ピティナピアノコンペティションの課題曲にネッフェ作曲のカンツォネッタが出ました。
懐かしい気持ちになりました。
15年位前かな。課題曲になったことがあるんです。
あの頃同じA1級に出る生徒さん達7~8人いたかなぁ。
Sちゃんがカンツォネッタを選びました。それと近現代の曲はなんだったか忘れてしまいましたが、予選にむけて2曲練習していました。
A1に出るみんなで何度も合同レッスンしました。みんなの演奏を聴いて、刺激し合ったり、励ましあったりしていました。
でもSちゃんがなかなか仕上がりません。
みんな心の中で心配していました。
最後のレッスンのとき、「この中で1人くらいに落ちる人がいるかもしれないけど、でも、最後まで諦めたらいかんよ。最後までがんばるんよ❕」
と言いました。
Sちゃんのお母さんは、レッスンのときの様子をビデオで撮影しておられました。
そして、ピアノの隣にテレビを持ち込んで、私がお手本で弾いているカンツォネッタを何度も何度も再生して、Sちゃんに一緒に弾かせたのです。
「本当に最後まで諦めなかった❗」
本番の日になりました。
みんなそれぞれ一生懸命弾きました。
最後、Sちゃんの番になりました。
みんな演奏が終わってるのに、Sちゃんの演奏を応援するために、じっと座って聴いていました。
私もドキドキしながら聴いていました。
なんと、私のお手本と全く同じ演奏でした。
さて、優秀賞の発表のときがきました。
当時、優秀賞を取った人は、アナウンスで1人ずつ名前を読んでいただいてました。
○番○○さん。
○番○○さん。
竹本教室の全員が名前を呼ばれるまでは、緊張していました。
Sちゃんをのぞいて全員名前を呼ばれました。
Sちゃんの演奏番号が近づきました。
みんな固唾を飲んで、アナウンスを聞いています
。
○番○○S○○さん。
とうとう、Sちゃんも名前を呼ばれました。
そのときです。
竹本教室の生徒さん、そしてお母さん達が歓声をあげ、泣き出しました。
「先生が最後まで諦めたらいかんって言ったぁーみんな受かったー‼」
と涙を流しました。
その時の本選はみんな本当にがんばりました。
最後まであきらめない。
そうみんなで誓ったから。
全国大会2名出場。
本選優秀賞多数。
カンツォネッタの楽譜を見ながら、当時のことを思いだすと、今でもウルっときてしまいます。
さて今年はどんなドラマが繰り広げられることでしょう。
竹本喜代美