日本経済新聞によると、新たなリース会計基準では賃貸借契約を結んでいなくてもリース取引の会計処理が必要になるものがあります。
アメリカの大リーグ球場の看板広告や自動車部品の金型に至るまで多岐にわたります。
企業の担当者は監査法人と協議しながら対応を進めています。
「大リーグ球場などの看板広告で特定の場所を長期間占有して掲示している場合、契約料金が高いと新リース会計基準の資産・負債計上(オンバランス)の対象になり得る」と、あずさ監査法人の山本勝一パートナーは賃貸借契約でなくてもリース取引にあたる可能性があると解説しています。
大谷翔平選手らの活躍でメジャーの球場に広告を出す企業は相次いでいます。
費用計上と思っていたらオンバランスが必要だった、こうしたケースは「隠れリース」や「実質リース」と呼ばれています。
自社に所有権がなくても専用に使っている設備は実質的に借りているとみなされるためで、契約上は業務委託や使用料の支払いとなっていることが多くなっています。
「隠れ(実質)リース」はある程度、類型化されています。
代表例が金型です。
自動車や機械メーカーなどが部品メーカーに自社製品の規格に沿ったものを依頼する場合、部品メーカーはこの金型はほかの製品に使えません。
取引の実態としてメーカーが金型を借りているとみなされるケースがあります。
完成車メーカーで日本基準を採用するマツダは、実質リースの洗い出しのため、伝票起票の担当者向けに説明会を開催し、過去1年間の取引全件についてリースが含まれていないか調査しました。
可能性のある取引については契約書や注文書の確認を進めています。

物流業務の委託契約も物流センター内に自社専用のスペースがある場合は会計上、リースとなる場合があります。
他社の物品と混在しているなら専用とはいえずリースにはあたりません。
経理担当者は契約内容だけでなく、委託先の物流センター内の実態を踏まえた判断が必要になります。
鉄道会社が河川に橋を架けた際に、自治体に払う河川占用料も会計上はリースになります。
東京都の条例では23区内の鉄道橋は1平方メートル当たり年1,242〜8,243円です。
東急電鉄の親会社、東急は河川占用料をオンバランスする方針だそうです。
新リース会計基準の適用にあたっては対象の取引を確定させるだけでなく、期間も定める必要があります。
基準では借り手が解約できない期間だけでなく「延長することが合理的に確実」とみなせる期間も考慮する必要があり、契約年数を単純に当てはめるだけでは不十分です。
大東建託は土地の所有者が建てたアパートを借り受け、賃貸住宅として入居者に貸しています。
現在はオペレーティングリース取引として所有者に支払う賃料を費用計上している。契約開始から10年間は賃料固定のため所有者側が解約しないのが大半です。
そのため、同様の期間でリース計上額を見積もることを軸に「監査法人と協議をしている」そうです。
複雑な判断が必要な新リース会計基準に対して企業からは不満の声がないわけではありません。
日本の会計基準は国際会計基準とのコンバージェンス(共通化)を進めてきました。
新リース会計基準はその総仕上げでもあります。
世界の企業との比較可能性を高め、日本の株式市場に投資マネーを呼び込むために乗り越えなくてはならない壁といえるでしょう。
看板や金型や鉄道橋の河川占用料や一括借り上げもリース取引となると、企業も事務的な処理も大変ですし、頑張って自己資本比率を高めてきたのに一瞬にして下がってしまいますので、株価も下がってしまうでしょう。
せっかく株価がこれだけ上がってきているのに、会計のルールが足かせとならないといいなぁと思います。
大リーグ看板や金型も東急の鉄道橋の河川占用料も資産でリース取引になることについて、あなたはどう思われましたか?




