長生きの悲劇1-子供に先立たれる事 | あなたに,も一度恋をする

あなたに,も一度恋をする

わんこと,お花と,お料理と…そして介護

以下の記事は

年配者は長生きしないでくれと

あおる記事でないつもりで書いておりますが、

不愉快なご気分になられた方がいらしたら

申し訳ありません。

 

***************************

私は今、現在91歳の母を自宅介護しています。

介護は自分の経験も含め、

母の介護施設のご利用していた方や、

その他、見聞きした事を通して

私が常々感じている事があります。

それは

『長生きの悲劇』。

 

人は誰しも死ぬことを恐れますし、

だから長生きする事が

幸せのように感じます。

 

でも、実際、長生きをする事で

辛い事や惨めな思いをして

幸せが逆転するかのように、

生き辛くなっている人は

大勢いると思います。

 

母が2年半、ロングショートで

お世話になった特養の利用者さんに

かなりのご高齢の方がいました。

お歳をお聞きすると、

97歳、95歳、93歳、91歳…。

 

ひえ~~!!

1/3以上が90歳以上の方で、

皆さん、頭の冴えた方ばかり。

今の時代、

90歳超えは珍しくないのか!

…驚きでした。

(当時、母は87歳でしたから。)

 

そのご高齢者のなかに、、

いつも、少女がつけるような

わいいヘアピンをつけている、

いつも笑顔を絶やさない、

93歳の女性がいました。

 

その方は、30代に夫を亡くし、

それからは、女手一つで

一人息子を育てたそうです。

けれどもその息子さんは、

もう10年以上も前に、

亡くなってしまったとの事でした。

 

幸い、お孫さんの男性が

身元保証人となってくれているとの事。

髪につけてる可愛いピンは、

お孫さんが毎回持ってきてくれるのだそうです。

おばあちゃん思いの

優しいお孫さんだそうで、

その点はお幸せなのかもしれません。

 

ケアマネ職の友人に聞いたところ、

長生きゆえに、

子供たちに先立たれている方は

決して少なくないのだそうです。

子供がいるから、

老後は心強いという

安心感があったのに、

自分の大切な子供に先立たれるのは

どんなに悲しい気持ちになるでしょう。

 

 

そんな事を聞くと、

看取ってもらえる時に、

看取ってもらう。

子供が元気なうちに、

親が先立つ事が、

本人にとっても、

子供にとっても、

幸せな事ではないかとさえ、

思えてしまうのです。

『長生きはやっぱり悲劇だな。』と。

 

実は私、今、乳がん治療を受けています。

第1クールの抗がん剤点滴を先日受けました。

その副作用にもがき苦しんでいました。

(今日の夜になって、ようやく少しマシに。)

こうなると、

母の介助どころではなくなってきました。

 

あのひどい特養施設の

ロングショートにオサラバし、

完全自宅介護に切り替えられるまで

試行錯誤で、

ようやく2年かけて

自宅介護を確立できたと思ったなか、

受けた宣告でした。

これから約1年間、

抗がん剤と手術が待っています。

 

治療しながらでも

母の自宅介護が出来るかの保証がないため、

私は治療が始まる前に、

ケアマネのお知り合いの特養に伺い、

施設見学をし、

ここならば大丈夫だと思い、

ロングショートの契約をしてきました。

再びのロングショート。

まさかの逆戻り。。。

 

枠は空き次第、

ご連絡が入る事になっています。

それまで、

今のヘルパー事業所さんに

母の朝・昼・晩の食事介助を

プラスしてもらえるよう

要請している段階です。

(これで自宅介助が続けられたら

どんなによいでしょう。)

 

特養での長い滞在が続けば、

母にとっては、また、

家族に捨てられたと感じる日々が

始まるのかもしれません。

また、ここはどこ?

が始まるかもしれません。

それでもこの体調では

自宅介護の見通しがつきません。

(抗がん剤を受けると

クール前半はほぼ寝たきりです。

ベッドからトイレに歩く

母の身体を支えきれないのです。)

 

母は歩行困難になりつつも、

身体内臓など、どこにも不調がありません。

あるのはアルツハイマー型認知症です。

この2年の自宅介護になってから、

気持ちがおだやかになり、

ここが自宅だと認識できるように

なりました。

恐らく突発的な事故がない限り、

高齢者てんかんの

強直発作で呼吸困難が起きない限り、

きっと、あと数年は生きられます。

その間に、娘の病を知ったなら、

万が一、亡くなってしまったなら、

母はどんなに悲しむでしょう。

他県に住む姉は、

手伝いには来てくれるものの、

母を引き取る意思はありません。

 

では同居している夫が出来るでしょうか?

夫もガン経験者で、心臓が弱っていて、

そのエネルギーはありません。

そして何より、

夫は母の子供ではありません。

 

そんな時、思うのです。

やっぱり、長生きは悲劇じゃないのかと。

 

*************************

暗い内容になってしまいました。

どうか悲しまないでください。

今後も私が垣間見た介護の現場などを

これから治療を続けながら、

ブログに時々綴っていきますので、

どうぞ、よろしくです。