ソフトクリーム大手日世が10億円の申告漏れ! | 体脂肪率4.4%の公認会計士 國村 年のブログ

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 ソフトクリーム総合メーカー大手の「日世(にっせい)」(本社・大阪府茨木市)を大阪国税局が税務調査し、2017年までの約3年間で約10億円の申告漏れを指摘したことがわかったようです。
 日世が製造マニュアルなどを提供している中国の子会社の所得が、実質的に日世の所得に当たると認定したそうです。
 過少申告加算税などを含む追徴税額は約2億円で、すでに全額納付しています。

 関係者によると、日世は中国の菓子製造の子会社に対して製造マニュアルなどを提供していましたが、対価を受け取っていなかったようです。
 子会社は製造した商品を中国国内の別の子会社を通して顧客に販売しており、日世に技術提供の対価を払っていない分、利益率が高くなっていると国税局は判断しました。
 子会社の売り上げの一部が実質的に日世の売り上げに当たるとし、国内で計上するべき所得を海外に移していたと認定しました。

 国内の会社が海外の関連会社との取引を通じて利益を海外に移し、国内での法人税の支払いを減らすことを防ぐ「移転価格税制」に基づく措置です。
 日世は「子会社の中国でのビジネス力が大きく、現地でコストもかかっていることから、移転価格に当たらないとの認識だった。見解の相違があったが、指摘に従い、修正申告した」としています。

 日世は1947年に商社として創業。戦後、米軍が持ち込んだソフトクリームを、1951年に日本で初めて大阪・梅田の喫茶パーラーで販売しました。
 ソフトクリームに関連するコーンやフリーザーなどの機器も製造する総合メーカーで、国内トップシェアを誇っています。
 ちなみに、2018年の売り上げは約371億円です。

 全国の法人の海外取引での申告漏れは年々増加しています。
 2017事務年度(7月~翌6月)は4,500件(約3,670億円)で、2013事務年度の3,379件(約1,783億円)から金額が倍増しました。
 このうち移転価格税制での申告漏れの指摘は、2017事務年度で178件(約435億円)でした。

 無償でノウハウを海外に提供するというのは厳しいでしょうね。
 すごく技術力があってお店に合ったものを提供できる素晴らしい企業というのをテレビで見たことがあるので、逆に、非常に残念に思います。
 今後は、きちんと移転価格税制の対策をして、海外企業と戦って勝って、海外でのシェアを伸ばしていって欲しいですね。

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