2024年1月21日に開催された今回の研究集会。オンデマンド参加のまとめPart2です。


(前半の投稿はこちら↓)




🟡特別な興味関心は生きていくのに大切な要素


特別な興味関心を通して世界を知っていく...ということ以外にも、「好きなこと」は生きていくのにとても大切な要素だと言われています。


・特別な興味関心のある人は余暇活動が充実していて満足度が高い


余暇活動はとても大切です。自由に好きなことをして充電したり、リフレッシュしてストレスを解消したりします。行動や活動のレパートリーを増やすことはQOLの向上に大切であるとも言われています。


発達に特性のある人は、何もやることがない空白の時間があると、常同行動や自傷・他害行動などの問題行動を起こしやすかったり、睡眠時間が不規則になったり(やることがなくて寝る)、食べてばかり(食べること以外にすることがない)で肥満につながったりするなどの不健康な生活につながりやすいことが報告されています。


好きなことから興味関心を広げ、余暇活動のバリエーションを増やすことは、豊かな生活を送るだけでなく、問題行動を起こしにくくすることにも役立ちます。


🟡非認知能力への注目


知的な能力もさることながら、それ以外の「非認知能力」も非常に大切


さまざまな検査で知的レベルなどを測ることは、ある程度できるかもしれないです。しかし、生きていくためにはそれ以外の力も必要です。例えば、意欲、感情コントロール、計画を立てて実行する力、粘り強く取り組む力、レジリエンス(逆境をしなやかに生き延びる力・ストレス耐性)などです。


臨床現場にいると、発達検査の結果はそれほど高くなくても、とても適応がよく、学習意欲も高く、学習も学校の進度で進められているお子さんと接する機会があります。健康管理もできていて、だいたいいつも元気です。学校にも毎日通えています。


なので、生きていくには知的能力で測れない非認知能力がとても大事なのではないか、と思うのです。


🟡子どものQOL


医療や福祉の世界では「QOL (Quality of life クオリティ オブ ライフ=生活の質)」はとても大切にされます。それと同じで、子どもたちにもQOLは大事です。


・できないことにずっと取り組まされる

・苦手なことを強要される

・叱られてばかりいる

・やりたいことをやる時間がない ...などなど


これでは子どものQOLは下がってきます。


そうなると...


・元気をなくす

・問題行動を起こす


...など心配な状況に陥ります。


ウェルビーイング(Well Being)を目指して、今わたしたちができることは何なのか、もう一度考えてみる必要があるかもしれません。


基調講演をされた東京学芸大学の上野一彦先生がおっしゃっていた言葉。


🔸このLD学会が子どもたちの役に立つように

🔸大切なのは、目の前の子どもに何ができるか


今一度この言葉を胸に、今後も自分のできることを精一杯取り組んでいきたいと思います。