そこで、僕は「え!? なぜ、、、ですか? ちょうど時期的にもいいんですよ!!」と答える。
更に「これから、部屋の全面改修工事をします。フロ-リング・玄関・台所・ユニットバスなど、室内の全てを新品に変えます。この工事期間が約1カ月前後かかります。つまり、工事が終わる頃には年末か年明けで、いわゆる不動産業界でいう繁忙期となり、一年間で一番お客さんが多く来る時期です。間違いなくチャンス!ですよ。」と説明する。
奥様は「でも、自殺があった部屋です、、、、、。入居希望者には、自殺があったことを説明する必要がありますよね。」と言う。
僕は「もちろん、僕らには説明義務があります。でも、例えば、葬儀関係の仕事をされている方・僧侶さん・神父さん等は、一般の方よりは、そういう事を気にされない傾向があります。また、生活保護を受けている方の中には、とにかく家賃が安ければいいと考えている方もいらっしゃいます。」と答える。
しかし、奥様は「でも、家賃を下げて入居者募集すれば、そのことが不動産業者や今住んでいる人に分かってしまいますよね。」と訴える。
僕は「家賃を下げない方法もあります。例えば、○×△□●▼◎■◎という方法でやれば、まったく問題ありません。むしろ、多少家賃を上げてもいいぐらいだと思います。」と説明する。
更に「他の不動産業者に募集依頼をかけなければ、他の不動産業者は募集できません。なので、他の不動産業者から自殺があったという事実が広まる可能性は無くなります。そして、他の入居者に自殺の事実が広まる可能性もほぼ無くなります。」と付け加える。
僕は奥様の目を見ながら「今回の件は非常に色々な意味で残念なことでした。ですので、悲観的になってしまうのは理解できます。しかし、先ほど説明させて頂いたような方法で再募集すれば、自殺があったという事実を説明するのは僕らがご紹介するお客様だけになり、また、家賃を下げる必要もないので、様々なリスクを回避できる可能性が高いことになります。」と丁寧にあらためて説明する。
更に、僕は「今回のご遺族との交渉では、部屋の全面改修費用だけではなく、30カ月分の家賃補償費を支払って頂けることになっています。つまり、来年の1月・2月・3月ぐらいに入居が決まれば、家賃が2年間ぐらい二重に入ることになります。」と穏やかに説明する。
奥様は「あら! そんな方法があるなんて、、、。もっと早く教えてくれれば良かったのに意地悪ですね!!」と言いつつ、紅茶とケ-キを持ってきてくれた。
ここで、僕は奥様とご主人に、ある提案をする、、、、。