美濃こうぞ 皮むきのお手伝いをしました

皮のうち 白い内皮が和紙の原料となります

今年もしっかりと成長し いいかんじです

 

むいた日は小雨だったため 室内干し

 

晴れた日に 日光と風で カラカラに乾かす

 

今年の夏は酷暑が続きました

そんな中でも こうぞ組合の方々は

早朝そして夕方に(それでも暑かった)

草刈りや芽かきを丹念にやられていたそうです

モノができる 陰の苦労も知っておかなければ

 

美濃こうぞで漉いた紙です

きれいな繊維です

 

 

 

 

今年も立派なトロロアオイです

この根っこは紙漉きに欠かせないしろもの

これをつぶして、水を加えてかきまぜると

とろーっとした粘液がでてくるのです

 

紙漉きの際、この粘液を加えますと

こうぞと水がきれいに混じりあい

簀桁をゆらして紙を形づくることができるのです

この植物なくしては、仕事ができません

 

トロロアオイを運んでくれた大きなトラックには

これから各産地で配られる数百箱が

ぎっしりと積み込んでありました

紙漉きに必須のしろもの 年に一度の入荷

運搬は責任重大です

 

トラックのお兄ちゃんありがとう

もちろんトロロアオイ農家さんありがとうございます

 

 

 

 

 

 

 

 

やっと朝夕涼しくなり 紙漉きにいい季節になってきました

それでも昼間の外は30℃近くあり クーラーをつけ漉いています

人間よりも紙のため

漉き舟のネリが消えないように

漉いた紙が傷まないように

 

 

薄美濃紙の感覚が戻ってきました

白い紙料がきっちりと積みあがっていく心地よさ

早く干したいな

そのためには漉かねば などと考えながら漉桁を動かしています

 

静かな夜に突如 ピヨーーーーーーン と高い音が響き

笛の音?警報?

いやいや鹿の声です

この声を聞くといつも思い浮かぶのは

「奥山に 紅葉踏み分け 鳴く鹿の 声聞く時ぞ 秋はかなしき」

 

肌寒くなってきた秋の闇に響く声は 物悲しいですが

恋鹿を求めて鳴く胸の内は 熱く燃えていることでしょう