1. Unforgettable
  2. Obliviate
  3. 자각몽 (明晰夢)
  4. 절대, 비밀 (絶対、秘密)
  5. 이야기꽃 (話の花)
  6. 걱정 인형 (心配人形)

2020年9月1日にリリースされたLOVELYZの待望のニューアルバム「UNFORGETTABLE」。

前作「ONCE UPON A TIME」を発表したのが2019年5月であるから、実に1年4カ月ぶりのカムバックである。

このインターバルは、「A New Trilogy」(2016年4月)と「R U Ready?」(2017年2月)の間の10カ月よりも長い。

COVID-19の世界的感染拡大さえ無ければ今年のもっと早い時期にカムバックしていた可能性もあるが、実際のところは分からない。

 

さて、今回のアルバムはタイトル曲[2]を含む前半の3曲をLOVELYZの所属事務所であるwoollim entertainmentが擁するプロデューサー達(Razer / 제이윤)が手掛けている点が興味深い。

LOVELYZの楽曲を手掛けたプロデューサーと言えばユンサン氏が率いるOne Pieceがあまりにも有名であるが、彼らと同様に

LOVELYZのイメージを形成する上で重要な楽曲を提供してきたクリエイター達について紹介しておきたい。

 

まずは[1]と[2]の作編曲を手掛けたRazer氏。

彼はHIP HOPデュオにしてプロデューサーチームであるRphabetの元メンバーで、現在はStardustというチームで制作活動を行っている。

ちなみにRphabetのもう一人のメンバーであったBEE氏もwoollim所属のプロデューサーで、LOVELYZを含むwoollim所属アーティスト達に楽曲を提供している。

Razer氏が参加したLOVELYZの楽曲を挙げてみると以下の通りで、その他Keiのソロアルバム「Over and Over」収録の「이 비」も手掛けている。

  • 1cm (A New Trilogy, 2016)
  • 첫눈  (R U Ready? / 지금, 우리, 2017)
  • 숨바꼭질  (R U Ready? / 지금, 우리, 2017)
  • 삼각형 (Fall in Lovelyz, 2017)
  • 수채화 (治癒, 2018)
  • Wag-Zak (Digital Single, 2018)

POPな曲からバラードまで作風は幅広いが、特筆すべきは何と言っても「1cm」に尽きる。

今やコンサートの定番となったこの曲でLOVELYZの弾けるイメージを定着させた功績は称賛に値する。

また、2018年にDigital Single「Wag-Zak」を手掛けているが、CDアルバムのタイトラックを担当するのは今回が初めてで、大抜擢と言える。

 

一方、[3]を手掛けた제이윤氏は三人組バンドMC The Maxのメンバーで、ベースとヴァイオリンを担当している。

バンド名からするとHIP HOP系のサウンドを想像してしまうが、実際はMC The Maxはバラード系の楽曲を得意とするバンドである(「MC」は前身バンドMoonChildが由来となっている)。

そんな彼は以下の楽曲を提供している。

  • Hug Me (Lovelyz8, 2015)
  • 퐁당 (A New Trilogy, 2016)
  • Aya (지금, 우리, 2017)
  • 꽃점 (Sancturary, 2018)

いずれの曲もファンシーな雰囲気と繊細なアレンジ、そして音楽的な遊び心が特徴的で、彼もまたLOVELYZの魅力を語る上で欠かせない存在であることが分かる。

また「Hug Me」や「Aya」など、曲の要所をハイトーンで盛り上げるのはハイトーンヴォーカリストを擁するMC The Maxのメンバーならではのテクニックであるが、今回の[3]でも驚異の「高音7段ブースト」が登場する。

 

この二人が担当した[1]~[3]にOne PieceのDAVINK氏が参加した[4]を加えると、6曲中4曲を旧知のプロデューサー達が手掛けたことになる。

지금, 우리」を最後にOne Pieceと袂を分かったあと2年以上に渡って音楽的な拠り所を模索し続けてきたLOVELYZであるが、今回の制作陣ラインナップがその解答となるのかどうかはまだ分からない。

但し、今回のアルバムには「Fall in Lovelyz」以降の作品とは別格の「質感」が感じられるという事実は断言できる。

 

アルバムの内容の紹介に続きます。

前回からの続きで、Rocket Punchの2ndアルバム「RED PUNCH」からバラード曲「다시, 봄 (Lilac)」を紹介する。

 


다시, 봄 (Lilac) - Rocket Punch

作詞 이기, 용배

作曲 이기, 용배

編曲 밍키

 

デビューアルバム「PINK PUNCH」でタイトル曲「빔밤붐 (BIM BAM BUM)」を手掛けた이기氏と용배氏が詞と曲を提供している。

彼らは過去にはORANGE CARAMELなどPLEDIS Entertainment所属アーティストの作品を手掛けてきたほか、GFRIENDの作品にはデビューアルバムから全面的に参加してきた。

ちなみに이기氏はプロデュースチームOREOのメンバーでもあり、LOVELYZのミニアルバム「LOVELYZ8」の収録曲「작별하나」にも携わっている。

編曲の밍키氏はクリエイターとしてのキャリアはまだ浅いようだが、용배氏と同じくRBW(RainbowBridge World)に所属していて同事務所のMAMAMOOやONEUSなどに作品を提供しているようだ。

 

さて、曲の解説に移る。

 

「다시, 봄」(もう一度、春)というタイトルの楽曲は過去にも存在しているし、2019年4月には同名の映画が韓国で公開されていることもあって、特に目新しい言葉ではない。

しかしこの曲は、そのような何気ないフレーズを音楽的モチーフとして捉え、ヴァリエーションを織り交ぜて曲に散りばめることで独創的かつ強烈な印象を生み出している。

また、この曲のもう一つのキーワードである「ライラック」という単語のリフレインによって二次曲線的な盛り上がりを見せるサビ前のパートも、楽曲に絶妙なコントラストを与えている。

詩と楽曲の両方を手掛けるクリエイターならではの強みが活かされた作品と言えるだろう。

また、ブレイクを効果的に配置して抑揚を付けながらクライマックスに向かいながら高揚していく編曲もドラマティックで素晴らしい。

 

歌のパート割については、要所のハイトーンやオブリガートこそメインボーカルのSuyunが担っているものの、分量としては日本人である高橋朱里を含めて全員が等しく受け持っている。

サビのパートをメンバー総掛かりで歌っているという点もこの曲の特徴で、ガールズグループならではの醍醐味が感じられる。

各メンバーの「봄」のニュアンスを聴き比べてみるのも楽しいだろう。

 

この曲がステージで披露されたことはまだ無い。

一般的な構成のバラードよりも難易度が高そうなのでRocket Punchの歌唱力の実力が試される場となりそうであるが、初披露の機会があるとすれば次回のファンミーティングになるだろうか。

昨年10月に開催された1stファンミーティング「PUNCH TIME」でデビューアルバム「PINK PUNCH」の収録曲が全て披露されたという経緯があるので、期待して良いだろう。

 

とは言え次回のファンミーティングがいつになるのかなんて予想も付かないのが現実であるが、今はこの曲を聴きながら冬のライラックのように耐え忍ぶしかない。

RED PUNCH - Rocket Punch

リリース日:2020年2月10日

レーベル:woollim entertainment / kakao M

  1. Red Punch
  2. Bouncy
  3. So Solo
  4. Fireworks
  5. 종이별 (Paper Star)
  6. 다시, 봄 (Lilac)
  7. 여자사람친구 (Girl Friend)
昨年8月にwoollim entertainmentからデビューしたROCKET PUNCHの2ndミニアルバム。
2月と言えば韓国でCOVID-19の感染が急速に拡大していった時期であったが、このアルバムはまさにその混沌の真っ只中にリリースされた。
 
せっかくの機会なので、当時の感染拡大状況が韓国の音楽界(というかK-POPファン達)にどう影響を及ぼしていったのかを時系列で振り返ってみたい。
 
最初に状況が変化したのは1月の第5週目、つまり春節(韓国では1月24日~27日)明けである。
当時まだ韓国内で感染は拡大していなかったものの中国での感染拡大を受けて、30日放送のM COUNTDOWNの観覧は入場前の検温と手指消毒、そしてマスク着用という体制が敷かれた。
 
他の音楽番組も当初はこれに追従する予定だったようであるが、翌31日放送のMUSIC BANKが収録現場に観客を入れない旨を急遽通達したのである。
その後全ての音楽番組の収録が無観客で行われるようになり、現在に至っている。
同時に多数の人が集まるイベントについても内容の変更や延期、そして中止が相次ぎ、このアルバムの発売記念ショーケースについても無観客で行われることが開催3日前に発表された。
 
話は変わるが、3月7日にNHK BSで放送されたドキュメンタリー「ザ・ヒューマン 『輝ける場所がここにある~K-POPに挑む女性たち~』」は御覧になっただろうか?
志を抱いて韓国に渡りガールズグループのメンバーとしてデビューした日本人達を取り上げた、興味深い内容の番組である。
この番組ではROCKET PUNCHの高橋朱里も取り上げられ、woollimの練習室で撮影されたインタビューやショーケースのリハーサル風景などが放映された。
つまり番組に携わったスタッフ達も当時の混沌としたソウルを訪問していたわけで、そういう観点でもう一度見てみると面白いかも知れない。
話によるとショーケースの無観客開催は番組スタッフ達にとって想定外だっようで、現地で頭を抱えていたらしい。
結果的に番組は同時期にカムバックしたCHERRY BULLETのメンバーへの取材がメインとなった感があるが、もし予定通りROCKET PUNCHのショーケースが実施されていたら、番組の構成はまた別のものになっていたかもしれない。
 
話を元に戻す。
そんな状況下でもサイン会だけは検温、手指消毒、マスク着用に加えて握手等の接触禁止という管理を徹底した上で継続されていたのであるが、それさえも長くは続かなかった。
次の変化、いや最早とどめを刺されたと言ってしまってもいいかもしれない事態のトリガーとなったのは、2月中旬に大邱広域市で発生した集団感染であった。
ほどなくサイン会も相次いで延期または開催が見送られるようになり、ROCKET PUNCHも活動第2週目の2月23日が最後のサイン会となってしまった。
 
その後「オンラインサイン会」という新たなスタンダードが導入されるのは3月中旬以降となるわけであるが、年末から春節までの期間を避けて2月にカムバックしたグループも多かったわけで、各事務所が想定していなかったであろう損害は計り知れない。
また、実際問題として事態は現在進行中である。
 

前置きが長くなってしまったため、EP.2に続きます!