容疑者Xの献身 | Promised Land -帰りたい何処か-

Promised Land -帰りたい何処か-

わたしにとっての「約束の地」はどこなのか?

その答えを今探しています。

図書館で予約待ちすること4ヶ月。
直木賞受賞前からしてたのに・・・さすが東野圭吾。
ファンが多いです。


今回の話は、生きている希望を失いかけたそのときに
その存在そのもので人生に光を与えた母子を守るために
その天才的な頭脳を駆使する数学者石神(高校教師)と
彼と同窓の物理学者湯川との話。



しいて言うなら、この「容疑者Xの献身」は
ガリレオ(湯川助教授)シリーズの新刊ともいえると思う。


最後まで読んでしまえば、ああ、そういう手も考えられるなと
思えるのだが、読んでいる最中、私には話の展開を最後まで
正確に見通すことができなかった。

(・・・で、結果として最後まで一気に読んでしまったのだが。。)



なかなか完成度の高い作品だったと思う。


ただ、ヒロインの靖子の最後の行動、たしかに良心に従えば
当然の行動だとは思うが、石神の美しいまでの計画を台無しにして
しまって、ひいては自分自身がその自らの裁かれざるはずの罰を
耐えることを放棄することで、
石神を最後まで大切にはできなかったように思えてならない。
そもそも、最初子どもを守る、と言っていたのに、
自首したことで、子どもだって守れなくなったんだし・・・・。
なんだかこれほどの深い石神の愛に値しない、身勝手な女に少し見えた。



作品自体は、おもしろかったっす。