日本経済新聞によると、厚生労働省は、先日、従業員の休業手当を支払う企業向けの「雇用調整助成金」について不正受給した企業の公表基準を明らかにしました。
不正分を含めた受給額の合計が100万円以上の場合などは公表対象になりますが、労働局の調査前に自己申告し、返還命令から1か月以内に全額返納した場合などは公表しないようです。
なお、社会保険労務士らが関与した事案は、金額にかかわらず公表するとしました。
同日の労働政策審議会(厚労相の諮問機関)の分科会で公表基準を報告しました。
2023年4月から適用が開始されています。
自主的な申告や返還を申し出やすい仕組みにすることで、不正受給のあぶり出しにつなげます。
雇用調整助成金は新型コロナウイルス禍の2020年から支給要件を緩和し、申請書類の提出を簡素化していました。
支給額は通常1人当たり1日最大8,355円だった上限を、一時は15,000円まで引き上げていました。
2023年3月までに累計で6兆円超の支給が決まっています。
不正受給は2022年12月時点で全国1,221件、約187億円が確認されています。
出勤しているのに休業したと虚偽の申請書類を作成するといった手口が報告されています。
迅速さが要求される中で手続きが簡略化されると、当然、不正受給がでてきますね。
調査前に自主申告すると公表されないとなると、直観的にはそれなりに自主申告する事業者がいらっしゃるのではないかと思います。
雇用調整助成金の不正受給は自己申告なら非公表とすることについて、どう思われましたか?