実査・立会・確認 | 体脂肪率4.4%の公認会計士 國村 年のブログ

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 皆さんは、実査・立会・確認ということばをご存じですか?

 公認会計士の独占業務は会計監査ですが、最終的に会社が作成している財務諸表が正しく表示されているという監査意見を述べるために、監査人はその裏づけとなる「十分かつ適切な監査証拠」が必要であり、この監査証拠を入手するための手法として色々な監査手続きがあります。
 その中で、強い証明力が得られる代表的な監査手続が、実査(じっさ)・立会(たちあい)・確認(かくにん)なのです。

 実査とは、監査人自らが現物を実際に確かめる監査手続きです。
 実査の対象となる資産には、現金、預金(預金通帳・預金証書)、受取手形、有価証券(株券など)、ゴルフ会員権などの証書、切手・印紙などがあります。


立会とは、商品・製品・原材料・仕掛品・半製品・貯蔵品などの棚卸資産について、会社が実地棚卸を行う際に監査人が現場に立会い、その実施状況を視察してその妥当性を確かめる監査手続です。
 商品・製品を販売する会社では、少なくとも年1回は工場・お店などに保管されている棚卸資産の数量をカウントし、帳簿上の数量との一致を確かめたり、同時に、品質不良、新製品の発売などで売れなくなった棚卸資産の有無を確認する作業(実地棚卸)を実施しますが、その現場に監査人が立会い、実施状況を把握することを立会というのです。

 確認とは、取引先から文書による回答を求め、勘定残高、取引高または保管数量などについて、実在性・正確性・真実性・網羅性などを検討する監査手続です。
 確認の対象となる項目は、得意先などに対する受取手形・売掛金、貸付金、倉庫業者などに保管されている棚卸資産、金融機関などに対する預金・借入金、仕入先に対する支払手形・買掛金、弁護士に対する偶発債務、リース会社に対するリース債務などです。
 確認状といわれるものを、監査人が債務者などに直接発信し、その回答も監査人が直接入手するのです。

 最近、金融庁が、新たな監査基準である「不正に対応した監査の基準の考え方(案)」を策定するかどうかを検討する企業会計審議会監査部会を開催しましたが、そこで、確認状に対して取引先だけではなく、取引先の監査人の確認を求める内容が書かれています。
 監査人の立場からすれば、普通に考えて無理でしょう。あまりにも監査の実務を知らない人が考えているとしか思えません。
 上場企業ともなりますと、それなりの数の確認状が送られてくると考えられるため、監査時間が必要以上に増加してしまう(ひいては、監査報酬がアップしてしまう)こと、毎月末の残高を監査しているわけではないこと、必要以上に監査人の責任が増すことなどから、あまり有益だとは考えられませんね。


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