真正面からのプロパガンダ戦・外交戦を展開せよ! | 岐路に立つ日本を考える

岐路に立つ日本を考える

 私は日本を世界に誇ることのできる素晴らしい国だと思っていますが、残念ながらこの思いはまだ多くの国民の共通の考えとはなっていないようです。
 日本の抱えている問題について自分なりの見解を表明しながら、この思いを広げていきたいと思っています。


政治 ブログランキングへ

 イギリスのフィナンシャルタイムズが A gaffe-prone Japan is a danger to peace in Asia (ヘマぐせのある日本はアジアの平和に対する脅威だ)というコラムを載せました。簡単に要約すれば、「日本の政治家が靖国を参拝して近隣諸国の反発を強めることで、欧米の友好国をも当惑させている。なんでこんなヘマを日本はやらかすんだ」というような主張です。

 また、先日、オリバー・ストーン監督が「日本はまず中国に謝罪することから始めるべきだ。中国で多くの罪を犯したことや多くの人を殺害したことに対して。そうすれば、中国は自ずとこれまでとは違った目で日本を見るようになる」という発言を行ったことも報道されました。

 幾分前になりますが、春の例大祭に168人もの国会議員が靖国神社を訪問したことに対して、ブルームバーグが How the Past Gets in the Way of ’Abenomics’ (過去がアベノミクスの邪魔をする)というコラムを載せたこともあります。このコラムも、靖国参拝を極めて否定的に捉えた記事です。

 私たちが覚えておくべきであるのは、欧米の知識人の間では、靖国神社や日中・日韓関係を日本の左翼と同じように捉えているのが極めて一般的であるということです。そしてそれは、日本政府が中国や韓国や反日マスコミのプロパガンダに対する対抗策をずっととってこなかったことと、当然つながっていると考えるべきでしょう。彼らは今でもこの種のプロパガンダを積極的に展開しているのであり、これによって欧米のマスコミも政界も、すっかり彼らのプロパガンダを信じるところに至っているわけです。

 さて、この段階で安倍総理が靖国神社に参拝していたとしたら、欧米のマスコミはどのくらい騒ぎ立てたでしょうか。私は一般に日本の保守的な人たちが思っているのと違って、ものすごい大騒動になっていたのではないかと思います。私は今回安倍総理が靖国神社の参拝を行わなかったのは、中国や韓国に対する配慮と言うよりも、欧米の政界やマスコミを刺激したくない意識の方が強かったのではないかと思います。この点では、安倍総理の今回の靖国参拝の回避は、理に適っていたのではないかと思っています。

 さて、私たちがここから得るべき結論はどうなるでしょうか。これまでと違って、日本人の美意識的には極めて不愉快ではありますが、プロパガンダ戦から逃げないことであり、プロパガンダを打ち砕く外交戦略をうち立てることであるのは、明らかではないかと思います。

 さて、政府が韓国のロビー活動に対する対抗策に着手することを決めたと報道されました。学術レベルの英文資料作成や海外シンクタンクへの日本人研究者派遣などを考えているとのことでした。もちろんこの動きは歓迎すべきものですが、なぜ世界の一般人たちに向けてのアピールを第一に考えないのか、今なお不思議です。中国や韓国はことあるごとに大きな声を上げ、その声は毎回マスコミを通じて私たちのところに届いています。当然、日本以外の国の一般の人たちのもとにも同様に届いていることも多いはずです。そういう機会をどうして自ら積極的に打ち出すことをしないのかが、私には非常に歯がゆく感じるわけです。

 今年の8月15日を迎える前に、靖国神社への首相の参拝が米軍占領下においても認められたこととか、A級戦犯とされた人たちの合祀が明らかになった段階では、中国は抗議をしなかったどころか、日本に対してもっと防衛予算を増額するように求めていたことなども、いろんなチャネルを通じて宣伝し、閣僚や国会議員の参拝に対する国際的な反発を和らげておくように気遣っているべきでした。事前に展開できなかったとしても、事後でもこうした情報を積極的に知らしめる努力は当然ながら行っておくべきです。しかし、このような動きは今なお見られません。

 さらに言えば、日本の立場を守るための主張だけでなく、彼らが攻められると困る部分についても、ガンガンと非難をしていくべきでしょう。例えば、チベットでの僧侶の焼身自殺について、日本のマスコミはほぼだんまりを決め込んでいますし、欧米のマスコミもさほど積極的な報道は行っていないようですから、ここに切り込んでいくようなことも、躊躇せずに行っていくべきです。中国や韓国がいかに異常な国かということを、機会を捉えて宣伝していくべきです。

 外交的には、例えばフィリピン・ベトナム・タイ・インドネシア・インドなどの首脳が安全保障問題を巡って一同に日本で会する機会を作り、こうした首脳と一緒に首相が靖国神社に訪問するようにするといったことも考えられるでしょう。「アジア諸国の反発」なるものが、極めて偏ったものでしかないということを、世界に向けて発信できるように、外交を展開してもらいたいものです。

 物おじしないで正論を展開し、物量でも全く負けないだけの宣伝戦を行うと同時に、外交的にも彼らの主張を孤立させる展開を真正面から進めるべきだということに同意頂ける方は、ブログランキングへの投票をお願いいたします。


政治 ブログランキングへ