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今回日本を襲った台風18号は、上陸時の中心気圧が955ヘクトパスカル程度とかなり大きかったものの、スピードはかなり速いものでした。それにもかかわらず、270万世帯に避難勧告を出し、水害や土砂崩れも様々に報告されるものでした。
今回の台風に限らず昨今はやたらと自然災害、特に水害のニュースが多い印象があります。恐ろしい話ですが、もはや慣れてきたというか、驚かなくなったというか、随分と神経も鈍くなってきているように思えるところもあります。これは以前よりもゲリラ豪雨の類いが増えているということもあるのでしょうが、防災対策的な観点での公共投資が長期にわたって削減されてしまった結果ともいえないでしょうか。
以下のグラフは公的固定資本形成の推移を表しています。
アベノミクスの第二の矢で公共事業費が大幅に増額されているイメージがあるようですが、実際には1996年を頂点として激減した公的固定資本形成は、安倍政権誕生後も若干増えたにすぎません。公的固定資本形成の対GDP比は、1980年代から90年代にかけては6.5%から9.5%の間であったものの、近年は4%から5%の間で動いているに過ぎません。
そしてこのレベルの公共投資では全く足りないということが明らかになっているということに、私たちは十分に気を配るべきであると考えます。地震も多く、急峻な地形から水害も発生しやすく、毎年多くの台風も訪れるこの日本において、そうした影響のない西ヨーロッパ諸国と公的固定資本形成の対GDP比が同じであるとか、それよりも小さいということがどれほど危険なことかを考えられないほど、日本の政治は劣化しました。今なお「身を切る改革」なんてことを口走っている政治家が多数いることに、憤りを感じます。
日本国は日本国民が安寧に生きていけるようにすることに、当然政策の主眼を置くべきです。そのことをすっかり見失っていることに、こうした事例からも気付くことができるのではないでしょうか。
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