中韓の真の狙いを見間違えるな! | 岐路に立つ日本を考える

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 私は日本を世界に誇ることのできる素晴らしい国だと思っていますが、残念ながらこの思いはまだ多くの国民の共通の考えとはなっていないようです。
 日本の抱えている問題について自分なりの見解を表明しながら、この思いを広げていきたいと思っています。


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 昨日の河野談話に関わる話はわかりにくかったかもしれませんので、またちょっと別の観点から話を進めてみたいと思います。

 近年日本を非難する中国や韓国の姿勢が強まっているのは、皆さんもよく感じられるところだと思います。慰安婦や「南京大虐殺」のことのみならず、戦前の「強制労働」に関して日本企業を提訴する動きも広がってきました。そして実際日本企業に対して賠償を言い渡す判決も相次いでいます。戦前の船の賃貸料の支払いに関連して、商船三井の船が中国において差し押さえられるという事件もありました。

 これらに対する我が国の反応はどうだったでしょうか。例えば韓国人が起こした「強制労働」に関して、我が国はどのような論拠で反論したでしょうか。日韓基本条約締結時に同時に締結した日韓請求権協定(日本国と大韓民国との間の財産および請求権に関する問題の解決ならびに経済協力に関する協定)に、「両締約国は、両締約国及びその国民(法人を含む。)の財産、権利及び利益並びに両締約国及びその国民の間の請求権に関する問題が、1951年9月8日に サン・フランシスコ市で署名された日本国との平和条約第四条(a)に規定されたものを含めて、完全かつ最終的に解決されたこととなることを確認する」と書かれており、この段階で決着済みではないかというものだったかと思います。

 法律論としてはまさにこの通りであって、韓国の裁判所や被害者を名乗る韓国人が何を主張しようとも、この条約により個人が関わる請求権もすでに決着はついているわけですから、主張の妥当性など一切問題にする必要はないというのはまさに正論でしょう。

 しかしながら彼らが狙っているのが日本から受け取れるお金だけではないことに私たちは気付いておくべきだと思うのです。すなわち、日本人というのは権力を握ると、弱い立場の人間の弱みに徹底的に付け込んで、道徳的に許されない行為を平然とやってのける下劣な奴らなんだというイメージを国際社会に定着させることも、彼らの狙いなわけです。というよりも、それこそが彼らの真の狙いだと考えるべきだと思うのです。「自分たちの行った非道徳的なことにほおかむりして法律的な技術論で逃げてしまおうと考える奴らが、いかに正義ヅラをした主張をしようが、どうせ胡散臭い話なんじゃないの?」と世界中に思わせる中で、自らの優位性を確保したいというのが、中国や韓国が狙っていることであるわけです。尖閣諸島や竹島の我が国の領有権の主張についても、「日本の言うことを頭から信用したらいかんよな」と世界の人たちに思わせるように仕向けていこうというのが、彼らの狙いなわけです。

 そしてそれが真の狙いであると理解した場合に、日本側の反論がいかに間の抜けたものであるかがわかるでしょう。「過去の人権無視の強制労働の賠償をせよ」と訴えられて、「それはすでに時効ですよね」とか「条約において解決済みなので、現在は請求権は消滅していますよね」とだけ応えるのでは、人権を無視した強制労働をさせたということがあたかも事実であるかのように映し出されてしまうという結果をもたらすからです。そしてそのイメージが国際社会の中で広がることこそが、彼らにとっての狙いそのものであるのにです。

 日本は相手の主張を取り上げることが法律論的に筋が通らないことを主張しても当然よいのですが、そこに留まらずに、我が国は言われるような非道徳的な行為を行った事実はないということを、しっかりと主張すべきなのです。日本政府は日本という国に対する国際的なイメージが「日本こそ道義国家である」というものとして確たる位置付けが得られるようにすべきです。そして、これを傷つけるような国際宣伝に対してはその兆候が見てとれた段階で潰していくために十分な努力を払っていくというのが、日本国政府の基本的な方針となるべきです。この基本的な位置づけが明確になっていないところに、日本外交の根本的な弱点があると、私は考えます。


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