● クラヴィシンバルムについて♪
大阪・奈良ヴォイストレーニング・アイリッシュハープ教室
【音楽サロン】 Cube Crea
こんにちは、清水祥江です。
チェンバロの、更に小さなサイズのものに、スピネットと呼ばれる楽器がありますが、それは、グランドピアノを奥行きをなくして、横長に小さくしたようなものであったり、二等辺三角形の形であったりしますが、なんと言ってもこのクラヴィシンバルムは、デザイン・形状が本当に可愛らしく、なんて美しいこと!
音域は3オクターブと少し…
音色はまさしくチェンバロ!
昔々の設計図をもとに、現代に復刻されたクラヴィシンバルムを所有し、演奏活動なさっておられるオーナー、近藤明子さんの大切な楽器を、見せて頂きました。
彼女のクラヴィシンバルムは、本来のサイズの4分の3のサイズで、少し小ぶりで軽いんだそうです。
それでも先のとんがり部分が、妙に長く見えます。
鍵盤を弾いて、プラクトラムが弦を鳴らすまで、わずかなタイムラグがあるように感じます。
こんな音色です♪
ダンパーがないので、音が響きっぱなしで、残響が美しい!
昔から、ハープシコード、つまりチェンバロの音色が大好きなわたしには、クラヴィシンバルムは音色が、どストライクなのに加え、なんと言っても、この素晴らしい造形美!
もう10年以上前だと思いますが、一時期本当に小型のチェンバロのスピネットが欲しくて、わざわざ浜松の楽器工房まで見に行ったこともありました。
そもそも、鍵盤楽器が得意ではないので、果たして使いこなせるか…?と考えた結果、結局諦めましたが、やっぱり音色はすごく好きですね。
こうして触らせていただくと、とても幸せな気持ちになります。
クラヴィシンバルムで演奏活動を行ってらっしゃる方は、日本にも何人かいらっしゃいます。
大体は中世や古典の音楽を演奏なさっているチェンバロ奏者や、復元楽器の専門家の方が、使っておられるようですね。
ちなみに、この日見せていただいた、近藤明子さんの楽器はオリジナルの物よりも4分の3のサイズで、少し小さく作られているそうです。
電車で持ち運んで、東京のライブに出演されたり、アクティブに運搬移動できるよう、コンパクトさを重視してとおっしゃっていました。
ピアノに比べると、チェンバロはさらに珍しく、コンサートで聴く機会も少ないですが、クラヴィシンバルムとなると、そこからさらに珍しく、見たり、聞いたりする機会もなかなか少ないので、お友達が持ってらっしゃるということはとても貴重で、見せていただけるのもラッキーです。
私が見せていただいたものは、埼玉にある、久保田チェンバロ工房の、久保田彰さんが作られたクラヴィシンバルムでした。
おそらく他にも、この楽器を復元して作っていらっしゃる方がいらっしゃるそうですが、他の方のものはまだ見た事はありません。
それほどやはり、珍しいものなのだと思います。
ちなみに10年以上前、浜松の三創楽器さんで、スピネットをみせていただいたとき…
ちょうどその日時にイベントをなさっていると言うことで、工房ではなく、そのイベント会場に足を運んで、二等辺三角形の形の1番小さな、オクターブスピネットと言う、ポータブルで小さなスピネットを見せてもらいました。
本当に可愛らしく、音色もほんとにチェンバロで(当たり前やけど)その時本当にすごく欲しかったんです。
当時の値段で確か43万円位だったと記憶してます。
私にとっては大金ですし、バッハのインベンションもろくに弾けないくせに、鍵盤楽器が上手いわけでも何でもないのに、大金を投じるのは、流石にちょっと無理かな…と、諦めたんですよね(当たり前やろ!)
ちなみに、同じ楽器、今ホームページで見たら、お値段びっくりするぐらい跳ね上がって、100万超えてました(涙)
あの時に買っていたらよかったのになぁと激しく後悔!
今、木材など材料の高騰もあり、またコロナ禍で時短営業などで納期も遅れ、楽器の値段が驚くほど跳ね上がっていると聞きますが、本当にそうですね。
ハープも、超小型ハープは別として、通常のアイリッシュハープのサイズ(34弦)を、基準に考えた場合、国産メーカーの青山ハープさんは、まだ1番リーズナブルな部類だと思いますが、今、もうそのサイズを海外メーカーで入手しようと思うと、どんなに安いものでも、400,000前後ですかね。
青山ハープの34弦のうち、1番リーズナブルなモデルの130が、木材や仕様により、308000円から385000円。
イタリア・サルヴィのMiaという、1番お財布に優しいモデルでも、379500円と、なっています。
フランス・カマックの1番お求めやすいモデル、エルミンでも、484000円…
ダスティストリングスは、松竹梅のように、モデルのランクが3段階ですが、1番お値段のお安い34弦・ラベンナでも、495880円(カマックレバー仕様)
送料などを加えたら、もう50万円超えてきますね。
何年か前に、どのメーカーもそれぞれ少しずつ値上がりしてきて、あっという間に今の値段になってしまいましたが、10年位前は、多分10万円位は、今よりお安かったのではないかと記憶してます。
カマック・エルミンでも、私の記憶では、最初はテレンというモデル同様、30万円台前半だったと思います 。
アイリッシュハープ ・ケルティックハープでこれなのですから、グランドハープの値上がり具合なんかは、もっとえげつないと思います…
どのモデルだったか忘れましたが、確か1,000,000円位いきなり上がったものもあったと記憶してます。
以前、青山ハープの工場見学バスツアーに参加した事がありましたが、それを見ていると、それはまぁハープって高いわな…(汗)
それぞれの職人さんが部分的に業務を担当されていて、例えば塗装する人は塗装だけ、絵を描く人はそれだけみたいな感じで、分野を分けておられました。
キラーニーハープのティムさんや、カナダのラリーフィッシャーさんのように、全て自分1人で作りあげると言う方法とは違いました。
それにしても、これだけの工程を経てから、やっと出来上がるんだから、今までハープが高いと言ってごめんなさい…と言う気持ちになりました(笑)
また、2年ほど前に、山形県のおとつぶハープさんの、ハープ調整研修に参加した時も、1から作るのではなく、細かなパーツやボディーの本体を調整していく作業だけでも、すごく大変で、こんな細かい作業を経て、こんなお安い値段で販売してくださってるんだと思うと、申し訳ない位で、2倍ぐらい、せめてお値段とっていただいて良いのでは?と、参加した皆も、思ったものです。
話がそれましたが、おそらくチェンバロも同様で、あのスピネットが2倍以上の値段に、爆上がりしていたことを思うと、どのメーカーのどの楽器もじわじわと、値段が上がってる事は確かでしょう。
楽器を手に取る人からすると、少しでもお値段が安い方が良いけれど、作ってくださる職人さんや会社の利益も必要でしょうし、これだけの作業工程を考えると、今の値段が高いなぁと思ってはいけないのかもしれませんね。
だから、値段の安い中国や台湾などの工場で作られた安価な楽器が、たくさん流通してくるのでしょう。
あと小さいサイズのハープに限らず、パキスタンには値段の安い工房が確かに多いです。
木材が豊富なのだと言うような話を聞いたことがありますが、真偽の程は定かではありません。
小さいサイズのハープについて言えば、もともとのお値段もお安いので、ぶっちゃけ、安いものに飛びついて、購入したところで、それで失敗しても、ダメージは少ないですが、34弦クラスのハープとなると、どんなに安くても、それなりに費用がかかってくるでしょうから、安物買いの銭失いになっては本末転倒です。
今言われてるのは、どのメーカーのどんな楽器でも、これから先に値段が下がる事はおそらくないだろうし、どんどん上がっていく可能性を考えると、本当に欲しいものがあるのならば、少しでも早く入手しておく方が良いですよ…とアドバイスを受けたこともあります。
多分そうでしょうね… (涙)
10年前に、あのスピネットを、思い切って決心していればよかったなぁ…と、激しく後悔です。
貴重なクラヴィシンバルムを、見せていただき、触らせてくださり、ありがとうございました。
珍しく美しい音色のこの楽器が、たくさんの方に楽しまれる場がたくさんありますように…
クラヴィシンバルムは私の楽器ではありませんが、アートルームサリーガーデンさんにて、ご覧いただくことができるかと思います。
希望される方はご紹介もいたしますので、下記お問い合わせフォームよりご連絡くださいませ。
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よろしくお願いいたします。