竹島・尖閣問題の解決のために | 岐路に立つ日本を考える

岐路に立つ日本を考える

 私は日本を世界に誇ることのできる素晴らしい国だと思っていますが、残念ながらこの思いはまだ多くの国民の共通の考えとはなっていないようです。
 日本の抱えている問題について自分なりの見解を表明しながら、この思いを広げていきたいと思っています。

 前回のブログでも述べましたが、歴代の日本政府は、外国政府のみを相手にするばかりで、一般の外国の国民に直接我々の考えていることを伝えるということは、あまり力を入れてきませんでした。

 ところが、問題の根底には、外国の国民が日本政府の考えていることをよく知らないままでいることが、実に多いと感じられます。この点をしっかりと認識し、対策を打つことで、局面を大きく変えられる可能性もかなり高いのではないかと思います。

 幸い、世の中はインターネット時代で、私たちが触れられる情報量は格段に増えました。前回のブログでも紹介したように、日本国総理から外国首脳に送られた親書の骨子ですら、内閣府のページに行くと公開されているものが見つかったりします。我が国の政府の情報だけでなく、外国の政府の情報にしても比較的容易にアクセスができます。

 多くの人に見てもらいたいと思うものがあるならば、積極的に YouTube などにアップするなどすれば、よりアクセスしてもらいやすくなりますね。

 さて、この作戦を竹島問題・尖閣問題で利用することはできないでしょうか。

 韓国国民が竹島問題で日本に対して怒りを向けているのは、竹島が自分たちの領土であることに全く疑いを抱いておらず、日本が無茶な主張を勝手に行っていると考えている側面が大きいはずです。この状況を覆すために、日本政府が、韓国側の主張も念頭に置きながら、これに効果的に反論し、竹島が日本の領土であることをわかりやすく伝える動画を作成し、YouTube にアップすることをやってみるわけです。

 そして記者会見を開いて、「竹島は歴史的にも国際法上も日本固有の領土であることは明らかであるという我が国の主張を、わかりやすい動画でまとめてみました。我が国の主張におかしな点があるかどうか、動画を見た上で韓国国民の皆さん、ぜひご判断ください。」と、アピールします。

 さらには「もちろんこれに対して反論があるならば、反論できる動画を韓国政府にも用意してもらって、ぜひ公開して頂きたい」と韓国政府に向けてもアピールするわけです。

 同様に、尖閣問題でも中国国民が怒っているのは、日本政府が本来中国の領土であるべきところに居座っていると信じているからです。ですから、竹島問題と同様の動画を作成し、YouTube にアップすれば、状況が大きく変わる可能性があります。もちろん大々的に記者会見を開き、中国や韓国のみならず、世界に対してアピールすることを行います。

 作成する動画は、日本語版・中国語版・韓国語版だけでなく、英語版も最低限用意し、世界的にもこの論争を見守ってもらうようにしたいところです。できれば、インドネシア語やベトナム語など、東アジアの諸言語でも作成し、中国と領土問題を抱えている多くの国の人にも、事実をひろく知ってもらうようにして、これらの国々との連携を深めるようにもしたいです。もちろん、スペイン語・ポルトガル語・フランス語・ドイツ語・ロシア語・アラビア語などの言語においても作成し、こうした言語を母語とする外国のマスコミに向けてアピールするのも、できればやりたいところです。

 民主党政府が行わないなら、自民党が韓国セヌリ党・中国共産党・台湾国民党に対して、同様のメッセージを発しながら行うという手もあるかと思います。公的な機関が公的な機関を相手に行い、記者会見を通じて広く世界に知ってもらえるようにするということが大切だと思います。

 相手国国民を傷つけないように配慮しながら、内容に問題がなく、良質でわかりやすい動画を作成して公開するなら、日本に対する見方を大きく変えるきっかけになるはずです。

 そしてこれが大きなセンセーションを引き起こしたならば、慰安婦のこと、南京大虐殺のことなどでも同様の動画を作成して公開していくことも考えてよいのではないかと思います。

 ついでに言えば、公開質問状の類も、これからの時代は動画で行うのもありではないかと思います。

 相手国の国民を直接ターゲットにした宣伝も外交の大切な要素であるということを、日本はずっと忘れてきたのではないかと、私は思っています。そのために世界で余計な誤解をたくさん生んでいるところが多くあります。これをなくすために、今後は世界に向けた動画戦略を、外交の大切な一部として、ぜひ位置付けてもらいたいと思います。