新簀をおろしました

新しい物のことを 美濃では「あら」と言います

簀(す)とは 紙を漉く道具のひとつで 

細く仕立てた竹ひごを 絹糸で編んだもの

簀の上に 紙の繊維がのっています

 

竹ひごや絹糸を作るのも もちろんこれを編むのも 職人さんの手仕事

3㎝のなかに32本の竹ひご

まさに カミワザ だと思いませんか

 

簀の表情が 紙にそのまま映るので

むらや歪みといった狂いがあってはいけません

整然と規則正しく編まれた簀があるから きれいな紙が漉いていけます

 

立派な手仕事に感謝します 宝物です

 

 

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昨日は 白い雲のあるものの青空

紙を干していたら

強い風にのって急に小雪が舞いだした

慌ててひさしの下に 板を入れる

 

今朝は 霜が降りる寒さ

天気予報では 午後から明々後日にかけて下り坂

何とか午前中に干し終えたい

幸い すっきりと晴れ

しゃかりきになって干す

天気が何よりで 天気によってスケジュールが決まります

お天道様に従って 仕事をしています

茨城県久慈郡大子町 大子那須楮(だいごなすこうぞ)の産地です

ここのこうぞはとても上質な和紙になります

こうぞ原木から白皮になるまでを見学体験してきました

 

こうぞを蒸す こうぞ原木を桶に入るように並べる

 

桶をかぶせ火をたく 炎はものすごい勢い

十分に蒸す 1日に7回も行うハードワーク!

 

蒸し上がったホカホカのこうぞ 冷めないように布をかぶせる

あったかいほうが皮をむきやすい

 

皆で一斉に皮をむく 黒い皮と白い芯にわける

 

表皮とりをされるお宅へ運ばれるこうぞの皮

 

表皮とり 一本一本巧みな手さばきで黒い部分を削る

見ていると実に簡単そうになめらかに早くめくれていく

みとれてしまった

しかし私が実際に体験したときには黒皮が筋になって残り

何度も包丁を行き来させることになり時間がかかった

 

見事な白皮 日差しを十分にあびて乾かされる

 

この白皮になるまでにも

どれだけの人の手をくぐるのか

どれだけ手間がかかっていることか

 

いい人づきあいや 仲間どうしの協力と連携ができていないと

いいモノづくりはできない

 

飛びかう方言 なごやかな雰囲気 黙々と行われる作業

見学の最後に 空に向かって花開いた福寿草をみつけ

何かわからないけど何かを受け止めた そんな実感を得ました

 

 

 

 

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