最近スイスで安楽死をしたか女性や男性のドキュメントを見た。

日本では安楽死が認められていないので、やむなくスイスにわたって、依頼したのだという。
ヨーロッパには、スイスだけではなく、オランダ、ベルギー、ルクセンブルク、カナダ、等々
いくつもの国で安楽死が認められるようになった。

ところが日本では安楽死を認めてはいず、ある女性の依頼によって安楽死を行った医師が、
殺人罪で起訴され、有罪の判決が言い渡された。

積極的安楽死が認められる要件として、

1)耐え難い肉体的苦痛がある
2)死期が迫っている
3)苦痛を除去、緩和する方法がほかにない
4)患者の明らかな意思表示がある

がそろっていることだそうである。

実際には、この条件がそろっていたとしても、安楽死させた医師は検察から訴えられるような気がする。

ALS(筋萎縮性側索硬化症)の人たちは、自分自身で死を選ぶことができない。
それを医師に安楽死を頼むことがなぜいけないのか。
安楽死を認めると、ALSの人たちは
 自分たちは一所懸命に生きているのに、生きる権利が奪われるかもしれない
というようなことを言っている。

しかし、個人個人によって事情は全く異なる。
安楽死を認めてほしいという意見も当然出てくると思う。

スイスで安楽死を選んだ日本の人たちは、自分の意志で行っていた。
医師が何度も本人に意思を確認していた。

奥さんが苦痛を和らげるために夫婦でスイスを訪れて安楽死に臨んだ。
最後は、自分の手で安楽死を行う点滴を空けて、静かに息を引き取った。

またある女性は、だんだんと体がマヒしてきて、耐えられなくなり、スイスに行って
安楽死に臨んだという。
密着取材をしていたレポーターは、ある時から連絡が取れなくなってしまったという。
女性は、何人もの親しい人に手紙を書き、別れを惜しんでいたという。

尊厳死という言葉がある。
元気なうちは「死」について考えることは無い。
しかし、死期が近づいたときには、きちっと死を迎えたいと思う。

日本ではあまり議論が進んでいない。
身近な問題として、もっと議論を深めてほしい。

以上