小川糸の小説。
この小説は、物語上は何の関連もないのだけれど、「食堂かたつむり」、「ライオンのおやつ」との一連のシリーズのような位置づけだそうだ。
食堂かたつむりが過去の自分との対峙、ライオンのおやつが現在の自分との対峙、そして本作が未来との自分との対峙。
そこに共通するのは、食を通して生きることの指針を見出して行くこと。
主人公の小島小鳥は、お弁当屋「リムジン食堂」を営む理夢人(リムジン)と出会うことで、
過去の自分を包み込み、現在そして未来に向けて、生きて行く足掛かりと居場所を掴んでいく。
その過去から現在、そして未来への物語が、読んでいてとても惹きつけられた。
最近あらすじを書くのがめんどくさくなっているので、割愛しますが、この本、ほんといいです。
自分の人生、いいこともそんなないけど、自ら死ぬわけにもいかないからしょうがなく生きてる、でも生きる意味や喜びを見出せない、という人にお薦めします。
生きる意味、どうやって生きていけばいいのか、ヒントが隠されてる本だと思います。
私の好きな漫画にあったのですが、
『食べることは生きること』。
この意味も本作を読んでいると、何となくわかってくると思います。
小川糸の作品は、とても温かい。
そう思います。