台風の煽り報道はやめるべきだ! | 岐路に立つ日本を考える

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 私は日本を世界に誇ることのできる素晴らしい国だと思っていますが、残念ながらこの思いはまだ多くの国民の共通の考えとはなっていないようです。
 日本の抱えている問題について自分なりの見解を表明しながら、この思いを広げていきたいと思っています。


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 昨日に続いて、マスコミの気象情報に対する苦言を呈させていただきます。

 先ほどANNニュースをネットで確認していましたら、「大型の台風19号は強い勢力のまま、13日午前8時半ごろに鹿児島県枕崎市付近に上陸­しました。」と報じているのを見つけました。この報道はかなり問題です。というのは、画面に表示されている情報では、最大風速は秒速30メートルとなっており、台風について「強い」という表示は行ってはならないところまで強さは衰えていたからです。



 昨日の繰り返しになりますが、台風の強さには「強い」「非常に強い」「猛烈な」の3段階の表記があり、最大風速が秒速33メートルから44メートルのものを「強い」、44メートルから54メートルのものを「非常に強い」、54メートル以上のものを「猛烈な」で表します。最大風速が秒速30メートルの場合には「非常に強い」とか「猛烈な」という表現が許されないだけでなく、「強い」という表現さえも許されないのです。

実際この24時間の間で最大風速は秒速40メートル→35メートル→30メートルと大きくスケールダウンしており、この観点から見ても、「強い勢力のまま」と表現するのはいかがなものかと思います。

 (平成26年10月13日午後8時)現在では、中心気圧も既に980ヘクトパスカルと、温帯低気圧の強めのものとさほど変わらないレベルにまで弱ってきています。もちろんそれでも台風は台風ですので、局地的には台風特有の強い雨や風が観測される場所もあるでしょう。ただ、中心が近づきつつある関西圏の風をアメダスで観察しても、ほとんどの地域が秒速10メートルどころか5メートル以下となっています。西日本全域で見ても、秒速10メートルを超えるところは極めて稀であることがわかるでしょう。

アメダス(風速・風向)
(画像をクリックすると、拡大します)

 雨については大阪南部では非常に強い場所もあるのがわかりますが、1時間雨量が20ミリを超える地域はやはり例外的ということになります。

アメダス(降水量)
(画像をクリックすると、拡大します)

 つまり、温帯低気圧の強めのものがやってきた場合とさほど変わらない程度に留まっているのであり、少なくともJR西日本が全線を運休させねばならないような強さを持った台風ではないということがわかります。実際Yahoo路線情報で関西圏の鉄道の運行状況を確認しましたら、阪急電鉄・阪神電鉄・京阪電鉄などでは全線が平常運転をしており、JR西日本の対応の異様さが目につきます。

 関東においても、例えば渋谷区と西東京市では14日の公立学校の休校を早々と決めたりと、教育にも大きな影響を与えているようですが、14日の朝には恐らく大した風もなく、雨は全く降っていないという状況になると思われます。

 マスコミの煽り報道を頭から信じた側のメディアリテラシーのなさにも問題がありますが、それでも第一の責任は煽り報道に徹したマスコミにあると私は思います。


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