ちょっと前のブログにて、ジェイ・エイブラハムの1つのマーケティング手法 を紹介したが、彼の考えの根本は顧客至上主義であり、顧客が自社の製品・サービスを購入しない理由をすべてつぶしていくということをモットーにしている。

これを、一般の事業会社において、従業員を顧客に仕立て、従業員が会社のために頑張らない理由をすべてつぶしていくことをモットーにしていくことにしよう。

まず、前提として、従業員として採用された人は、ある程度その企業そのものや仕事に興味を持っているとして、(勿論、それぞれの価値観は違うだろうが)何が重要なのかと考えると、従業員一人ひとりのキャリア自律支援ではないかと思う。

”雇用を守ることが一番重要じゃないのか?”と思っている人も勿論いるかもしれないが、雇用を守るということと社員を大切にするということは、本質的に違う。一つの例を示すと、雇用が守られることにより、パフォーマンスがどんなに低い社員でもある一定額以上の給与が支払われることを考えると、高いパフォーマンスの社員はそれに見合った給与が支払われていないということになる。つまり、給与を目的としているハイパフォーマー社員の満足度は下がるということになる。

キャリア自律の形成により、仕事に対する意識が高くなり、それが企業経営にポジティブに働いていく。また、仮にその企業を去ったとしてもスキル・経験が社外での競争力を持った形で蓄積されているのだ。

それは、あくまでも理想的なキャリア自律概念であるが、そういった望ましいキャリア自律を社員に形成させるための条件とは以下のようになる:

*会社と個人の利益相反を生みにくい、功利的でないキャリア自律概念の普及

*キャリア自律を競争力を生み出す経営課題として捉える

*外的ではなく内的キャリア評価の重視

*ジョブマッチングでなく、仕事主体性に社会関係資本とスキル構築のキャリアコンピテンシーの重視

*キャリアを管理しない

*ワークライフのなかでキャリアを成長過程のフェーズで考えさせる

いろいろと複雑ではあるが、どれも企業が社員のキャリア自律を本気で取り組む上で重要である。

参考文献:人が育つ会社をつくる―キャリア創造のマネジメント