日本国政府はついに尖閣諸島の問題で重大な失態を犯してしまったようです。
毎日新聞がまとめたところによれば、中共側との4つの合意内容の3番目は「尖閣諸島など東シナ海の緊張状態について異なる見解を有すると認識。対話と協議を通じて情勢の悪化を防ぎ、危機管理メカニズムの構築で不測の事態を回避」となっています。
日本と中共では尖閣諸島の領有権に関して異なった見解を持っているということを文書で確認してしまったということになります。日本が尖閣列島は日本固有の領土であることに疑いの余地がないと考えていることと、中共が尖閣列島は中国固有の領土であることに疑いの余地がないと考えていることを、対等の状態で存在することを公的に認めた形になるわけです。
国際的に見れば、尖閣諸島の領有権が未確定であることを日本政府が公式に認めたということとして受け取られるのは避けられません。中共側が飲んでくれるように外務省としては玉虫色の文書にしたつもりなのでしょうが、日本としては領土問題は存在しないという立場を事実上撤回したことになります。これは明らかに外交的失態でしょう。中国が強奪に動いて居座ったとしても、領有権に置ける立場を対等に認めてしまった以上、我が国としては国際的に強くアピールできる力を失ったということになるわけです。
実際、中国メディアは一斉に「貴重な一歩」として高く評価しています。このことの意味を考えられないほど日本の外交は劣化しているようです。
そしてこのような事態が、赤珊瑚が取られ放題になっているこの時期に進んでいるということを、私たちはどう理解すればよいのでしょうか。
おまけに、この時期に中国人に対する数次ビザ要件の緩和まで進められました。ますます中国人が日本国内でやりたい放題のことをしやすい条件を整えてしまったわけですが、平和ボケもいい加減やめてもらいたいものです。彼らは他国の領海に赤珊瑚を取りに五星紅旗を翻して平気でやってこれる人たちであり、象牙の密輸を政府専用機で行うことさえできる人たちなのです。
全く理解できないのですが、今度のAPECでどうしても日中首脳会談を実現させねばならないという妙な焦りがどうやらあるようです。そしてそのことが愚かな行動を次々と引き起こしているように感じます。
ところが、日本がこれほど必死に媚を売って日中首脳会談を実現させようとしても、中共側はAPECでいわゆる日中首脳会談が実現したとしても、「首脳会談」ではなく「日中指導者の接触」との位置づけとし、正式な首脳会談とは認めない立場を取っています。
日本は徹底的に舐められているわけです。