私の妹、それから、娘、そして私の発表会が終わりました。
総勢120人が演奏しました。みんな、よく練習していて、一生懸命弾きました。後ろで進行しながら、毎年ながら感動でした。本当にみんな精一杯表現していました。
進行しながら、私と妹の母親であり、娘の祖母が、客席で、最初から最後まで聴いているのが見えました。時には指揮をしながら、また、リズムに合わせて体をゆすりながら聴いていて、一人一人の演奏に拍手を贈っていました。
母は、88になります。毎年、この発表会を楽しみにしています。
アルツハイマーがあり、そして、本人は知らないのですが、肺ガンです。
あんなにパワー溢れる母なのに、信じられないのですが。
「もう、今年の発表会が最後なのかな。」
そんなことをふと思いながら、進行していました。
発表会の次の日、生徒さんのお母様と話す機会がありました。
「近くに座っておられたのが、先生のお母さんでした。一人一人の演奏を批評しながら聴かれていて、また、その批評が専門的で的を得ていて、いったい、どなたかと思ってました。」
母は、小学校の教員でした。自分のクラスの生徒さんを附属小学校に連れて行き、研究大会で、研究授業をしたりしていました。その時には、当時何十万もかけてスーツを誂えて、颯爽と教壇に立っていました。
今は、アルツハイマーで、言っていいことと良くないことの区別がつかないので、発表会の席で失礼があったら、申し訳ありません。
「お母さん、最後の花束贈呈のとき、先生方3人を指指して
『両端の2人が私の娘で、真ん中が私の孫なんよ!』
と、とてもうれしそうにされていましたよ。」
と聞きました。
いい思い出が作れたのかな、とうれしくなりました。
仕事が忙しく、めったに顔を見せない私なので、これからは、時々実家に顔をみせようと思っております。
母のおかげで3人ともピアノができたのだと思うので、これからも感謝の気持ちを忘れず、がんばって指導していきたいと思います。
みなさんの心のこもった演奏、ありがとうございました。
竹本喜代美