日本郵便のかんぽ不適正販売の「社員大量処分」の杜撰すぎる実態! | 体脂肪率4.4%の公認会計士 國村 年のブログ

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東洋経済によると、9月10日、全国の郵便局にある“指示”が出たようです。

タイトルは、「金融商品の販売時における税制の説明等の対応」です。

指示を出したのは、日本郵便本社の保険販売に関連する3人の部長です。

添付資料の「不適正なケースの具体例」を見て、かんぽ生命保険の契約を媒介してきた日本郵便の社員は思わずのけぞったそうです。

そこに書いてある具体例の多くが、かんぽや日本郵便の本社・支社が最近まで正しいとしてきた話法そのものだったからです。

 

●「相続税が下げられる節税プランをすすめます」は相続税対策ニーズを喚起している

●「相続税を減らせる」は税制の専門的な内容を断定している

●「相続税対策に保険を利用している人が多い」はニーズがない人に提案している

●「無対策で相続税が多くかかった人がいる」は第三者話法を使ってニーズ喚起している

として、不適正だとされました。

 

2018年4月付の研修用資料で、「生前贈与を含む生命保険を活用した相続対策提案」というものがあるようです。

冒頭の指示にある「不適正なケースの具体例」に照らせば、2年半前の多くの話法が不適正だったということになります。

 

「高齢のお客様にアプローチするときに、相続対策としてABA契約をテキストに掲載していた。契約者(子ども・A)、孫(被保険者・B)、契約者(受取人である子ども・A)の関係になる。相続税を大幅に下げる効果はなく、相続対策として有効ではない」。

これは2020年1月23日、北海道支社での社員との対話集会「第3回フロントライン・セッション」での日本郵便の長谷川篤執行役員の発言です。

本社の改革推進部は、「当日、孫と説明しましたが、テキスト上の記載は配偶者(相続人)でした」と当日の議事録「やり取り模様」に注意書きをしている。

しかしながら、東洋経済が入手した「テキスト」、すなわち社外秘の研修資料「かんぽで早めの相続準備」には、「孫」と明記されているようです。

同資料はかんぽが作成し、毎年最新版に更新してきたものです。

資料をめくると「暦年贈与を使って財産承継することも可能です!」と書いたページがあります。

「暦年贈与」とは毎年一定額を生前に贈与することです。

きちんと手続きを踏めば、年間110万円までは基礎控除となります。

そのページには、相続人である子どもが契約者(A)、孫が被契約者(B)、満期保険金の受取人は子ども(A)とする例が書いてあります。

保険料を実際に払うのは子どもの親であり、孫の祖父母に当たる高齢者です。

 

この事例は2018年版にも2019年版にも書いてあるようです。

保険料が年110万円を超えると生前贈与と見なされない。

単なる贈与と見なされ、節税メリットはない。

年110万円を超えなくても、贈与契約書を親子で取り交わしておかないと、生前贈与にはならない。

 

日本郵便は東洋経済の質問状に対して、「過去の研修資料にお客さま本位とは言えない表現が含まれていたことは事実。今後は真のお客さま本位の営業スタイルを募集人全体に浸透させていきたい」「管理者を含む関係者にも厳正に処分を実施しているが今後、不適正募集に直接的に影響した事実が判明した場合は、引き続き厳正に対処する」と回答したようです。

 

この記事では、赤字のことが書いてありますが、生前贈与というのは法律用語ではなく、俗語であり、遺贈とか死因贈与と区別するために使われることばだと思いますので、110万円を境に生前贈与か贈与かが変わるものではありませんので、記事を書いた方も分からずに書いていますね。

別に110万円を超えても、110万円を超える部分に対して贈与税がかかるだけであり、110万円部分には課税されませんので、この部分に関しては節税効果は当然ありますよね。

まぁ、相続とか贈与のことがよく分からず販売していた方もおられると思いますので、かんぽだから安心と思うのではなく、信頼できる方を通じて保険に入ってほしいと思います。

 

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