読売新聞によると、消費税の申告義務がある個人事業者が申告しない事案が全国で横行しているようです。
2023年6月までの1年間の税務調査で、7,615人の無申告者が過去最高となる計198億円を追徴課税されました。
申告義務がないように装うために年間売上高をごまかしたり、故意に申告しなかったりするケースが目立つようです。
国税当局は積極的に調査に乗り出すなどして、警戒を強化しています。
福岡県内の女性ブリーダー(70歳代)は福岡国税局の税務調査を受け、2021年までの7年間で得た所得のうち約9,600万円を申告せず、消費税約1,000万円の納税を意図的に逃れていたとして、2022年に重加算税を含む計約5,300万円を追徴課税されました。
関係者によると、ブリーダーとしての年間売上金額が消費税の納税義務が生じる1,000万円を超えることが想定されましたが、申告がなかったため、同局は調査に着手しました。
女性は当初、「年間売上高は1,000万円以下で消費税の納税義務はない」と説明していました。
出品したペットオークションの運営会社が発行し、犬や猫の売買代金が記された書類などについては「捨てた」と話していました。
このため、同局は女性が出品していたペットオークションやペットショップを運営する会社に対し、女性との取引履歴を確認しました。
その結果、ブリーダー業の年間売上高が1,000万円を超えることを把握しました。
調査結果を基に女性をただしたところ、「納税義務があることを知っていた。売上金額を意図的に少なく申告した」と認め、期限後申告を行いました。
「領収書や請求書などの書類を捨てて、確定申告を行わなければ、税務署にばれないと思った」と、2023年、消費税の無申告などを指摘された長崎県在住の設備工事業の男性(60歳代)は、福岡国税局の税務調査に対し、こう語ったそうです。
関係者によると、2021年までの7年間で得た所得約5,200万円とともに、消費税約1,400万円を申告せず、納税を免れていました。
男性は売り上げや仕入れに関する領収書などの資料を破棄し、納税義務がないように装っていました。
同局の指摘を受け、重加算税を含む計約3,100万円を追徴課税されました。
国税庁によると、2023 年6月までの1年間の税務調査で確認された消費税の無申告者は、全国で7,615人に上りました。
指摘された個人事業者の業種は、ブリーダーのほか、建築業、運送業、飲食業など様々です。
追徴税額は前年度比約1.5倍で過去最高の198億円に膨らみ、1人当たりの平均額も過去最高だった前年度を上回る260万円でした。
追徴税額が増えた背景には、消費税は身近な税で、無申告が相次げば適切に納税する国民の不公平感を招きかねないため、国税当局が監視の目を光らせていることがあります。
2023年10月に始まった消費税のインボイス(適格請求書)制度導入を見据えて調査を強化したとみられ、それが影響した可能性もあります。
福岡国税局管内(福岡、佐賀、長崎各県)では、470人が消費税の無申告を指摘されました。
追徴税額の総額12億8,600万円と、1人当たりの平均額274万円はともに過去最高を更新しました。
同局の担当者は「引き続き適正に課税するため、厳格に対応していきたい」としています。
書類を破棄すればバレないと思っているのがスゴいですね。
どこかのサイトを使っていればサイト運営会社を調べればすぐに分かるでしょうし、反面調査もありますから。
名前が出るとそれまで築き上げてきた信用も一瞬にして失うでしょうし、重加算税を課されるとその後の税務調査の頻度も高くなるでしょうし、青色申告取り消しの可能性もありますから、何もいいことはないですよね。
「領収書や請求書を捨てればばれないと」などと個人事業者7,615人が消費税無申告だったことについて、あなたはどう思われましたか?