僕の営業成績は、中の上ぐらいであり、年間で見ればしっかり数字が残せる営業の一人でした。

しかし、会社の将来や自分の将来には、漠然と不安を抱えていました。なぜなら、以前述べたように、営業が起こした不正融資により社内の雰囲気は悪くなり、審査も厳しくなった上、担保価値が薄くても担保をとるようになり、営業部全体の目標が達成不可能となることが数ヶ月も続いたからです。また、僕のいた会社は大企業といえる規模ではなく、銀行や大手のサラ金でさえ、金融再編の波にさらされた時代でした。

 当時、銀行が合併を繰り返しており、現実に、大手銀行のノンキャリア(いわゆる高卒や専門学校卒)の人たちが、お客さんとしてよく来店していました。理由は、カードによるキャッシング過多です。多重債務と言った方が適切かもしれません。銀行が合併した場合、一つの駅前に同じ銀行の支店が3つ4つできる場合があり、人員も余るわけです。当時は、一旦退職させて、別会社に転籍させることが多かったようです。そこで、別会社に移るときには、給料が下がるという現象がよくありました。今までは、お小遣いで返せる範囲のキャッシングをしていても、給料が下がり、お小遣いも減れば、返せなくなります。そこで、ノンバンクで債務を一本にして、利息の軽減を図ろうというノンキャリアの人たちが一時期よく来店していました。

 当時、僕は「大手銀行でもこれだけ急に給料が下がるものなのか」と思っていました。当然、残業代や賞与等も相対的に減り、年収800万の人が年収で650万と、2割近く減れば大変でしょう。

 だって、時給1000円の人が、急に「今日から時給800円だよ」と言われれば、、、。

 また、同業他社においても、合併等により待遇や環境が激変したという噂はよく聞いていました。いわゆるノンバンクといっても、貸し方や専門分野が違ったりします。


 この時、「例え経験があったとしても、それが評価されるかどうかは相対的なものであり、絶対的なものではない。では、絶対的な評価を受けうるものとは何か?」ということを良く考えるようになりました。僕の出した答えは「資格」取得であり、厳密に言えば「国家資格」取得でした。

 資格が無くても生活も仕事もできる。しかし、「無いよりはあった方がいいはずだ」という思いは強まりました。