最初に見た実家は、地震のせいでぐちゃぐちゃだった訳では無いことを、新しく引っ越した先のマンションを見て知る事になりました。

お義母さんのお料理されている所を何度かお見かけしました。
当時、まだ50代だったと思うので、痴呆や認知症では有りません。
何でもフライパンで強火で焼くのです。
沢山の油で。
ある日のハンバーグは真っ黒焦げで、中は赤々と。
秋刀魚を焼いてらっしゃる時は、部屋が煙で真っ白に。
油に引火して、火柱も上がっていました。
娘を預かってもらった際には、娘にエビフライを食べさせてあげたいと、一尾1300円のエビ🦐。

お優しい方です。
でも、変わってらっしゃる。

その内に、件の次兄が略奪して来た女性と暮らすとの事で、私が掃除する事になりました。
どういう経緯だったのかは覚えていません。
次兄に頼まれた様に思います。

私は義実家にとって、とても都合の良い人間なのだと思います。

引っ越ししてから5年ほど経っていました。

とにかく箱買いをするお義母さんで、誰も食べない鰯の缶詰も箱買い、賞味期限を大幅に過ぎていました。
大きなダイニングテープルの下も、空き箱だらけ。
海苔は腐って溶けていました。
箱を持ち上げるとカサカサと、何かが動きます。
Gさん家族が大所帯になっていました。

腐った乾物の匂い、GとGのフンの匂い。
ちょっとしたトラウマになっています。
とにかくゴミ袋へ突っ込み、在宅中の長兄に、ゴミ捨て場に持って行ってもらいました。
コンロの前と横の壁はこびりついた油が焦げて真っ黒。
ここまで汚せるもんなのだと感心しました。

トイレは次兄が吸うタバコの匂いで、ショッピングセンターの喫煙所の匂いが。
埃にオシッコが飛んで、カピカピになっていました。
割り箸でこすり取ろうとしましたが、もう石の様になっています。

洗剤を振りかけ、お風呂場へ。

こちらも石鹸カスが、本当に鍾乳洞の壁の様になっていて、五年間、一度も掃除した事が無いことが伺えました。
パッキンは黒いものと諦めました。
又カビ取り剤を振りかけ、トイレに戻り、トイレ掃除。
その後お風呂に戻りお風呂掃除。

ビフォーアフターは、歴然の違いでは有りましたが、新築の様にはいきませんでした。

人って、自分の暮らす家を一度も掃除しないでいられるものでしょうか?
長兄も次兄も住んでいたのにです。
次兄は付き合った女の子は、家に連れて帰って一緒に暮らしだしてしまう人なので、今回の女の子の前に付き合っていた子は、このお風呂、トイレ、台所を使っていたはずです。

次兄は一度家に戻って来て、私に
「ホンマにありがとう」
と言い残し、又出掛けて行きました。
ゴミ出し一つ手伝う事もせず。

あらかた終わり、箒をかけて、床を拭いてる頃に、夫が顔を出しました。
その時、お義母さんは自室で、長兄も自室にこもっていて、掃除してるのは私1人でした。

やはり夫でもその光景はおかしいと感じた様で、
「おかんと(長兄)ちゃんは?」
と聞くので、指差すと
「お前!何しとんねん!何1人で掃除させとんねん!」
と、長兄の部屋に怒鳴り込んで行きました。

私は次兄が女を連れ込むために、家をきれいにしてくれと、次兄に頼まれて掃除しただけなのです。
お義母さんも長兄も、私に頼んだのでは有りません。
驚いた事に困ってすらいなかったのだから。

「ちょっとやめて!(長兄)ちゃんはゴミ出ししてくれたし、私は気持ち良く掃除してるのに、今来たあなたが怒り散らかしたら、台無しやん!」
と、止めました。

大体、次兄なんて、ありがとうと言い残し、サッサと女の子を迎えに行っているのだから。
私は次兄には腹が立っていたのですが、夫は次兄には全く、腹は立っていない様でした。

元々、大人であれば、三人もいれば、誰か掃除しても良さそうなものだと、その時は思いました。

お義母さんを精神疾患だとは、思っていませんでした。