金融庁がエヌエヌ生命に改善命令! | 体脂肪率4.4%の公認会計士 國村 年のブログ

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日本経済新聞によると、金融庁は、先日、行きすぎた節税が問題となっていた「節税保険」を巡り、エヌエヌ生命保険に対して保険業法に基づく業務改善命令を正式に出しました。 
節税効果を強調するなど保険本来の趣旨から逸脱した募集活動を問題視し、経営体制の見直しを含めたガバナンス(企業統治)の抜本的な強化を求めました。 
 
問題となったのは「名義変更プラン」と呼ばれる商品です。 
法人が契約して保険料を支払い、一定期間後に契約者の名義を法人から個人に切り替えます。 
個人が解約して受け取る返戻金は「一時所得」となり、通常の所得よりも税負担が軽くなるのです。 
 
金融庁は節税効果を過度に強調する営業を組織的に展開していたことは不適切とみて、2022年秋ごろからエヌエヌ生命保険に立ち入り検査に入っていました。 
節税保険を巡る行政処分は2022年7月に業務改善命令を受けたマニュライフ生命保険に続いて2例目となります。 
 
金融庁はエヌエヌ生命保険に対して経営体制の見直しを含めたガバナンスの抜本的な強化に向けた業務改善計画を3月31日までに提出するよう求めました。 
文書では営業部門、コンプライアンス(法令順守)部門、監査部門による3重のリスク管理体制に多数の不備があると指摘しています。 

 

エヌエヌ生命保険は、先日、文書で謝罪し「内部管理態勢の抜本的な強化やコンプライアンスの徹底などに取り組む」としました。

生命保険協会の稲垣精二会長(第一生命保険社長)も同日開いた定例の記者会見で「協会として、顧客本位の業務運営の徹底・強化に努めるよう注意喚起していく」と述べました。

 

節税保険を巡る当局と生命保険会社の「いたちごっこ」は20年以上に及びます。

2010年代後半には大手生保が相次ぎ商品を投入し、中小企業経営者らの需要をとらえて販売が拡大しました。

国税庁は2019年6月に保険料の損金算入方法を大幅に見直す通達を出し、「ドル箱」状態だった中小企業の経営者向け保険にメスを入れました。

 

しかしながら、今度は別の抜け穴をついた「名義変更プラン」と呼ばれる商品がマニュライフ生命保険やエヌエヌ生命保険など一部の生保から登場したました。

 

節税保険を販売すること自体は法令違反ではありません。

それでも万一の事態に備える保険本来の趣旨を逸脱した募集行為を金融庁はかねて問題視してきました。

2022年7月にはマニュライフ生命保険に対して節税保険を巡る業務改善命令を初めて出したのです。

 

今回、同様にエヌエヌ生命保険にも処分を出したことで、組織的に保険本来の趣旨を逸脱した募集を行っていたと判断した場合には厳しい処置を下す姿勢を改めて明確にしました。

エヌエヌ生命保険は中小企業向け法人保険の「一本足打法」のビジネスモデルを続けてきました。

金融庁幹部は「時間をかけて企業風土を根本的に変えていくことが必要だ」と指摘しています。

 
節税をうたわないと保険が売れないような保険会社は、残念でならないですね。 
名義変更プランは、リスクがあると思い扱っていませんが、普通に考えて無理のあるプランですよね。 
早く商品の中身で競い合う業界になって欲しいと思います。 
 
金融庁がエヌエヌ生命に改善命令が出されたことについて、どう思われましたか?