プッチーニ「ツゥーランドット」 | あなたに,も一度恋をする

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歌劇
《トゥーランドット》

ソプラノの友人Mさんからお借りしたこのDVDは、
美術、舞台芸術、出演者、劇場、すべてが素晴らしかった。
出演者の面々も超一流。
王子カラフの役にはプラシド・ドミンゴ。
トゥーランドット姫に、エヴァ・マルトン。
アカデミーな教育を受けてきたソリストばかり。

そのなかに黒人奴隷のリュー役を演じた“レオーナ・ミッチェル”がいる。
彼女はオクラホマ大学で学んだが、この舞台に上り詰めるまで数々のオーディションを受けてきている。

このレオーナが演じるは奴隷のリュー。
カラフ(ドミンゴ)に恋をしたときから、カラフの父につかえ、
ともに中国に流れてきた。
リューは盲目の王の、手となり足となり、時には物乞いまでして仕えてきた。
その黒人奴隷リューが、歌い上げるアリア。
痛いほどに、カラフへの想いが伝わってくる。

第一幕のこの場面から、私は涙がとまらくなった。
音楽で、こんなに泣けるものかというほど、自分でも不思議なほど、涙が滝のように流れ出てくる。
歌の力、人の声の力、その伝達力に身体が反応せずにいられないんだ。


オペラが幕を閉じ、カーテンコールでペアでの登場のあと、今度は一人一人、歌い手が登場する。
そしてリューを演じたレオーナ・ミッチェルが登場したとき、メトロポリタン歌劇場は湧き上がり、
ブラボーの嵐が始まった。
出演者達は世界一級の面々のなかでの勝ち取った準主役。
自分に浴びせられるその拍手に、ミッチェルは信じられないような表情をしたあと、
ひざがくずれ、震え、泣いた。
恐らくこれほどの拍手をあびることなど想像していなかったに違いない。


友人のMさんが私にこのDVDを貸してくれたのは、作品の質もそうだけれど、
このレオーナ・ミッチェルを私に紹介したいと言ってくれた。
Mさんは、いつも音楽に負けそうになると、このDVDのなかのミッチェルに出会いたくなって、
再生するのだという。

長い長い忍耐の時期と、長い長い葛藤の時期を経て、
万人からの拍手とブラボーを受けたとき、きっと過去の全てが報われるような思いになるに違いないよね・・。

レオーナ・ミッチェル・・私もあなたに心からの拍手を贈ります。
「ブラボー!ブラビー!」



すばらしいDVD
オススメします。
私の受けた感動を
皆様にも…。

ジャコモ・プッチーニ作曲
Giacomo Puccini(1858―1924)

ジェイムズ・レヴァイン指揮/メトロポリタン歌劇場管弦楽団
エヴァ・マルトン(S)/プラシド・ドミンゴ(T)
レオーナ・ミッチェル(S)/ポール・ブリシュカ(B)

制作:1987年4月 メトロポリタン歌劇場におけるライヴ収録
制作:ユニバーサル クラシックス&ジャズ
発売元:ユニバーサル ミュージック株式会社
販売元:ビクターエンタティンメント株式会社