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東京電力福島第1原発事故後の作業で被ばくし、その後に白血病になった元作業員に対して、労災を認定したと、厚生労働省が発表しました。恐らくこの件を利用して、反原発活動家は危機感を煽る宣伝を繰り返しそうで、心配をしています。
今回の一件は、1976年に設定され、その後変更されていない労災認定基準に該当したので、厚生労働省としては労災の認定をしないという選択肢はなかったというだけのことです。決して、19.8ミリシーベルトの被爆が白血病を引き起こすほど危険ということではありません。原発作業員の確保のために、万が一の心配に対応する緩い労災認定基準が導入されたという政治的な背景を無視して考えるべきではありません。
1976年の基準は、『相当量の電離放射線に被ばくした事実(年5ミリシーベルト以上)があること』、『被ばく開始後少なくとも1年を超える期間を経た後に発生した疾病であること』、『骨髄性白血病又はリンパ性白血病であること』の3つです。今回の作業員の場合、業務に従事した1年半の間に計19.8ミリシーベルトの被爆があり、要件を満たしているので認定をされました。
しかしながら、現在の科学が教えるところでは、むしろ19.8ミリシーベルト程度の被爆であれば、全く被爆しなかった場合と比べた場合には、むしろ白血病になる割合は減るというのが実際のところです。下図をご覧下さい。
0.1シーベルト、0.2シーベルトと横軸に記されているのは累計被爆量で、0.1シーベルトが100ミリシーベルトに相当します。世間の思い込みと違って、150ミリシーベルトくらいまではむしろ白血病に罹患して死亡する確率は下がっていることがわかります。(ガン全般の話とは別で、白血病に関しての話です。)
どのような立場に立ってどのような運動をするかはもちろん自由ですが、思い込みによって事実と違うことを主張することはやめて頂きたいと思います。
そして、こういう誤解を生みそうな話題こそ、正確な事実を知らせる上でのマスコミの役割が大きいと思いますが、どうせ何もやらないどころか、無根拠な危機感を煽る側に回るであろうと予想されます。悲しい現実です。
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