はじめに
この記事は不快と思われる内容があるかもしれません。
でも、同居する家族がいないと、
こんな事が起こるという事をお伝えしたくて
記事にしています。
あくまで叔父と叔母における事例です。
すでに二人とも亡くなっていますで、
これは回想記録です。
この時叔父は亡くなり、
叔母は1人暮らしになって、
介護サービスを使うようになりました。
79歳‐レビー小体型認知症
本態性振戦もちで、
いつも身体が左右に大きく振れています。
歩行はすでに困難を極めていました。
栄養不足のため、体重は30㌔を切り、
骸骨のような姿でした。
息子は叔父の死後、
お嫁さんと息子がそれぞれ週に一度
隣の県から見にきてくれますが、
しょせん週に一度の数時間、
大ざっぱに分かっても、
詳細は把握できません。
結局、介護に関するキーパーソンは、
隣に住む姪の私が
担わざるを得ませんでした。
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この話は、施設入所を拒否する叔母と、
入所を願う周囲の方達との
攻防戦です。
叔母の入所は息子が決めたものの、
息子は母親に、肝心の
施設入所の説得をせず、
ケアマネとお嫁さんに
丸投げしていました。
話は前記事の続きです。
その後、ケアマネさんは、私が懸念した
〝叔母が一度も施設を見てない事”に、
『確かにそれも最な話だ。』
と思われたそうで、
後日電話がかかり、
叔母を連れて
施設見学に行く事にした事、
当日、お嫁さんにも同行してもらう事の
お知らせを頂いていました。
しかし、これにはリスクがありました。
入所申し込みの契約を
交わしたのは息子ですが、
それは叔母本人の名前を、
息子が代筆しているだけの事で、
当日、施設見学した当の本人が
「私にその意思はありません。」
と言えば、この契約は流れてしまいます。
そのリスクを負っての、
ケアマネさんの判断でした。
私は叔母が当日現場で暴走しないよう、
ケアマネさんに
以下を提案しました。
叔母は若い男性が好きな事、
男前であれば、ウキウキする事、
当日施設案内してくれるスタッフさんは
出来るだけ若い男性が良いと思うと
お伝えしました。
4年間見守りを続けたなかで
垣間見た叔母の一面です。
この後の内容は、
ケアマネとお嫁さんから聞いた話で
書きます。
当日、叔母は、
お嫁さんが叔母宅に到着した時から、
お嫁さんに一切目を合わさず、
完全無視していたそうです。
叔母は極悪な部分もありますが、
良い所もあります。
それは、お嫁さんの悪口を言わない、
お嫁さんをイジメない事でした。
自分が長年、姑との同居で
苦労してきたから、そこだけは
セーブ出来たのだと思います。
けれど、自分が施設に
送り込まれる事を知らされ、
自分は舅姑を同居で看取ってきたのに
いざ自分が年寄りになって
何にも出来なくなったら、
息子夫婦は同居どころか、
自分を施設に入所させるという。
怒りが湧き上がり、
叔母にもプライドがあったと思います。
叔母なりにお嫁さんを
精一杯可愛がってきたという自負も
あったと思います。
(実際に見てきてそう思います。)
やがてケアマネが迎えに来られ、
二人を車に乗せて施設に向かいました。
ケアマネから事前に依頼された通り、
施設は若くてハンサムな男性職員を
案内係にしてくれていたようです。
叔母はこのスタッフが自分の目を見て
優しく言葉かけをしてくれる度に、
にこやかな笑顔を向けていたのだとか。
ところが見学が終わって
家に送り届けてもらったあと、
叔母は、お嫁さんの前で、
「誰があんなとこ行くかっ!」
と豹変し、握っていたパンフレットを、
床に投げつけたそうです。
その怒りを
目の当たりにしたお嫁さんは、
藁をも掴む思いで
ケアマネにLINE送信します。
『私に義母を入所させるのは無理です。
なんとか、施設のスタッフさんから
叔母を入所するよう、
説得してもらえないでしょうか?』と。
ところが
入所を後押ししてくれているはずの
ケアマネから返ってきたのは、
『それは出来ないですよ。
施設のスタッフが、
ご本人に入所を説得する事など
あり得ません。
それはご家族のなさる事ですよ。』と。
お嫁さんはその言葉にショックを受け、
叔母の冷淡な態度に
心が折れそうになりつつも、
しかし自分が何とかしなければと
気持ちを奮い立たせ、
「お義母さん、
あそこは3食作ってくれるよ。」
「いいとこだったよね。」
「悪いとこじゃないよ。」
「新しい建物で綺麗だよね。」
「いつも誰かが見守ってくれるよ。」
「お医者さんもいてくれるから安心だよ。」
と言葉をかけたそうな。
けれど、どんなに懸命に伝えても、
そんな事は叔母にとっては、
空言(そらごと)にしか過ぎず。
叔母を唯一説得できるとしたら、
それは一人息子でしか出来ません。
息子が説得せずに、誰が出来ましょう。
叔母は息子の事を
馬鹿だと思っていました。
「なんもできん無能な奴だ!」と
そう私の前で罵った事は、
一度や二度ではありません。
でも、その無能な馬鹿が
叔母に頼まない限り、
誰も叔母の心を動かす事は出来ません。
後から知った事ですが、息子は、
施設入所はケアマネと私が
結託して決めた事で
自分はそれを断れなかった・・・
と言うストーリーを作り上げていました。
息子が叔母に話していた内容は、
「この話をしくんだのは
ケアマネとmin(私)やねん。」
「お嫁ちゃんも、お母ちゃんに
施設に行ってほしいと言っている。」
「僕もみんなに責められて辛いんや。」
「僕は、ほんまは、お母ちゃんに
行ってほしくないんやで。」
はぁ~?
息子は〝自分可哀そう”を常に演出し、
嘘をつくのは日常茶飯事。
一部は事実の場合も、それを誇張し、
自分の都合の良いように脚色し、
自分に責任を負わないように
同情を買おうとするのです。
二枚舌は、彼の得意技。
ミュンヒハウゼン症候群。
叔母はどこかで客観的に事実を
捉えていたと思うフシもありましたが、
母親というのは、
どこかで信じたいのです。
息子は薄情な奴ではないと。
息子は気の優しい子、
自分をひどい目に逢わせるなんて
本心で思ってるはずない。
皆に、たぶらかされてるだけだと。
叔母の入所拒否の意思表示は
幸い、現場で示される事がなかった為、
入所契約は破棄にならずに済んだものの
私はこの話を聞いて、
1週間後に控えた入所など、
実現するわけない!
と思っていました。
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そして迎えた壮絶な1日。
次の記事に、その詳細を記述します。
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