日本は3月決算の会社が多いため、3月末に在庫の実地棚卸を実施する会社も多いでしょう。
何度も実地棚卸について書いていますが、3月末まで1か月を切っていますので、今週は、実地棚卸について書きます。
既に『事前準備』、『当日の作業(Part1)』については書きましたので、3日目の本日は『当日の作業(Part2)』について書きたいと思います。
なお、今週は、以下の内容を予定しています。
① |
事前準備 |
② |
当日の作業(Part1) |
③ |
当日の作業(Part2) |
④ |
当日の作業(Part3) |
⑤ |
後日のフォロー |
それでは、実地棚卸の当日の作業として、何をすれば良いのでしょうか?
当日の流れは、一般的に、以下のようになっています。
A |
実地棚卸の説明 |
B |
棚卸原票を配布し、コントロールシートに配布枚数などを記入 |
C |
在庫をカウントし、棚卸原票に記入 |
D |
立会者のテストカウント及び棚卸原票(正)の回収 |
E |
棚卸集計表による集計及び在庫管理システムへの入力 |
F |
差異分析の実施 |
G |
棚卸原票の回収枚数などをコントロールシートで確認 |
H |
現物または棚に添付された棚卸原票(副)の回収 |
I |
実地棚卸講評会 |
昨日はA~Cについて書きましたので、今日はD~Fを取り上げます。G~Iは明日取り上げる予定です。
D『立会者のテストカウント及び棚卸原票(正)の回収』ですが、立会者が、網羅性(カウントが漏れているものがないか?)と実在性(棚卸原票に記入されているものが実際にあるか?)の観点から、サンプルベースでテストカウントを行います。
カウントミスがなければ、2枚複写の棚卸原票のうち、(正)を剥がして回収します。
一定数もしくは一定率以上のカウントミスがあれば、そのエリアを再カウントすることになります。
E『棚卸集計表による集計及び在庫管理システムへの入力』ですが、回収した棚卸原票(正)をもとに、同じものが複数箇所に保管していることもあるため棚卸集計表で集計のうえ、在庫数量などを在庫管理システムに入力していきます。
F『差異分析の実施』ですが、帳簿上の在庫数量と、カウントに基づく実際の在庫数量とを比較します。
差異が生じているものにつき、再カウントを行ったり、入出庫の記録にモレや誤りがないかを確認するなどして差異分析を実施し、最終的な在庫数量を確定します。
なお、カウントが漏れていたり、カウントミスをすることもあるため、必ずしも、カウントした在庫数量が正しいとは限りませんので、ご留意下さい。
もっと詳しいことを知りたい方は、拙著『誰も教えてくれなかった実地棚卸の実務Q&A』(http://www.amazon.co.jp/dp/4502470309/ )をご覧下さいね。
実地棚卸の当日の作業について、お分かりいただけましたか?