「・・・・グスッ」
先ほどからうさぎはドキュメントを見ながら
一人感涙に浸っている。
そんなうさぎを見ていると思わず自分まで
もらい泣きをしてしまいそうになる。
ドキュメントの内容は
余命一ヶ月と告げられた24歳の
癌患者の女性とその恋人のお話。
余命わずかな彼女の
ささやかな願いをかなえるべく、
奔走する彼女の恋人と友人達。
たくさんの愛情に囲まれながらも
彼女はやがて
医師の宣告どおり死を迎える。
「ねぇ、まもちゃん」
「なに?」
「私が・・・癌になっても・・・
あと一ヶ月で死ぬってわかったら・・・
それでも・・・私の側に居てくれる・・・
一緒に・・・」
涙で言葉を詰まらせ、衛の胸元に顔を
埋めるうさぎを見た途端
衛の中の感情が少しずつ
あらわになっていった。
「俺は・・・絶対うさを病気になんてさせない。
たとえ、そうなっても、どんな手を使ってでも
うさの病気を治すよ・・・一緒に苦しんであげるよ。
だから・・・」
“どんなかたちであっても離れないで”
うさぎを抱きしめながら
衛は涙をこらえた。
「まもちゃん・・・ありがとう・・・」
うさぎは衛にそう言うと涙を拭いて
再び画面を見つめる。
どんな形であっても
お互いの愛を貫く二人を見て
衛は思うのだ。
愛より強いものってあるのだろうか・・・?と。
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昨日見たドキュメントを見て思いついた作品。
「余命一ヶ月の花嫁」というタイトルの
ドキュメントです。
作品でも書きましたとおり
末期がんで余命一ヶ月と
宣告された24歳の女性のお話なのですが
(彼女はこの事実を伏せられたまま
亡くなられました。)
彼女の「ウェディングドレスを着たい」という
望みを叶えるべく
奮闘する彼女の友人や恋人
そして彼女の父親の姿に
思わず涙ぐんでしまいました。
途中母に邪魔されて
見れなかった箇所もありますが・・・
(いいところだったのに!)
まもうさ変換する以前に
自分が同じ立場だったら?
何が出来るんだろう?
友人が余命一ヶ月と知ったら
自分は何かしてあげられるか?
重たいテーマですが、
彼女に対する恋人や父親、
そして友人達の愛情に
少しだけ救われたような気がします
改めて彼女のご冥福をお祈り申し上げます