#鮮明になった対立軸
日本が警戒すべきは何か?
国籍と国家観の論点
GWも終わり、いつもの日常が戻った今週ですが、あっという間に1日が過ぎた感じで、気が付けばもう週末という感覚です。
こんにちは、中島でございます。
1日1日がとても早く過ぎ、2026年も、もう半分近くが終わろうとしています。
今に始まったことではないですが、時間ばかりが速く過ぎ、齢ばかりが多くなる・・・・・・・あっ、ネガティブ思考はダメですよね。
『元気になるようなブログを書くぞ』とデスクに向かったものの、目に留まったのは政治ネタ
ということで、今日のブログは政治ネタなので、私の長い独り言だと思って読んでください。
「国力研究会」と「菜の花議員連盟」
政界再編の足音、保守層が見るべき6つの注目点
高市早苗政権が永田町に誕生して早6ヵ月が過ぎた。
外国人問題、外交については、先の衆議院選挙の公約を守る形で、粛々と進められ、一定の効果を見せている。
外国人問題については、この30年の膿出し作業なので、即効性のあるものと、この先数年後に効果が表れるもに分かれるが、不法滞在者が減少し、無秩序だったビザが厳格化されたことは喜ばしいことだ。
外交についても、オールドメディアは相変わらずだが、イラク情勢への対応、レアアース問題など、日本経済の支えに対する対応も行う一方で、隣国2ケ国への対応についても個人的には評価している。
そんな中、永田町に大きな動きがあった。
麻生太郎副総裁を中心とする「国力研究会」が5月7日に新しい会を発足した。
高市総理を支持する今日な会なので、事実上は「高市派だ」と言われている論者もいる。
一方で、石破茂前総理が会長を務める超党派「菜の花議員連盟」が、これより前の5月4日、長野県で初の「現地総会」を開いた。
表向きは政策研究と地域振興。
だがその裏で、自民党は静かに、しかし確実に、二つの引力に引き裂かれつつある。
これは単なる議連の話ではない。
2028年参院選までの3年間「日本の保守はどこへ向かうのか」その分水嶺を、私たちは今目撃しているとしたら・・・・・。
そこで今日のブログでは、保守を自任する個人の視点から、この二つの議連誕生が示す政界再編の輪郭を、6つの注目点に分けて読み解いてみた。
1. 国力研究会の戦略的意味
なぜ「今」、麻生×小泉なのか
「国力」という二文字に、麻生太郎は何を込めたのか。
2026年5月7日、自民党の麻生太郎副総裁を中心とする議員グループ「国力研究会」が発足した。
複数の党関係者によれば、発起人には麻生氏のほか、西村康稔選対委員長、松山政司参院議員会長、そして昨年(2025年)の自民党総裁選で高市早苗氏と争った小泉進次郎防衛大臣、小林鷹之政調会長、さらに茂木敏充外務大臣までもが名を連ねる。
表向きは「政府・与党で連携しながら高市政権が掲げる政策を推進する」ことが目的とされ、初回講師には米国のグラス駐日大使が招かれる予定だ。
発足当日、自民党所属の全国会議員に参加が呼びかけられたと報じられている(産経新聞、2026年5月7日付)。
ここで注目すべきは、発起人の顔ぶれである。
麻生氏は言わずと知れた党内最古参の重鎮であり、旧麻生派の継承勢力を実質的に束ねる存在だ。
一方、小泉進次郎、小林鷹之、茂木敏充の三人は、2025年総裁選で高市氏と直接覇権を争ったライバルである。
総裁選で敗れた者が、勝者を支える議連の発起人に名を連ねる。
これは政治的には極めて異例で、同時に極めて雄弁である。
要するに国力研究会は、「高市政権を倒したい者」と「高市政権を守りたい者」を、同じテーブルに着かせる装置と言える。
麻生氏は、総裁選で割れた党内をいったん「政策研究」という名目の傘の下にまとめ直し、外(石破系・中道改革連合・新党)に流出する勢力を最小化しようとしていると考える。
これは挙党体制の構築という古典的な手法だが、同時にライバルを取り込むことで、彼らが反高市の旗印を立てる芽を摘む、という防御的な意味合いも併せ持つ。
「国力」というネーミングそのものも、極めて戦略的だ。
経済力、軍事力、外交力、人口動態、エネルギー安全保障
これらを総合した概念としての「国力」は、保守の伝統的な語彙そのものである。経済産業政策、防衛、エネルギー、対米関係、これらを横串で語れる枠組みを用意することで、麻生氏は「高市政権の政策=党の総意」という構図を演出している。初回講師にグラス駐日大使を招くのも偶然ではない。これは「対米連携を、高市政権下でも揺るがさない」という外向きのシグナルであり、同時に、安倍晋三元総理が築いた日米同盟路線を継承するという党内向けのメッセージでもあると受け取れる。
しかし、見落としてはならないのは、この国力研究会が「高市政権の永続的支柱」になるとは限らないという点かも知れない。
それは何故か?
まず第一に麻生氏は83歳という年齢であり、彼の指導力がいつまで続くかは不透明である点だろう。仮に麻生氏が政界から退くか、健康上の理由で動けなくなれば、この議連の重心は一気に小泉氏か小林氏に移る可能性が高くなり、そのとき国力研究会は「高市支持グループ」から「ポスト高市の覇権争いの場」に変質するリスクを秘めているからだ。
●重要ポイント
「国力研究会」を高市政権の砦として見るべきか、それとも、ポスト高市時代の権力闘争の前哨戦として見るべきか。麻生氏の老獪さは、両方を同時に成立させている。だからこそ、この議連の動向を、額面通りには受け取れないのも事実だ。発起人リストの一人一人が、何を考え、何を狙っているのかを冷静に見極めることが大切かもしれない。
2. 菜の花議員連盟の「再起動」
石破前総理の地方からの逆襲なのか
2002年から眠っていた議連が、なぜ今、目を覚ましたのか。
「菜の花議員連盟」は、2002年に設立された超党派の議員連盟である。
当初の目的は、休耕田などに菜の花を植え、その種からバイオディーゼル燃料を採取し、地域循環型エネルギーと農村振興を結びつけるという、極めて穏やかな政策研究にあった。
会員は2025年12月時点で衆議院20名、参議院9名の計29名。
会長は石破茂前総理、幹事長は篠原孝前衆院議員(中道改革連合)、事務局長は梅谷守氏である。
ところが2026年5月4日、この議連が初めての「現地総会」を、長野県中野市の高野辰之記念館で開催した。
高野辰之といえば、童謡「ふるさと」「朧月夜」「春の小川」「もみじ」の作詞者である。
日本人の心の原風景を歌った詩人の記念館で、超党派議連が総会を開く——その絵柄だけで、政治的メッセージは雄弁と言える。
総会には石破氏のほか、幹事長の篠原孝氏、副会長を務める日本維新の会の猪瀬直樹参院幹事長らが出席。
猪瀬氏は「ふるさとを創った男」と題する記念講演を行った。
さらに翌日、長野駅前のホテルで石破氏と猪瀬氏の対談形式の講演会が開催され、約600人が参加。石破氏は「先の大戦の教訓を踏まえて自衛隊を憲法に明記し、政府の統制下に明確に位置付ける必要性」を訴えた(産経新聞、2026年5月5日付)。
ここで注目すべきは、二つの点である。
第一に
この講演会は「中道改革連合」(立憲民主党と公明党が結成した新会派)の篠原孝氏の事務所が主催し、運営費も篠原氏の政治活動費から拠出されたという事実だ。篠原氏は2026年2月の衆院選長野1区で自民党の若林健太衆院議員に敗れ落選、政界を引退している。にもかかわらず、自民党の前総裁である石破氏が、自民党候補の対抗馬だった人物が主催する講演会に登壇した——この一点をもって、自民党内からは「党規違反だ」「利敵行為ではないか」との声が上がっている。
第二に
菜の花議連には今回、篠原氏を破った若林健太氏自身も加入しているという事実だ。さらに同じ長野県の井出庸生衆院議員(長野3区)も議連の催しに出席している。つまり石破氏は、長野という地で、自民党と中道改革連合の議員を、超党派の傘の下で同席させることに成功している。古典を踏まえると、これは単なる地域政策研究会ではなく、政界再編の触媒装置であると考えるのが普通だろう。
石破氏は周囲に「仁義は切っている」と語り、特定候補を利する意図はないと説明している。だが、政治の世界において「絵柄」は意図を超えた影響力を持つ。
長野駅前のホテルに600人を集め、超党派で「自衛隊の憲法明記」を語る前総理の姿は、保守層にとっても中道層にとっても、ある種の希望と不安の両方を喚起する。
希望は「右と左の対話の可能性」、不安は「自民党分裂の予兆」である。
そしてもう一つ重要なのは、長野県中野市・飯山市という選定地の象徴性だ。
高野辰之の「ふるさと」が描く農村風景は、戦後保守の原点でもある。「兎追ひしかの山、小鮒釣りしかの川」——この情景に強く反応するのは、実は左派ではなく、保守層の心情である。
石破氏は、保守層が大切にしてきた「ふるさと」という記号を、超党派の場に持ち込んだことは、高市政権が掲げる「経済安全保障」「国力」といった硬質な保守の語彙とは、明らかに異なる種類の保守言語でもある。
●重要ポイント
私たちにとって「保守」とは、麻生・高市が掲げる「国力」なのか、それとも石破が訪れた「ふるさと」なのか。両方が保守の言葉である。だからこそ、この分裂は深い。菜の花議連の再起動は、石破氏が地方の小さな会場から、保守の語彙そのものを取り戻そうとする戦いの始まりとなるのか注目が集まるところだ。

3. 右派と左派の地殻変動
自民党内の二極化と中道改革連合の登場
「自民党 vs 野党」という構図は、もう古い。
2026年初頭の衆院選で自民党が歴史的大勝を収め、高市早苗首相が永田町を制圧した。
その結果として何が起きたか。
表面的には「一強体制の確立」だが、政治の地下水脈ではむしろ逆のことが起こっている——与党と野党の境界線が、これまでにないほど流動化しているのだ。
第一の地殻変動は
立憲民主党と公明党による「中道改革連合」の結成である。長年与党の一角を占めてきた公明党が、立憲民主党と組んで新たな会派を立ち上げた事実は、戦後政治史的にも極めて異例である。これは公明党が「保守政権との連立では支持母体(創価学会)の票が守れない」と判断した結果であり、同時に、立憲民主党側の「中道路線への回帰」と利害が一致した結果でもある。中道改革連合の結成は、保守層から見れば「敵が一つにまとまった」のではなく、むしろ「敵の中の敵が、味方になり得る空間が生まれた」と読むべきである。なぜなら、中道改革連合の中には、安全保障や憲法問題で必ずしも左派的とは言えない議員が含まれているからだ。
第二の地殻変動は
自民党内部の二極化である。国力研究会(高市派)と菜の花議員連盟(石破系)は、表面上は前者が政策研究グループ、後者が超党派の地域政策議連だが、機能的に見れば、自民党を二つに割る軸として作動し始めている。高市政権を「全力で支える」と公言する麻生・小泉・小林・茂木・西村・松山らに対し、石破氏は地方の講演会で自衛隊の憲法明記を語りながら、中道改革連合の引退議員と公然と並んで写真に収まる。これは事実上の「内部野党」の宣言と読むこともできる。
第三の地殻変動は
日本維新の会の立ち位置の変化である。猪瀬直樹参院幹事長が菜の花議連の副会長を務め、石破氏と並んで講演する姿は、維新が「対自民の野党」から「保守の中の対抗軸」へと位置を移しつつあることを示す。維新は元々、自民党よりも改憲・規制改革に積極的な側面を持ち、保守層の一部から「もう一つの保守」として支持されてきた。その維新が石破系と接近している事実は、保守の票田が複数の選択肢に分散する局面に入ったことを意味する。
ここで保守層が冷静に整理すべきは、「敵と味方」の地図が、もはや単純な与野党図では描けない、ということだ。整理するならこうなる——
- A群(高市・麻生・小泉・小林):経済安全保障、対米同盟、憲法改正に積極的。エネルギーは原発回帰寄り。「国力」を旗印にする硬質な保守。
- B群(石破・篠原・梅谷・猪瀬):自衛隊の憲法明記には賛成だが、農業・地方・環境を重視。エネルギーは再エネ・地域分散寄り。「ふるさと」を旗印にする牧歌的な保守。
- C群(中道改革連合の旧立憲・旧公明):基本的には改憲反対、福祉重視。だがB群と接近する局面が増えている。
- D群(維新の一部):規制改革・地方分権・改憲に積極的。A群とB群の両方と部分的に組める。
保守層の票は、このA・B・Dのどこに流れるか、もはや一様ではない。
例えば「靖国公式参拝賛成、原発推進、対中強硬」を支持する有権者は迷わずA群に向かう。
一方で「農業・地方・伝統的な日本の風景を守りたい、戦争には慎重であってほしい」と考える有権者は、B群に親和性を感じる可能性が高い。
同じ「保守」と自認する人々が、別々の議連を支持する現象が、これから加速する。
●重要ポイント
私たちは、自分自身がA群保守なのか、B群保守なのか、それとも両方の要素を持つハイブリッドなのか、自問する必要がある。「保守」という単語が、もはや一枚岩ではなくなった時代に、私たちは自分の立ち位置を、自分の言葉で説明できなければならない。
4. 政界再編シナリオ
「9条政局」と新党結成の可能性
3年間、選挙がない。だからこそ、水面下の動きが激しくなる。
高市政権にとって最大の追い風は、2028年参院選まで国政選挙がないことである。
衆議院は2026年1月に総選挙を経たばかりで、参議院も2025年改選を終えている。
つまり高市氏は、向こう3年間、選挙の洗礼を受けずに政権運営ができる。
これは1990年代以降の日本政治では、極めて珍しい安定期である。
しかし、選挙がないということは、有権者の審判から逃げられるということではなく、むしろ逆と捉えることができる。
政治家たちは、3年後の選挙までに自分のポジションを固める必要があり、そのために今こそが最も激しい再編の時期となる。
国力研究会と菜の花議連の同時期発足は、まさにこの「選挙のない3年間」をどう使うかという戦略の現れである。
最大の焦点は「9条政局」、すなわち憲法改正論議の本格化である。
石破氏が長野講演で「自衛隊を憲法に明記し、政府の統制下に明確に位置付ける」と訴えたのは、単なる政策論ではなく、政治的な踏み絵を示したと読むべきだ。
もし高市政権が憲法改正発議に動けば、自民党は二つに割れる可能性がある。
なぜなら、高市氏が想定する改憲は「9条改正+緊急事態条項」のフルパッケージである一方、石破氏は「自衛隊明記のみの限定改憲」を志向しているからだ。
両者は同じ「改憲派」でありながら、その内容も手順も異なる。
ここで現実的な再編シナリオを3つ整理してみる。
シナリオA:高市政権長期化、自民党は割れない
高市氏が経済政策(特に積極財政と賃上げ)で実績を出し、外交(特に対米・対中)で安定運営に成功した場合、国力研究会が党内主流派として固まり、石破系は周辺化される。菜の花議連は地域政策議連の枠に留まり、政治的な影響力は限定的になる。保守層にとっては「高市カラーの自民党」が定着するシナリオ。
シナリオB:高市政権が失速、石破系が反撃
高市氏が経済失速や外交失敗(特に対米関係の不協和音)に見舞われ、支持率が30%台に落ちた場合、石破系が「我々がオルタナティブだ」と動き出す。この時、菜の花議連の超党派人脈(猪瀬=維新、梅谷=旧立憲系)が活きてくる。場合によっては石破氏が自民党を離党し、維新の一部・中道改革連合の一部と組んで新党を結成するシナリオも視野に入る。
シナリオC:「9条政局」で大爆発
高市政権が憲法改正発議に踏み切り、その内容が石破系の許容範囲を超えた場合(例:緊急事態条項に強権的な要素が含まれる)、自民党内で大規模な分裂が起こる。この場合、石破氏が10〜30人の議員を引き連れて離党し、中道改革連合・維新の一部と合流する大型再編が現実化する。保守層にとっては最悪の混乱期のようだが、逆に考えると、保守の語彙を巡る大論争の好機でもある。
私の現時点での見立ては、シナリオAとBの中間が最も蓋然性が高いと感じている。
高市政権は当面安定するが、2027年後半から憲法改正論議が本格化し、その過程で自民党内の亀裂が表面化する。
石破氏は離党まではしないが、菜の花議連を拠点に「内なる対抗勢力」として影響力を保ち続けるのではないか?
そして2028年参院選が、この対立を有権者の審判を仰ぐ場となるのか?
加えて見落とせないのが、「高市と政策が近い保守政党」の存在である。
日本保守党、参政党といった既存の保守新党は、もし自民党がB寄りに傾いた場合、A群の票を吸収する潜在力を持つ。
逆に、高市政権が長期化すれば、これらの政党は埋没することも考えられる。
新党結成の可能性は、自民党内の力学だけでなく、外部の保守新党の動向とも連動している。
●重要ポイント
私たちは「3年間、選挙がない」ことを、安定と見るか、無責任の温床と見るか。本当の戦いは、選挙のないこの3年間にこそ繰り広げられている。新党、離党、再編——これらが現実化する時、私たちはどの旗の下に立つのか。今から、その時への準備をのために中止することが求められる。

最も重要なポイントはこれではないだろうか?
5. 国籍と国家観
「国力」というネーミングが投げかける問い
「国を愛する者」は誰か。
国力研究会の「国力」というネーミングは、保守層の琴線に強く触れる言葉である。
経済力、軍事力、技術力、人口、エネルギー、外交——これらを総合した国家としての総合力を高めようという志は、戦後日本が長く忘れていた語彙であり、その復活自体は歓迎すべきことだ。
しかし同時に、この語彙は、より繊細な問題を浮上させる。
すなわち、「国力を担う者」とは誰か、という根本的な問いである。
近年、保守層の一部から、国会議員の出自・国籍に関する関心が高まっていることは事実である。
SNSやネットメディアでは、特定議員の帰化歴や家系を巡る議論が頻繁に行われている。
ここで誰がという点については、事実関係の確認なしに個人を貶める行為であり、保守の品位を損なう行為なので、ここで特定の議員を名指しで論じることはしない。
だが、制度論としての「議員の出自開示」「国籍開示」を巡る議論そのものは、避けて通れないテーマではないか。
現行制度上、日本では国会議員になるために日本国籍を有することが必要だが、帰化した時期や元の国籍、二重国籍の有無などについては、本人が自発的に開示しない限り、有権者が知ることはできない。
これに対して国民の一部からは、「公職に就く者は、自らの背景を有権者に開示すべきではないか」という主張が出ている。
なぜかという議論は、いくつかの論点に整理できる。
論点1:国家観の継承性
国会議員は、国家の重要な意思決定に関わる。その人物が、戦後日本の歴史、戦没者慰霊、靖国神社、皇室、国旗・国歌などについて、どのような価値観を持っているか。これは政策の前提となる「国家観」の問題であり、出自そのものよりも「価値観の表明」が重要である。出自に関わらず、日本の歴史と伝統を尊重する人物であれば、保守層は受け入れるべきである。逆に、日本生まれであっても日本の国家観を否定する人物は、保守の支持には値しない。
論点2:情報公開の制度設計
仮に「議員は出自を開示すべき」という方向で制度設計を進めるなら、それは差別ではなく、有権者に対する説明責任の一環として位置づけられる必要がある。同時に、開示の範囲と強制力をどう設計するかは、慎重な議論が必要である。プライバシー権との兼ね合い、人種差別との境界線——これらを丁寧に整理せずに制度化すれば、かえって保守の言論空間を狭めることになる。
論点3:「国力」の定義に外国人材は含まれるか
高市政権が推進する経済安全保障や半導体産業、介護・農業分野での外国人材活用は、いずれも「国力」の一部を成す。狭量な排外主義に陥れば、日本経済は確実に縮小する。一方で、無秩序な移民受け入れが治安・社会保障に与える負荷も無視できない。「国力」というネーミングを掲げる以上、国力研究会には、この難題に正面から答える責務がある。
ここで保守層が陥ってはならないのは、出自や国籍を理由とした個人攻撃である。
それは保守の品位を貶め、左派からの「保守=差別主義」というレッテルに正当性を与えてしまう。
健全な保守は、価値観と政策で議員を判断するべきであり、出自で判断するべきではない。
しかし、「価値観の開示を求めること」は、出自による差別とは異なり、靖国参拝への態度、皇室観、歴史認識、対中・対韓政策——これらの公的見解を有権者にきちんと説明させること、それこそが、保守層が議員を見極める正しい手段である。
国力研究会と菜の花議連、それぞれの参加議員が、これらの問いにどう答えるか。
それを丹念に追跡することこそ、私たちの責務である。
●重要ポイント
重要なのは、議員の「血」ではなく、議員の「言葉」と「行動」で判断する文化を持てるのかという点ではないだろうか。出自に関する不毛な論争に時間を費やすのではなく、価値観と政策の中身で議員を評価するといえばキレイだが、個人的には出自の公開は大切なポイントだと考えている。
6. 保守層が見るべき本質
熱狂の裏にある「脆さ」と私たちの選択
熱狂の絶頂は、しばしば、瓦解の始まりである。
東大の牧原出教授は、2026年初頭のフォーリン・プレスセンターでのブリーフィングで、高市政権を「脆い熱狂」と評した。
歴史的勝利の裏で、自民党は実は深い亀裂を抱えたと言えるからだといい、その亀裂が時間とともに広がるからだという。
国力研究会と菜の花議連の同時期発足は、まさにこの「脆い熱狂」の構造を可視化しているといえるではないだろうか。
保守層が陥りやすい2点としては、
第一に「高市信仰」である。
高市氏が掲げる経済安全保障、対中強硬、原発推進、靖国参拝——これらは確かに、長年の保守の願いを体現している。だが、政治家を信仰の対象にしてしまえば、保守は政策を冷静に評価する力を失う。高市政権の政策のうち、どれが本当に効果を上げているか、どれが期待外れか、どれが副作用を伴っているか——これらを冷徹に検証する目を、保守層は失ってはならない。麻生氏が国力研究会を立ち上げたのは、ある意味で、高市氏に過度な権力集中が起こることへの、麻生氏自身の保険でもある。私たち有権者も、政権を支えつつ、是々非々で評価する姿勢を保つべきだ。
第二は「石破憎悪」である。
石破氏は確かに、自民党を離れる行動(中道改革連合の引退議員と並んで講演する等)を取っており、これは党人派の保守からは「裏切り」と映る。だが、石破氏が訴える「自衛隊の憲法明記」「農業・地方の重視」「戦争の教訓を踏まえた安全保障」は、いずれも保守の伝統的な論点である。石破氏個人を嫌悪することと、石破氏が代表する「B群保守」の声を切り捨てることは、別の問題だ。後者を切り捨てれば、保守は都市的・硬質な「A群保守」だけの狭い思想に痩せ細ってしまう。
●重要ポイント
あなたにとっての日本が「ふるさと」と「国力」という2点で見たときに、それぞれどんな風景を想像するのか。その二つが衝突する日が来た時、あなたはどう判断するかはとても重要だと考える。

「菜の花議員連盟」と「国力研究会」——この二つの議連の同時期発足は、単なる政局ニュースではない。
これは、戦後保守が長く依拠してきた「自民党という器」が、内部から二つの磁場に引き裂かれ始めた、その象徴である。
麻生太郎が掲げる「国力」と、石破茂が訪れた「ふるさと」。
どちらも保守の言葉である。
どちらも日本という国を愛する言葉である。
だが、その向き合い方は明確に違う。
前者は東京・永田町・霞が関から日本を見渡す視線であり、後者は中野市・飯山市の小さな記念館から日本を見上げる視線である。
2028年参院選までの3年間、この二つの視線がどう交わり、どう離れていくか。
それが、令和の日本政治の最大の焦点になる。
私たち保守層は、その観客であってはならない。
当事者として、自分の判断軸を磨き続ける必要がある。
熱狂せず、絶望せず、ただ冷静に・・・・・・・。
そんなことを考えた週末でした。
ではまた、
出典・参考リンク
・産経新聞「高市支持グループ『国力研究会』発足へ 麻生・小泉氏ら発起人 重要政策へ党内基盤強化」(2026年5月7日) https://www.sankei.com/article/20260507-22KTQ75QPNJ7VCVSMXS6N7ZXOI/
・産経新聞「自民・石破氏 党派超えた交流で講演 主催相手は政界引退も…『利敵行為』」(2026年5月5日) https://www.sankei.com/article/20260505-53KKFPF5VJHH3O4QMJZ62IMIKQ/
・TBS NEWS DIG「【独自】自民有志 高市政権掲げる政策推進に向け議員連盟『国力研究会』発足へ 初回講師は米・グラス駐日大使」 https://newsdig.tbs.co.jp/articles/withbloomberg/2644806
・FNN「自民党内で高市総理支持グループ『国力研究会』発足へ 麻生副総裁ら発起人」 https://www.fnn.jp/articles/-/1040903
・yahoo!ニュース「高市総理の支持グループ『国力研究会』発足へ 発起人に麻生氏、小泉氏ら 全ての自民党議員に参加呼びかけ」
・牧原出(東京大学教授)フォーリン・プレスセンターブリーフィング「2026年政治の見通し」(2026年2月)
・菜の花議員連盟現地総会(2026年5月4日、長野県中野市・高野辰之記念館)参加者発信のSNS投稿群
・梅谷守事務局長による菜の花議連現地総会報告(X投稿、2026年5月4日)