博報堂が子会社の元社員が金券など換金する不正で27億円損失! | 体脂肪率4.4%の公認会計士 國村 年のブログ

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日本経済新聞によると、博報堂DYホールディングスは、先日、子会社で元社員による不正行為があり、2020年4月から12月期連結決算に27億円の特別損失を計上したと発表しました。

元社員は会社名義で購入した金券などを換金し、一部を個人的に使っていました。

同日発表した2020年4月から12月期決算は、純利益が前年同期比71%減の90億円でした。

コロナ禍の広告市況低迷が響いているようです。

 

不正があったのは、広告制作を手がける博報堂プロダクツ(東京都江東区)です。

元社員は2016年から金券や商品券の不正な発注を繰り返し、金券ショップで換金した現金を代金の支払いにあてていました。

2020年12月に発注先からの問い合わせで発覚し、同時点で未払い代金は43億円でした。

換金した16億円は同社で保全しており、差額を発注先に支払うため特別損失を計上しました。

元社員は2021年1月29日付で懲戒解雇しました。

 

博報堂DYは、同日、2021年3月期の純利益が前期比55%減の200億円になりそうだと発表しました。

61%減の175億円としていた従来予想から25億円上方修正しました。

コロナ禍で落ち込んだ広告需要が回復傾向にあることを反映したものとなっています。

 

27億円を織り込んだあとの純利益が200億円ですので、かなりインパクトのある数値ですね。

これほどの金額を横領できる方ですので、それなりの役職の方だと思いますが、内部統制が整備されていないんでしょうね。

他の報道を見ると、まったく金券等を取り扱っていない仕入先から仕入れていたようですが、仕入先もおかしいと思わないのでしょうか?

会社のプレスリリースでは、『業務とは関わりなく行われたことから、当社としては把握することができず、…』とありますが、業務と関係なくても発注できるという状況があるということ自体、問題でしょう。

発覚したのが、発注先からの問い合わせということで、まともな取引先もいますが。

16億円は保全できたということなので、現預金等で置いていたのでしょうが、いったい何に使ったんでしょうかね?

あとは、これに気づかないくらいですから、普段からたくさん無駄使いがあり、結局、広告費などでお客さんが高い金額を負担しているということですね。

 

博報堂が子会社の元社員が金券など換金する不正で27億円損失を計上したことについて、どう思われましたか?