知り合った頃の夫は、本当に奔放でした。
ファミレスで食事が終わると、長椅子で本当にゴロンと通路に足を平気で伸ばして寝てしまうし、車に行くと必ず駐車場で用を足します。
歩いて居酒屋さんに行った時には、自分の家の玄関の横で盛大に。
何故店で借りたり、家でしたりしないのか尋ねると、
「節約してる」
と、訳の分からないことを。
本当に恥ずかしいからやめて欲しいと伝えました。
耳掃除を次兄にしてもらっていたので、私がする事にしました。
手の爪は私を傷付けない様にと切っていたのですが、足の爪は伸び放題でした。
それも私が切ることになりました。
至れり尽くせりしてくれる人とばかり付き合って来た私には、彼が可愛く、新鮮に見えてしまったのです。
歯が無いのも、歯を磨く様に、親から言われた事がなかったそうです。
大体、親から怒られた経験が全く無いと。
私は拾ってきた猫を世話する様な、慈しみの気持ちと、人の役に立つ喜びを知ってしまいました。
彼を好きで、彼に尽くす自分が好きだったのだと思います。
私の生い立ちも中々普通では無かったので、よその家庭とどちらが普通か判断出来なかったのも、あると思います。