新こうぞを 宅配便のおにいさんが 工房入口に運んでくれました

こうぞの長さ75センチ 直径45センチ 1束15キロ 重い

トラックと入口の往復は まるで運動部の部活を見るようでした

茨城県から届いた大子那須楮(だいごなすこうぞ)

この楮の特長は 楮の中でもきめが細かく 上品な艶のある紙が漉けること

そして白皮処理(楮の黒皮部分を削り白皮にする作業)が実に丁寧になされています

この束自体が作品と言ってもいいくらいです

 

並んだ楮を見て その切り口を見て

しばらく立ちつくしていました

これを仕上げるまでに

農家さんのどれだけの労力と時間がかかっているんだろう

大切に使わなきゃな

ずっしり と責任を感じたところです

 

 


 

青い空 さわやかな風 ホトトギス鳴く

そして山は青々と鮮やか

紙を干すには一番いい気候かも

 

1枚の板に片面2枚ずつ貼り 外へ出し乾かします

左の干し板は薄美濃紙を貼った直後

右はその前に貼ったもの もう乾き始めています

 

紙を貼って 板を出して ひっくり返して 板を取り込む

紙をはがして また貼って・・・

晴れた日は大忙し

 

いっつもこんな日やったらええんやけどなあ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

新簀をおろしました

新しい物のことを 美濃では「あら」と言います

簀(す)とは 紙を漉く道具のひとつで 

細く仕立てた竹ひごを 絹糸で編んだもの

簀の上に 紙の繊維がのっています

 

竹ひごや絹糸を作るのも もちろんこれを編むのも 職人さんの手仕事

3㎝のなかに32本の竹ひご

まさに カミワザ だと思いませんか

 

簀の表情が 紙にそのまま映るので

むらや歪みといった狂いがあってはいけません

整然と規則正しく編まれた簀があるから きれいな紙が漉いていけます

 

立派な手仕事に感謝します 宝物です

 

 

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