は1994年生まれの26歳、ウッドラフ選手が1993年生まれの27歳とまだまだ若く、プロ選手として今後更なる向上が見込める年齢です。
2人がFAになるまでまだ2年以上残しているブルワーズは(トレードで他チームへ放出される可能性もありますが)、今後もナ・リーグ中地区制覇、そして球団史上まだ一度もなしえていない世界一に向けて挑戦していくこととなるでしょう。
ナショナル・リーグは現在、王者のロサンゼルス・ドジャースをはじめ、大補強でドジャースに匹敵する戦力を整えつつあるサンディエゴ・パドレス、若きスーパースターロナルド・アクーニャJr.選手を擁するアトランタ・ブレーブスなどライバルは多いですが、彼ら2人のエースの存在は強力なライバル球団とプレーオフを戦うにあたって、ブルワーズのストロングポイントとなる事は間違いありません。
最後まで読んでいただきましてありがとうございます。
今シーズン、ナ・リーグ中地区の台風の目として、期待される2人のエースの直筆サインカードをMINT新宿店にて販売しています。また、Web通販サイト『MINTモール』でも同様に販売しておりますので、ぜひこの機会に、ブルワーズ自慢の二枚看板のサインカードをコレクションしてみてはいかがでしょうか?