特養で今でも腑に落ちない事-⑤難聴者をバカにする介護士達 | あなたに,も一度恋をする

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前記事にも書きましたが、

私は高齢者施設において、

利用者の快適度を高める点で、

聴力は最も重要だと考えています。

 

母は施設入所時、

頚椎圧迫骨折直後もあって

介護度は4でしたが、

それが改善した後、

アルツハイマー型認知症の度合いから

介護度は3でした。

 

介護認定の時に市の調査員が来た時は

真冬であったにもかかわらず、

季節はいつかと聞かれた母は、

「そうねぇ~、今は夏ねぇ。。。」

答えていました。

記憶力や判断力は低下していたものの、

もともと社交的な母にそなわっている

社会生活の極意はしっかりあって、

通常の会話のやりとりにも支障はなく、

一見、介護度3とは思えないほどでした。

 

そんな母でも

補聴器の電池が切れると全てが聴こえなくなり、

出てくる言葉は

「わからない。」の繰り返しになり、

頭が混乱しました。

何より、介護する側が

難聴者に大きな声で

しゃべりかけなくてはならず、

負担は増します。

大声を張り上げる事は喉の負担もそうですが、

本人がそれを聞き取れずにいられると、

同じ会話のループが続き、

とても疲れるのです。

 

この事からも、

難聴は介護ヘルパーだけでなく、

ダイニングでご一緒する利用者の人達にも

うっとおしい存在になり、

やがて仲間外れにされていきます。

 

母が利用していたこの施設では

80代、90代の方が多く、

半数の方は車椅子でしたが、

ほとんどの方に認知症がなく、

頭だけはさえわたった方ばかりでした。

(そういう人を選んで使わせている。)

そんなわけで、面会に行く私と、

普通に会話がはずむ方ばかりでした。

 

ですが、その中に、

母と同じくロングショートで利用している

母より2つ年上の

女性利用者のAさんがいました。

母の事をとても面倒みてくれて、

いつも横に座ってくれる優しい方でした。

Aさんは認知症もあったと思いますが、

耳元で話さないと

会話が聞こえない、超難聴でした。

 

その方が、

私が母の補聴器電池を

入れ替えているのを見て、

「それはよく聞こえるの?」

と聞いてこられました。

「はい。つけるとよく聞こえてるみたいです。」

そういうと、Aさんは

「私ももってるんだけどね、補聴器。

片耳だけだけど。」

というので、

「もっていらっしゃるんですか?

それだったらおつけになればいいのに。」

と言うと、

Aさんは、

「じゃあ見てもらおうかしら。」と言って、

おもうろに自分の個室から、

補聴器をもっていらした。

 

「これですね。」と言って見せてもらい、

自分の耳に当ててみるのだけれど、

一向に音が聞こえてこない。

補聴器の中の電池が切れているのです。

 

「Aさん、電池の予備、ありますか?」

大きな声を出して聴いてみるけれど、

「ちょっとわからないわぁ。」と返ってくる。

 

ここの施設の建物内には

ファミリーマートがあるけれど、

そこには補聴器用の空気電池は売っておらず。

Aさんのお部屋に家族の方がもたせた

電池の予備があるのかもわからず。

 

ただ使えない補聴器だとしたら

ここに持たせるはずはないので、

もしかして電池も含め、

家族は用意して

部屋のどこかに置いてあるのかもしれない。

或いは、

電池の交換を介護士に

頼んでいるのかもわからず。

ただ、こうして補聴器をつけませんかと

促す人物は、施設にいない事は確かで、

誰も興味をもっていないのだろうと思いました。

そもそも、ここの施設の介護士は、

自分から利用者に話しかける事もないのだから。

 

恐らく、

『施設の介護士が数日に一度、

補聴器の電池交換を行う』などといった一文は

Aさんの介護プラン表などには

どこにも記載されていないのだろうと思いました。

食事、投薬、トイレ介助、入浴介助、

着替え、洗面、これらの最低限の項目以外は、

おそらく載せてないのだろう。

 

そしてこの方の事を、

職員や介護ヘルパーが毛嫌いしている事が

あからさまだと思った出来事が

何度かありました。

 

1回目の出来事は、

私がお昼過ぎに伺ったある日の事。

「娘さんもコーヒーをどうぞ。」

入れてくださったコーヒーを頂きながら、

リビングで母とその他の利用者さんと

テーブルでご一緒しました。

 

その時、Aさんが、しきりに、

その給仕の女性職員に話しかけている。

この給仕の女性は、

60歳を超えたパートの女性で、

おやつの給仕の他、

洗濯などを担当している方。

介護職ではない方です。

 

その職員はAさんの声掛けに答えつつ、

Aさんが「聞こえないわ。」を繰り返す。

するとその職員は私の顔を見て目くばせをし、

嫌悪感あらわな顔をして、

「いやでしょ、

この人!聴こえないからこれよ。」と。

私はちょっと驚いて、

私を差別する側に入れないでと思いました。

 

そして別の日、

忘れもしないひどい言葉を

聞いてしまう出来事が・・・。

あれは夕食前だったと思います。

面会に行って、母のユニット個室に入って

母と話をしていた時の事。

 

ユニットとは言え、

ダイニングの前の母個室。

すべての声が個室のドアを貫通して

丸聞こえです。

そこから、Aさんの声が。

どうやら、食事の支度をしている、

ベテラン太っちょ女性介護士に

「食事はまだ~?いつ食べれる?」

と聞いている声が…。

「まだよ。5時半になってないじゃない。」と。

するとまたAさん、それが聞こえないのか、

「食事はまだなの?何時になったら食べれるの?」と。。。

 

すると太っちょ女性介護士、大声で

ごはんごはんて、

ほんまアンタ

いやしいなーっ!」と。

 

今の何?まじ???

 

そしてこの言葉を注意するスタッフの声も

聞こえてこない。

この太っちょ介護士、利用者の家族が、

まさかユニットの中にいてると思わなかったのか、はたまた、この建物でリビングでの会話は一言一句、ユニット個室に筒抜けになっている事をご存知ないのか、、、

 

これを聞いて、難聴ではあるけれど

優しいAさんの事が好きだった私は、

ほんとに悲しい気持ちになったもんです。

利用者を辱める言葉を、

これみよがしに吐いて、

この女性は自ら品位をさげている。

これがこの施設の日常なのかもしれないなと

思った出来事でした。

 

この日の事は、

後日だいぶたってから、

自宅に来て下さっていた訪問ヘルパーさんに

数年前こんな事があってねと

聞いてもらった事がありますが、

「最低だなぁ。」と言っていらした。

 

この太っちょ介護士さん、

その翌年、会報誌の記事で、

5年勤務で表彰を受けてらした。

実際に利用者への言葉の暴力を耳にして、

私は

この施設、

何が”利用者に寄り添う介護”を行っていますだよ!

と思ったもんです。

こんな介護士を誰も止めない、注意しない施設。

施設の設備は一流、人は三流以下!

それがこの施設の実態。

 

そんなわけで、

私が施設に行った際、

母の補聴器の電池が切れる前日には

面会に訪れて、

新しい電池に交換していました。

まだまだ補聴器における出来事があります。

それはまた次の記事で。。。。

 

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今日も長い記事をお読み頂きまして、

ありがとうございました。

寒くなってきました。

コロナも蔓延しています。

私も先々週、罹患してしまいました。

どうぞ、充分予防の対策をなさってくださいませ。