あの人と別れた時から涙がでない。

別れた時もでなかった。

あまりにも全てがどうでもよくなった。



あの時の今までというのは根気強く

苦痛や寂しさと現実や周りから見えない部分で

何かと比較し常に競っているようなことだった。

大切な人を想ってどうにかしようと日々を送り

日常を振り絞った気力で全うし

有り余った時間は注いで

睡眠も精神も溶かし

受け取ることは不満と罵詈雑言。



あの人を信じて求めるなにかにひとつでもなりたかった。

好きでいてくれるあの人の言葉なら

俺を想って言ってくれてるのだろうと

どんなに虚しく自分を否定されるような言葉を送られても

どんなに愛を返されなくても

俺は全部受け止めて

あの人と一緒になりたかった。



人は価値の査定で決定されて初めて選抜される。

大切とはその時に使う言葉で

あくまで別のなにかに起きかわった時に

見えない順位がそこにある。

価値がないと判断づけられたその時から

何をしようが

どう変えようが

理屈も理性もいらない。



無駄だってこと。



あの人がいつかひとりになるという言葉を放って泣いた時

あなたが優しく俺を見守る時

信用の言葉を返してくれた時

暖かく何かがまとった気分に人を信用できないなりに人を好きなった気がしました。



あらゆる現象が起きてそれをインプットした時点から過去のものになって

決定づけて吟味して出した言葉で喜んだ過去は

あなたが吐き出したたった一言で崩れ去ったゴミのような異物に置き換わり

俺はそれを望まなかった。

でもそうさせたのは仕方がない。

そうさせたかったのだから。



見ていただけあった人間の素質と本質

本性や知性に相まった

結局は大衆の中にいるひとりの文化的な人間を

なにかで埋めてカバーしてただけ。

大切な人間からただの人間に起きかわった時から

感情なんてなくなった。



最後まで愛があると思いたかった。

ただの人間じゃないと思いたかった。

互いに不幸になるなんて嫌だった部分に言葉に否定を吐ける訳もなく一瞬で終わった夜。

どんなに寄り添う気持ちや行動があったとしても

都合が膨らんだ時にそれを越えられないと

価値とは薄まるものだ。



愛とは価値の査定じゃないと思う。

最後までそう思う。

値札が貼られた時から俺は愛されてなかったんだと思う。



世間の愛は価値の査定で決まるセオリーが文化的に設定されてる。

色々な証明や見聞してきた事象を含め

この世の愛の概念で回る世界に求めることが愚かだった。



ひとりになった途端によく寝れる。

待つことの無い夜をひとりで眠ると

愛のないベットなのに全てが軽かった。

今までのこと、尽くした過程が心底くだらなかった。

鬱になり眠剤を飲み

職場でのストレスも相まって精神安定剤も飲み

本当は自殺する予定だったことですら遅延させて

ただあの人だけを見ていた全ては無価値であり

どうでもいい日々の完成だった。

俺は泣けなくなった。



最近俺の死を願うあの人が嘲笑いながら出てくる光景を夢に見た。

頭の中でさえ俺は嫌われているらしい。

許して欲しいと思う。でもそのために何かをすることもない。



悲しくても辛くても

いつ死のうかなんて考えてプランを設定している時間

孤独で独壇場の今

俺は本当に悲しい人になった。

自分を外から見てなんて哀れだろうと思う。

今までの人生の経験を普通の人間がしてきたとしたらそれはハードなんだろう。



苦しくて泣いていたことと同じ目にあって

辛くて悲しくて

痛くて虚しくて

寂しくて寂しくて

侘しい自分の感情を目前にしても

俺はもう泣かないんだろう。



疲れ果てた日々。1つづつ壊れて歯車が回らないが

ゆっくり破壊されていくその日々に俺はいちいち気づけない。

人のように涙を流す文化ですら消え去った今

俺はいつ泣けるかと考えた時に

それは自分が望んでいたことを達成する時くらいだと思った。



俺は死ぬしか涙を流す方法はないのかもしれない。

その時に涙が出ないのかもしれない。

人間として持てる最大限を出して

踏みにじられて壊れた自分が

最後くらい人間として生きるなら

涙を流したい。



それくらい人生には何も無くなってしまいました。