チュチュと口を鳴らせば縁の下から飛んで来てエサをねだっていた野良猫。
だからそのままチュチュと言う名前になったがエサを食べ終わったらゴロンと私の足元で横になり、お腹撫でてと催促するほど人に慣れていた。
ある日、チュチュのお気に入りの玄関先の椅子の周りに与えたことのないエサやジャコが散らばっていた。
きっと、また近所の猫好きが与えたのだろうと思った。
しかし、その日、チュチュは姿を見せず、どこかを散歩でもしてるのかなと気にもしなかった。翌日も、その次の日もチュチュと呼んでも姿を現さなかった。縁の下に敷いていた毛布の中で睡ってないか見たけれど姿は無し。
野良猫なのに人にとても慣れていたチュチュなので、道行く人からエサを貰うこともあった。首を掴んで持ち上げても暴れず、じっとしているぐらいだから盗まれたに違いないと母が言うが果たして…。
チュチュが居なくなって2ヶ月が経った頃、また裏庭に別の猫が現れる様になった。何となく、ここで産まれたチュチュの兄弟の様な気がする。
朝7時頃になるとクーラーの室外機の上で横になり毛づくろいしている。
母がエサをやる様に促すので竹輪を小さく切って投げると最初は驚いて逃げたが10日もすると少しずつ近寄って来て警戒しつつも食べる様になった。
それから1ヶ月もすると私の姿を見ると室外機から飛び降り、エサ皿の方に走り寄る様になった。そして此頃は、子猫がエサをねだるような甘えた声を出して私を呼ぶ様になった。この猫も耳に切り込みがあり、きっと地域猫として誰かにエサを貰っている野良だろう。
夜は、どこかで寝て朝ご飯を我が家で摂り終えると、すぐに次の訪問先(?)へと塀を乗り越えて出て行く。
さすがに雨の日は姿を見せず、年老いた母も雨が降り続くと気に掛けて外を眺めている。
チュチュの様に人に慣れるまで、まだまだ時間が掛かりそうだが2代目チュチュの出現に心安らぐひとときを楽しんでいる。
暫く買ってなかった、ちょっと高めのキャットフードを用意して朝の訪問を母と共に待っている。
明日は雨が降りません様に。